医師減で「深刻な赤字」、指定管理で改善目指す
兵庫県川西市が募集要項公表
兵庫県川西市は、市立川西病院(250床)の指定管理者募集要項を公表した。医師数の減員による「深刻な赤字状態」などを改善するため、施設の運営を民間に委ねる指定管理者制度を導入する。今月30日から来月11日まで申請を受け付ける。【新井哉】
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同病院は、同市の基幹的な公的医療機関としての役割を担ってきた。医師不足などに対応するため、2009年には「事業経営改革プラン」を策定し、経営の効率化を図ってきた。しかし、医師数の減員によって経営が厳しい状況で、市からの補助金が年々増加。施設や設備の経年劣化や老朽化も進んでおり、21年7月にも新病院(400床)と北部急病センター(仮称)が開院する見通しだ。
募集要項によると、指定管理者は、新病院の建設などに伴う病院事業債の半分に相当する金額を負担する。診療科については「現行科目の維持に努める」としており、在院を希望する入院患者を引き継ぐ。また、救急や小児といった政策的医療を実施することに加え、介護老人保健施設と介護老人福祉施設の協力病院になることも求めている。
職員に関しては、再就職を希望する職員を採用し、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に取り組み、子育て支援制度を整備する」と記載。新病院については、「引き続き20年間、指定管理者が管理運営する」としており、その用地は市が確保する方針だ。
受け付けた申請については、11月29日に選定委員会が審査を行い、12月上旬に結果を通知。来年の3月議会で管理者を指定し、基本協定を締結する予定。
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