テクノロジー株投資なら小型株見逃すな-年初来400%上昇、部品好調
- マレーシアのテクファスト、金型洗浄用ゴムシートで海外供給拡大
- マレーシア上場企業900社余りの中で株価値上がり率トップ4位内
テクノロジー株の投資家は、部品メーカーの株購入で恩恵を受けることがある。例えば、マレーシアのテクファスト・ホールディングスだ。スクリューや工業用ファスナー、発光ダイオード用材料などを手掛ける同社はあまり知られていないが、株価は今年これまでに5倍余り上昇。海外事業拡大や利益性の高い提携が注目を浴び、同国株全体の中でも際だった上昇率となっている。
創業者でマネジングディレクターのジェーソン・ヤプ・ユンシング氏は、中国と台湾の半導体メーカーに金型洗浄用ゴムシートを供給する同社動向のほか、軍事・航空宇宙産業向けの部品づくりでファスナーメーカーのリチャード・マンノ(本社ニューヨーク)と提携したことに言及した。テクファストは同ゴムシートを国内半導体メーカーの約7割に供給している。
ヤプ氏はクアラルンプール郊外にあるテクファスト本社でのインタビューで、「当社が国内市場で支配的地位を占めるのには理由がある」とし、製造工程は単純に見えるが「模倣は難しい」と述べた。天水華天科技を含む中国や台湾の顧客が1カ月必要なゴムシートは約180トンだが、現在の供給は約12トンにとどまり、拡大の余地があるという。また、リチャード・マンノと提携する製品については、精密機械部品のため「利益率が素晴らしく高い」と語った。
テクファストのようなマレーシアの小型株はアナリストの調査対象から漏れることも多いが、テクノロジーのサプライチェーンの一翼を担うこうした銘柄を探し出した投資家は力強いリターンを得られる。同社株の今年これまでの400%余りの上昇率に対し、マレーシアのテクノロジー株指数の上げは79%にとどまっている。ブルームバーグのデータによれば、同国の上場企業900社余りの中で、テクファストは値上がり率トップ4位内に入っている。
ヤプ氏は1999年にテクファストを設立、2005年に株式公開した。同社の1-6月利益は前年同期比73%増の170万リンギット(約4600万円)。薄型テレビから自動車などに使われるファスナーの売り上げが伸びている。
もちろん、同社株は割高になった。株価収益率(PER)は43倍と、2年ぶり高水準に近い。それでもヤップ氏は、株上昇は第1章にすぎないと話し、今年度から純利益の40%を株主還元する計画だと話した。昨年は26%だったという。18年は利益の「飛躍」が見込まれるとも述べた。
原題:Hidden in Tech Supply Chain, a Malaysian Stock Surges 400% (1) (抜粋)