次世代型タクシー「ジャパンタクシー」の発表を行ったトヨタ自動車の豊田章男社長(前列右から2人目)や石井啓一国土交通相(前列右から3人目)ら=23日、東京都江東区(臼井慎太郎撮影)

写真拡大

 トヨタ自動車の豊田章男社長は23日、東京都内で開いた新開発の次世代型タクシー「ジャパンタクシー」の発表会後、記者団の前で性能データ改竄(かいざん)問題で揺れる神戸製鋼所の対応に言及。

 「1歩立ち止まって『現地現物』で全員が心一つになって安心・安全を確保するために動くべきだ」と訴えた。

 「現地現物」主義は、現場に足を運び事実に基づいて問題を改善するというトヨタグループ創業以来の経営哲学。豊田社長は平成21~22年に米国で起きた大規模リコール(回収・無償修理)問題を振り返り、「人が営む製造業にはある程度のばらつきがある。百%安心・安全でやっているが、間違いが出ることもある」とも述べた。

 その上で「(品質問題が)2度と起こらないよう再発防止を続けることこそが日本のものづくりの強みと思う」と、品質力を生命線に世界市場で戦ってきた国内製造業の原点に立ち返る必要性を説いた。