【感想】クラシカロイド第1シリーズ:全体/マイ・ベスト/キャラクター

ギャグアニメ『クラシカロイド』第1シリーズ(1期)の全体、マイ・ベスト・○○、キャラクターについて感想を書きました。

クラシカロイドって何? と思ったそこのあなたはぜひこちらの紹介記事をお読みください。

※各話感想、第2シリーズ予想、第2シリーズ感想は以下の記事に書きました。
1話~9話の感想
10話~18話の感想
19話~25話の感想
全体、キャラクターについての感想
第2シリーズ予想
第2シリーズ1話感想
第2シリーズ2話感想

経緯と全体の感想

今になってこんなにハマっているものの、放映当時は全く興味がありませんでした。「クラシックの作曲家が現代に蘇る? いや~なんか難しそうだしいいや」と一蹴してしまいまして。
結果から言うとそれでよかったのだと思います。おそらくリアタイで1話から観ていたら挫折していたでしょう。

2017年6月某日、レンタルビデオ屋で『勇者ヨシヒコ』シリーズを借りる時、新作アニメのコーナーに目が留まり「ついでに観てみるか」と魔が差したのは実に幸運でした。当時の私、グッジョブ!

手違いでDVD1巻が借りられなかったので2巻から視聴を開始したらそこはギョーザーパラダイス(5話)。正直「なんだこれ」でした。登場するのが餃子狂いのベートーヴェンUMAになるモーツァルト、よく分からないけどなんか個性の強すぎるその他のクラシカロイドたち、ナチュラルクズな男子高校生、そして彼らにいいようにこき使われている(ようにしか見えない)JK大家さんという顔ぶれなので。
こんなん放映していいのかNHKとひとしきり憤りました(今でも一部の場面に関してはどうかと思います)が、OP、EDとムジークの場面だけは面白かったので、まあどうせ他に観たいものもないしと観続けておりました。

転機は4話でした。続いて8話で「女子会 #とは」と思い、11話で「これはダメ人間を愛でるアニメなのだ」と悟り、伝説の13話で完全にクラシカロイダーになってしまいました。たぶんほぼシューベルトのおかげです。グッジョブ!!

そもそも私が放映時にこのアニメを「難しそう」と判断したのは、やはり偉人を扱うのだからギャグの中にも音楽家たちの挫折や志が描かれるのかなあと思ったからなんです。そんな堅苦しいものは今は観たくないわと。
でも実際には「こいつら偉人の生まれ変わり(?)のくせにアホだなあ、でもときどきすごいなあ!」と直感的に楽しめるアニメでとても安心しました。
(しかし、正直つまらないと思ってしまう回があるのは否めません(笑)。基本的にあまりキャラに入れ込まない人間なので、ストーリーが面白くないと観てるのがつらいのです。)

そしていつの間にか音楽に興味が湧いてきたため、教育的効果も十分にあると思います。
私は早速、このアニメで最推しなのにウォークマンに1曲も入っていなかったシューベルトの曲を大量に仕入れて聴いています。加えて、十数年放置していたピアノの独学を再開してしまいました。藤田監督が意図していた通り、私にとってはこのアニメがクラシックの楽しさを思い出すきっかけになったのです。ありがとうクラシカロイド
まあ、そんな大きなお友達の動向はともかく、本来のターゲット層である子供たちにとっても、クラシックに興味を持つ良いきっかけになっているのではないでしょうか! 教育テレビとしては実に適切な役割を果たしているといえますね。グッジョブ。

10月には2期を迎え、私の好きなワーグナードヴォルザークが参戦するとのことで、今から胸のときめきが止まりません。
ぜひ2期だけと言わず何期でもやってほしいです!

各話感想は以下の記事で書いております。
2期予想も書いています。

マイ・ベスト・○○

22話のベートーヴェンにあやかって(?)作ってみました。「⇒感想」をクリックすると別記事の感想に飛びます。

マイ・ベスト・エピソード

第1位 ♪04 さまよえる後輩
映像、演出、台詞、全てが美しい。シューベルトの時代錯誤感が傑作。
⇒感想

第2位 ♪13 ます
色んな意味でレベルの高いギャグを味わえる。ツッコミ不足が深刻です。
⇒感想

第3位 ♪17 みかん!みかん!焼きみかん?!
究極の超展開。奏助の顔芸が光ります。あの後結局どうなったの!?
⇒感想

マイ・ベスト・ムジーク

第1位 ♪21 ブレイク・スルー(「シューベルトの魔王道」)
シューベルトの不満が炸裂。ライミングも前野さんの演技も巧い!
⇒感想

第2位 ♪08 女子会の一日(「Fool Love Rhapsody」)
謎の世界観が構築されていて癖になる。ちょうちょになったチャイコとバダがかわいい。
⇒感想

第3位 ♪17 みかん!みかん!焼きみかん?!(「みかんゾンビマーチ」)
その頭でスリラーを踊るなw
⇒感想

マイ・ベスト・ソング

第1位 「情熱について語るべき2、3の真実 ~田園より~」
ベートーヴェンらしい曲。闘志がみなぎるぜ!
⇒感想

第2位 「疾風怒濤 ~交響曲第25番より~」
20話を観た後でフルバージョンを聴くと感動します。
⇒感想

第3位 「みかんゾンビマーチ ~トルコ行進曲より~」
クラシカロイド屈指の電波ソング。カラオケで歌うのが楽しい。
⇒感想

キャラクター

以下、終盤の話のネタバレをしている箇所があります。ご注意ください。

各キャラクターについて

ベートーヴェン(CV: 杉田智和

異様な餃子好きであることを除けば性格・容姿ともに造形はしっくりきました。

時々歌苗とフラグを立てていたのが微笑ましかったです、若干犯罪臭がするけど。2期も2人の間に何か進展があればいいですね。
そんなことより働けって話ですが。彼は時々本気で殺意の湧く言動をするから困る。食べ物を無駄にするって、人としてやっちゃいけないことだと思います。ま、人間じゃないんだけどね!

モーツァルト(CV: 梶裕貴

こういうイケメンで「軽佻浮薄」なタイプ、私は超高確率で苦手意識を持ってしまうのですが、彼については普通に一キャラとして好きになれました。たぶん、容姿端麗だけどしょっちゅう顔面崩壊するところに謎の安心感があるんじゃないかと。

下ネタ大好き、女の子大好き、そして落ち着きがなく気分屋で色々やらかすところは史実のモーツァルトを実によく再現しているように思います。

アニメ歴が浅いので知らなかったんですが、梶さんてこういう役もできるんですね。シリアスな役しか聴いたことがなかったので新鮮でした。こっちの方が楽しそうだなあなんて思ったり(笑)。これからも明るく元気なモーツァルトを楽しみにしています。

リスト(CV: 能登麻美子

当初は「なぜリストが女性に!??」と頭の中が疑問符だらけでしたがそのうちどうでもよくなりました

グラマラスボディな若い女性になったのに時々口調とか所作とかに滲み出るおっさん感がいい味出してます。まあ人間歳を取れば誰しもおっさん化するというか、現実の女性は大概あんなもん(当社調べ)ですし、ある面では非常にリアリティがあると思います。

結構面倒見が良かったり、ちゃんと仕事をしていたりするところは史実から持ってきてるんですかね。某ネット百科事典を読んだだけでも「このお方、ホンマにできる方や……!」と感じ入ってしまいました。

ショパン(CV: 鳥海浩輔

鳥海さんは私が最初に名前を覚えた非常に思い出深い声優さんです(バテン・カイトスのカラスとダンガンロンパの石丸君が好きなんです)。その彼がどんなキャラに声をあてるのかと思ったらまさかの引きこもりでびっくり。私の知ってる鳥海さんの声じゃないw

ショパン自体にも引きこもりのイメージは全くなかったのでえらく驚いてしまいました。病弱だった→家で療養していることが多かった→引きこもり という流れですかね?(笑)
はじめは「おいおい大丈夫かよ」と言っていましたが、現代のネットのオタク文化を体現しているところに親近感が持てて受け入れられました。

ちなみに10話を見る限りでは意外と正統派イケメンだと思います。回によっては作画がアレでイケメンどころか……って顔をしているのがつらい。
1期は少し出番が少なかったように感じたので、2期ではもっと活躍してほしいです。

シューベルト(CV: 前野智昭

さあ、私の推しキャラのターンだ。シューベルトがいかに良キャラであるか語ろうか。

まず、私は不憫な真面目キャラに弱いシューベルトはその点ドンピシャリです。
それとあの時代錯誤的な服と白手袋に、オレンジ色の長髪をオールバック(?)にしているのもいい。つまり容姿も好みです。
さらに、私の嗜好とは関係なくシューベルトがメインの回は面白い。4話、13話、21話、いずれも『クラシカロイド』で面白い話5つ挙げるとしたら? と聞かれたら全部入れます(21話は気分と勧める相手によるかもしれないけど)。
加えて、シューベルトには家事能力がある。そこ重要!? と思われるかもしれないが重要です。それだけで歌苗ちゃんがだいぶ救われるから。もし同人でカップリングものを書くとしたら私はベト歌でもモツ歌でもバハチャイでもBLでもなくシュ歌をゴリ押しします
最後に、シューベルト感情の振れ幅が大きいところが実に楽しい。特にベートーヴェン関連で鼻水垂らして喜んだり悲しんだりするのはもうそれだけで笑える。感情が昂ったときの声も面白い。せぇんぱあぁぁぁ~~い!とか、地獄に落ちろモーツァルト!!とか、めっちゃツボです。

いや~、史実のシューベルト絶対こんなんじゃねえよと思いつつどんどん沼にはまっていく自分が怖い。最近シューベルトについての書籍を読んだら史実の人はモーツァルトのこと絶賛してるじゃないか(笑)。

しかし、惜しいのは21話以来見た目がずっとあのままなこと。あの古風な服と白手袋が良かったのにッ!!(机バーン)
ラッパー姿のアフロっぽい毛とメガネがどうも受け付けないのですよ。まあ彼は立ち位置的にヒップホップが一番似合うというのは理屈としてはよく分かるし、毒舌ラップめっちゃ楽しいのですが。
何より家事をちゃんと手伝っているのかが心配(おそらく手伝ってない)。

2期では服装が元に戻っているか、少なくともムジークの時だけはあのかっこいいオレンジ色の衣装になってほしいけどたぶん無理でしょうね。それでも応援してるぜシューベルト

チャイコフスキー(CV: 遠藤綾

「ウホッこんなかわい子ちゃんも作曲家だったなんてクラシックも捨てたもんじゃないなあ」と思ったけどあのヒゲのおやっさんでしたか。中身がおっさんの東北弁美少女、最高やん。

やっぱり彼女はオヤジ返りする場面が良かったですね。その姿でガニ股になるなw お手拭きで顔を拭くなww 腹巻きやめろwww てな感じでずっと噴き出していました。何度も言いますが現実の女性は大概こんなもん(当社調べ)なのでその幻想を二次元でさえ打ち砕いていく姿勢がとても好きです。



2期もバダジェフスカとの夫婦漫才を心待ちにしています。

バダジェフスカ(CV: M・A・O)

こっちは本物の女性作曲家でした。そして曲はよく聞いたことがあるのに作曲した彼女の名前は全く存じ上げませんでした。
アニメでは「一発屋」といじられていましたが、他にも書いていたのに色々な理由で散逸・低く評価されてしまったというのが真実のようです。最近ようやく再評価され始めているんだとか。夭折したのが悔やまれます。っとシリアスな話はここまでだ。

曲者揃いのクラシカロイドの中では比較的まともな人に近い印象を受けます。史実でも(本人がそれを望んでいたかはともかく)至極まともに生きた人っぽいですしそれを反映しているのかも。

2期では『乙女の祈り』以外の曲を聴けるといいな~と思っています。

バッハ(CV: 楠大典

歌苗の言う通りヅラがない方が断然いいと思います。なぜムジークの時は最終話を除いて必ずヅラとグラサン装備なのでしょうか。実に惜しい。色黒で彫りが深くて銀髪で無精ヒゲ(?)がちょろっと生えてるってかなりポイント高いですよ。

音楽用語しか話さないのが面白いのと同時に少し怖かったです。わりと行動も謎だったし。

結局、彼が一番初めに開発されたクラシカロイドで、他に誰を蘇らせるか決めたってことでいいんでしょうか? 「私が認めた八音」とか言ってたので。
まあそこらへんはどうでもいいですね。クラシカロイドにおいて考察は無意味。壊せ日常、出せムジーク!

音羽歌苗(CV:小松未可子

たくましくて生活感のあるところが好きです。絶対いいお嫁さんになる。候補にろくなのいないけど。

初期は本当にかわいそうで見ていられませんでした。響吾さんめっちゃ毒親じゃないですか。
だんだん周りに合わせて壊れてくれて安心したけど、よく考えたら相変わらず家事をほぼ1人でやっていることに変わりはない。シューベルト頑張れ、超頑張れ。歌苗ちゃんはもっと怒っていいと思います。

神楽奏助(CV:島﨑信長)

最初は殺意しか湧かなかったけど回を重ねるにつれだんだんいいところもあるじゃんと思えるようになった、けどやっぱり殺意が湧く少年。まあ実際男子高校生ってこんなのばっかりですよね。そのリアリティゆえに同族嫌悪が止まらないぜ。
女の子のことや儲け話のことを考える時の顔の下衆さ加減が絶妙なのでぜひその調子で2期も頑張ってほしいです。

パッド君(CV:石田彰

石田さんの涼しい声で毒舌を吐いているさまが小気味良いです。人工知能のくせにひどく人間臭い性格をしていますね。
彼が再び電脳世界のイケメンの姿で現れることはあるのでしょうか。個人的には今の姿の方がかわいくて良いと思いますが。

ハッシー

2期のドヴォルザークの登場によりにわかにクラシカロイド説が浮上しているがそんなことはないと思うよ! ただのかわいいハシビロコウだよ! 伏線っぽい場面もあったけどたぶん考えすぎではないでしょうか。
もしクラシカロイドだとしたらヘンデルあたりですかね。何かと悪役を買って出ている(13話でシューベルトを食べようとする、17話で呪いの代弁者になる、19話でロットバルトになる)のが気にはなるところです。

音羽響吾(CV:大川透

最後まで特に役に立たない親父というキャラを徹底していて好感が持てます。それでも一応歌苗たちの心の支え(?)になっているのは胸熱でした。
ヘラヘラしているけど実はやるときはやる! みたいなありがちな設定がなくてよかったです。

三弦亜紀楽(CV:藤原夏海

あの悪役っぽい雰囲気はなんだったんだと思うほど憎めない人だった。バッハ様のヅラを自分から被りにいくとか大丈夫か。
2期ではちゃんとクラクラのマネージャーやってるんですかね。また密かに余分な研究をしてハママツを引っかき回しそうな予感が半端ない。

各話のメインキャラリスト

一応作ってみたところ、まあ予想通りの結果になりました。
その回にムジークを使った人をだいたいメインキャラとして数えています。

タイトル メインキャラ
♪01 ベトとモツと音羽館 ベートーヴェン
♪02 出せ!ムジーク モーツァルト
♪03 チョッちゃんとリッちゃん リスト、ショパン
♪04 さまよえる後輩 シューベルト
♪05 漆黒のギョーザー ベートーヴェン
♪06 始まりのクラシカロイド バッハ
♪07 やまのおう モーツァルト
♪08 女子会の一日 リスト
♪09 闇、その向こう ベートーヴェン
♪10 愛しのジョリー ショパン
♪11 せめて、家事くらい 歌苗
♪12 J・S・バッハ バッハ
♪13 ます シューベルト
♪14 解散するクラクラ、デビューする歌苗 バダジェフスカ
♪15 地獄の学園祭 奏助
♪16 働け!ベト モツ ベートーヴェンモーツァルト
♪17 みかん!みかん!焼きみかん?! モーツァルト
♪18 ミツルロイドとギョウナくん バッハ
♪19 恋すれば死す チャイコフスキー
♪20 その名はモーツァルト モーツァルト
♪21 ブレイク・スルー シューベルト
♪22 ちがいのわかるおとこ ベートーヴェン
♪23 八音の世界・前編 全員
♪24 八音の世界・後編 全員
♪25 宇宙からのアンコール 全員

メインになっている回数は以下の通り。

ベートーヴェン:5回
モーツァルト:5回
バッハ:3回
シューベルト:3回
リスト:2回
ショパン:2回
チャイコフスキー:1回
バダジェフスカ:1回
歌苗:1回
奏助:1回

やはりベートーヴェンモーツァルトが多いですね。
2期は、ベートーヴェンモーツァルトの回数を1回ずつ減らし、歌苗、奏助の回がなくなり、ワーグナードヴォルザーク回がそれぞれ2回くらいでしょうか。2回以下のクラシカロイドは底上げしてもらえると嬉しいですが。


最後までお読みくださりありがとうございました。

以下の記事で各話感想や第2シリーズ予想、第2シリーズ感想、ネタバレなしレビューを書いています。よろしければご覧ください。

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Source: アニメ – 星を匿す雲

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