今回は、読書初心者用おすすめ推理小説ランキング20選です。
これまでブログ内で沢山の小説を紹介してきましたが、
「面白い小説を読みたいけど、どれから読めば良いのか分からない!」
という問い合わせを頂く事が、多くなってきました。
私は今まで一度も「ランキング記事」を書いた事はありません。
それは、紹介してきた小説はどれも、今までの人生で何千冊と読んできた中から厳選してピックアップした作品たちなので、その中で更にランキングをつけるのが難しかったからです。
どの作品にも、それぞれに良い部分があるので。。
ですが、自分のランキングではなく、
「読書初心者におすすめのランキング」
であれば…と思い、今回はランキングとしてまとめました。
★文字を読むのが苦手
★ミステリー小説に興味はあるけど、あと一歩踏み出せない
★作品が沢山ありすぎて、どれを読もうか迷っている
などなど、普段あまり読書をしない人、活字に慣れていない人向けに、
★読みやすい
★面白い
★驚きや感動を味わえる
なるべく、そんな作品たちを揃えました。
では、どうぞ!
読書初心者におすすめ!読みやすくて面白いミステリー小説ランキング20選!
20位 「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」 麻耶 雄嵩
ドラマ化した「貴族探偵」が有名な作家。
探偵2人(とワトソン役1人)が繰り広げる推理合戦が見ものですが、メタ要素がやや強い為、推理小説慣れしていて、且つメタに理解のある人向けですね。
20冊目くらいなら、読んでも問題ないでしょう。
副題も上手い伏線になってるんですよ。。
19位 「そして二人だけになった」 森 博嗣
「森 博嗣」は、以前紹介した「S&Mシリーズ」の他にも四季シリーズ・Gシリーズ・Vシリーズ・Wシリーズ・Xシリーズなど、数々のシリーズ物を書いている作家です。
どのシリーズも面白いんですが、今回はシリーズ外作品から紹介します。
この作品、オチに納得がいかなくて結構批判的な意見も多いんですけど、私は大好きなんですよねぇ。。常に未読の作品を追いかけ続けているので普段はあまり無いんですが、これは何度も見返したくなります。
密室トリック物でもあり、大どんでん返し物でもある、この作品。
一言で言って、傑作ですよ!
18位 「倒錯のロンド」 折原 一
現実と虚構の狭間…盗作と倒錯…。
まるでマトリョーシカ人形の様な多重構造には、舌を巻くばかり。
どこまでが虚構でどこからが現実か、、めくるめく折原ワールド。
1回読んだだけでは、絶対に分からないと思います。
内容が複雑なので、きちんと理解するには少しだけ慣れが必要かも。なので18位。
17位 「すべてがFになる」 森 博嗣
工学博士が書いた「理系ミステリ」として有名。
ドラマ・アニメ・マンガ・ゲーム化もされました
「S&Mシリーズ」として10作刊行されていて、私も大好きなシリーズです!
理系と言っても変に難しくはなく、むしろ読みやすいですね。最後はパズルがきちんと噛み合って、読後はスッキリ出来るでしょう。
16位 「殺しの双曲線」 西村 京太郎
誰もが知っている、トラベルミステリーの第一人者。
その作者がアガサ クリスティの「そして誰もいなくなった」を書いたら…という作品。冒頭で「双子トリック」と明記しているにも関わらず、あの真相にはビックリさせられます。
さすが大御所!
15位 「十角館の殺人」 綾辻 行人
はい、「館」と言えばこの人。
館シリーズだけで9作刊行している他、当然ほかの作品でも洋館などが舞台の作品が多々あります。館編なのにこの人を紹介しない訳にはいきませんね(笑)
新本格ブームの鏑矢となった本作品、必ず読むべきと言えるでしょう。程度の差はありますが、館シリーズはどれも面白いです。
14位 「テロリストのパラソル」 藤原 伊織
史上初めて、江戸川乱歩賞と直木賞をW受賞した作品。
新宿中央公園爆破事件の犯人に間違えられた主人公、被害者となった学生運動時代の恋人、そして現れた元恋人の娘…。主人公の体験として学生運動時代(東大安田講堂事件)の話も沢山描かれていて、カラー(今)とモノクロ(過去)が密接に絡み合っていきます。
主人公はアル中のバーテンダーで、ハッキリ言ってダメな大人…なんですけど、渋さとカッコよさが滲み出る会話の数々が、とてもカッコいいですね。
全編に渡って「濃厚なハードボイルド」の雰囲気が漂う、稀有な面白さを持つ作品になっています。かなりおすすめですよ!
13位 「絶叫城殺人事件」 有栖川 有栖
この人は、私の中では綾辻 行人氏の相棒です。
何故相棒なのかは、今度記事にする予定(知る人ぞ知る、大好きなドラマがあるんです)
本作は短編集になっていて、6作中5作が館モノという館マニア垂涎の作品です(笑)
タイトルになっている絶叫城はゲームであり、この作品のみ建物は出てきませんが、出来は一番良いですね。
12位 「噂」 荻原 浩
香水の新ブランドを売り出すために流した「噂」が、いつしか現実に…。
引き込まれる文体で、中だるみする事なく最後まで楽しめると思います。小さい伏線をコツコツ積み上げた結果の、あの無情な結末…。
帯に書いてある通り、この小説は「ラスト1行の衝撃」に尽きますね。。最後の最後でそうきたか…と。 この後主人公が(精神的に)どうなっちゃうのか心配になります。
この作者は「最上俊平シリーズ」で有名なので、そちらもいずれ紹介する予定です。
紹介したい作品はごまんとあるので、ネタ切れの心配が無い点は嬉しいです(笑)
11位 「密閉教室」 法月 綸太郎
早朝の密閉された教室にポツンとある死体。四十八組あったはずの机と椅子が何故か無い…。
作者が23才の時に描いた作品なので若干文章が「青い」ですが、面白いプロットの読みやすい学園ものです。
ただ、読みやすさという点では、ベストテン作品には一歩及ばないかな。
10位 「模倣の殺意」 中町 信
この作品は、書かれた時代を考慮するか否かで評価が真っ二つに分かれますね~。
「叙述トリック」は今でこそ誰もが知っている推理小説の代表的なネタで、私のブログですら大どんでん返し系の作品に対するGoogle検索流入が沢山きますが、この作品が書かれた1973年においては、まだまだ全然浸透していませんでした。
そんな背景を持つ時代に、デビュー作として発表された今作。
文句なく「傑作」ですね、これは。「大どんでん返し/叙述トリック」が大人気の現代、ようやく時代が中町信に追いついたと言えるでしょう。
推理小説好きならば、日本における叙述トリックの先駆け的なこの作品、必ず読んでおいた方が良いですよ。
9位 「焦茶色のパステル」 岡嶋 二人
2人1組の作家、岡嶋 二人のデビュー作。さながら、和製「エラリー クイーン」ですな
競馬界や競走馬の事が主題として出てきますが、その世界に興味がなくても全く問題ありません。競馬モノか…と読まず嫌いしてる人は、間違いなく損してます!デビュー作でこの出来栄えは、素晴らしいの一言。ちなみに、岡嶋 二人は既にコンビ解消済
あと、全くの余談なんですけど、赤川次郎の作品に「杉原爽香シリーズ」というのがあって、それのタイトルが全て「色+何か」で統一(若草色のポシェット・瑠璃色のステンドグラス・桜色のハーフコート等々)されてるんで、焦茶色のパステルを読んだ時にそれを思い出しました(笑) 1年に1回刊行されて約30年続いているこのシリーズは、「登場人物が読者とともに年齢を重ねる」という画期的シリーズなので、こちらもおすすめ。(15才から始まって、現在44才!)
8位 「世界は密室でできている。」 舞城 王太郎
この作家は、独特です。
まあ、どの作家もそれぞれ個性があるんですが、それにしても独特(笑)
句読点や改行を極力抑えてあって、非常にスピード感のある文章が特徴です。まさに「駆け抜ける」といった表現がピッタリ!
良い意味でも悪い意味でも普通じゃないので、好き嫌いが別れるでしょうねぇ。ここに載せてるくらいなので、私はコレはコレで好きです。
密室トリック物(の皮をかぶった)青春エンターテインメント小説を、存分にお楽しみください。
7位 「密室に向かって撃て!」 東川 篤哉
私のブログではお馴染みの作家「東川 篤哉」の作品。
「烏賊川市シリーズ」の第2作目である今回も、軽妙な語り口でコミカルな展開になっています。しかし、それだけでは終わらないのが「東川 篤哉」が「東川 篤哉」たる所以ですね。
彼の作品は、一見軽い世界観の中に時折本格派の顔を覗かせる点が魅力的です。
笑って油断していると、足元を掬われることでしょう。
6位 「仮面山荘殺人事件」 東野 圭吾
「大どんでん返し編」と「館編」、どちらに入れようか迷った作品。
どちらにも入る作品が沢山ある。。
山荘で過ごす8人の男女のもとに、逃亡中の銀行強盗2人が乱入。1人が殺されたが、どう考えても犯人は銀行強盗たちではない…。では誰が…?
犯人が判明してからのどんでん返し+どんでん返しが凄い!
5位 「声 Voice」 乙一
若い人向けの作品が多い印象の作者ですが、この作品は大どんでん返しミステリーとして1級品ですね。
「僕」と「森野夜」が出会い、好奇心旺盛な若者2人が様々な事件を追う内に…。
GOTHは短編集なんですけど、「~夜の章~」と「~僕の章~」に分かれてます。それぞれ3作ずつしか収録されていないので、サクサク読めるでしょう。
どの短編にも驚きが隠されていますが、特に最後の「声 Voice」には、やられた!と膝を打ちました。
4位 「三毛猫ホームズの推理」 赤川 次郎
- 読みやすいと言えば?⇒赤川次郎
- 赤川次郎と言えば?⇒読みやすい
ライトな読み口で一世を風靡した、多作で知られる作家です。
たまに名作が紛れ込んでるんですよねぇ。いや、他がつまらない訳ではないですけど(汗)
有名な三毛猫ホームズシリーズの第一作目なんですが、このトリックも驚きです。
まさに発想の転換…。驚くか笑うか、どちらかだと思いますよ。
3位 「イニシエーション・ラブ」 乾 くるみ
「たっくん」と「まゆ」の、甘く切ないラブストーリー。
カセットテープの様にA面とB面に分かれていて、若者のよくある恋愛を描いたお話。
…の筈だったんですけど、ラスト2行で、世界がぐるりと回ります。
読みやすい上に、衝撃度がトップクラス! ベスト3にランクインですね。
2位 「葉桜の季節に君を想うということ」 歌野 晶午
元私立探偵「成瀬将虎」とヒロイン「麻宮さくら」の出会いから始まる、冒険恋愛活劇。高校の後輩キヨシや、その想い人愛子と共に、複数の事件を捜査するお話。
…と思っていたら、終盤に続々と判明する、衝撃の事実の数々!
いやはや、、思い込みって怖いですね(笑)
こちらも、読みやすさと衝撃を非常に高いレベルで両立させています。
これから初めて読む人が羨ましいですね…あの驚きを味わえるんですから。。
1位 「ある閉ざされた雪の山荘で」 東野 圭吾
演出家によって集められた7人の劇団員。山荘での舞台稽古が始まるが…。
大どんでん返し編②辺りに入れようか迷った位、二転三転の驚きを味わえます!
この内容は劇団員ならでは…しかも更なる展開の凄さたるや。。未読の人からすると何言ってるか分からないですね(苦笑)
良い作品の多い作家ですけど、その中でも特にお気に入りの1作です。
堂々の1位!
如何でしたか?
あまりネタバレはしない様に…と考えているので、説明は軽めに抑えてあります。
★文字を読むのが苦手
★ミステリー小説に興味はあるけど、あと一歩踏み出せない
★作品が沢山ありすぎて、どれを読もうか迷っている
と思っている、そこのあなた。
是非、1位から順番に読んでみてください。
読書は楽しいですよ!