少しずつ、雨が少なくなってきたお昼どき。
以前、CSAでは「1日何ドル」とみんなの合計のご飯代を決めて
毎日、そのお金を代表者(ボリャさん)に渡していました。
しかし、様々な問題点が浮上。
まず、カミナリ親父がニタが作る料理を受け入れられなくなった。
とにかく口に合わないそうで
「夕飯の時間が怖い」
と言い出す始末。
さらに、カンボジア企業がノンビリしているおかげで、給料の受け取りが遅れることがしばしば
そうすると、私は月末にものすごいプレッシャーを感じます。
「みんなのご飯代がない・・・」
そのプレッシャーがあまりに重いので、
いっその事、月初めに一人一人にご飯代をまとめて払ってしまえ!となりました。
一人一人、自分でご飯代は管理してもらおう。
そうだそうだ、それが普通だ!
そういうワケで、お昼どきには、それぞれが工夫して、自分の食事を摂っています。
最近では数名で協力して料理をし、それをシェアして食べる・・・という節約方法をとっているようです。
料理長は、なんとロイ。
意外にもお料理上手で、食材を調達してきてはササッと調理、みんなにそれを振舞っています。
・・・で、ある日、ロイが私にこう言った。
「レナ、見て見て!俺は、今からレナにマジックを見せまぁす!この卵は、決して割れません!!!」
「はぁ」
生卵を、自分の胸にドンドン!と叩きつけるロイ。
グシャッ
・・・・・・・・・・・・・・・・
ロイのTシャツ、生卵まみれに・・・・
「・・・・割れたじゃん・・・・」
「えへへ・・・・へへへへ・・・・」
その日、ロイは1日じゅう
「信じてくれよぉ、シェムリアップでは1回も失敗したこと無いんだよぉ」
と言い続けていました。
↓ボリャさんとロイ
話が飛びますが、皆さんは学生時代に「先生のまねっこ」したことありますか?
私はあります。
よく、みんなで特徴のある先生の口癖や仕草をまねっこして遊んでいました。
最近、ポラリックスの間で流行っているのが、私とカミナリ親父の真似です。
「ねぇ、レナ!見て見て。“パパ”の真似だよ。誰が一番似てると思う?」
ポラリックスの男子たちが、一人ずつ、肩を揺らして“のしのし”と歩いてみせます。
「パパって誰?」
「えーー!!わからないの??パパだよ、パパ!」
ポラリックスのいう「パパ」とは、カミナリ親父のことでした。
確かに、カミナリ親父は肩を揺らして、のしのし!と歩きます(笑)
みんなが、怖い怖いカミナリ親父のことを「パパ、パパ」というのがとても可愛く
思わず大笑いしてしまいました。
↓ロイは、初めての英語のテストで47点(50点満点中)を取りました!頑張ったね!
今、思い返してみると
先生の真似をして遊ぶなんて失礼だったかもしれないけど
真似していた先生たちのことが大好きだったなぁと思います。
きっとカミナリ親父も、怖いけど、みんなに愛されているのでしょう(笑)
ガキ大将・カミナリ親父にはポラリックス以外にも「子分」がいます。
まずは、先日、無理やりCSAに加入したヤン。
そして、リンの幼なじみのホンという青年です。
二人はカミナリ親父のファンだとかで、時間があればカミナリ親父の仕事を見学しています。
で、昨日は新しいポラリックスのダンスビデオ撮影がありました。
ダンスのテーマは「ハロウィン」🎃
このダンスビデオ、みんなが契約している大手携帯会社からも期待されていて
撮影にかなり気合が入っていたカミナリ親父。
話は戻りますが、月末が近づいて、財布の中が厳しいのは日本人も同じ・・・
私は日々、次にお金がもらえるまで節約せねば!と、考えて過ごしていたのですが
その、昨日の撮影で「無一文」となりました・・・・
カミナリ「撮影のためだ!」
わたし「いや、でも、明日の食事代とか、ガソリン代とか、どうするの??」
カミナリ「なんとかなる!!とりあえず今、俺たちが持ってるお金はいくらなの」
わたし「34ドル」
↑ここで、私は嘘をついています。
本当は35ドルあったけど、ラスト1ドルは帰りのガソリン代に取っておきたかったんです。
カミナリ親父は、見事に撮影で34ドルを使い切った
あーどうしよう、明日の食事とか、サソリたちのご飯とかね
洗剤とか、シャンプーとか、あーどうしよう
私の頭は金のことでいっぱい
金のことで頭がいっぱいだったけど、ダンスビデオ撮影は人出不足で
何の能力の無い私まで駆り出されました。
今回のダンスビデオ、まさかの「火」を使う大掛かりなシーンもあって
私、ボリャ、ニタ、ヤン、ホンの5名で協力し
音楽のタイミングに合わせて火を燃やす!!という段取りになりました。
音楽担当の私の合図で、残り4名はドラム缶にガソリンを入れて火をつける!という流れ
(日本だったら、こんなの危ない!と怒られそうですよね😅
でも、カンボジアだし、意外とシンプルな仕組みで大丈夫でした😁 )
ポラリックスたちの格好良いダンス、カミナリ親父のカメラワーク
合図に合わせて、音楽スタート
ふと、ドラム缶の方に目をやると、4人のサポートメンバーの必死な顔。
みんなが、「100%必死」な顔で、私を見てる。私の合図を待ってる。
そして
「ファイヤー!!!」
と私が合図をすると、4人も私につられて
「ファイヤー!!!」
と叫びながらドラム缶に火を灯しました。
なんだか、私は涙が出そうでした。
若者が、必死に頑張っている姿って、本当に良いな
「火を灯す」たった、それだけのことだけど
ポラリックスのダンスビデオを素晴らしいものにするために
影でポラリックスを支える、それに全力を捧げる4人の「必死」な顔が本当に愛しくて愛しくて
火をつけるタイミングに失敗して、絶望する顔とか
4人で怒鳴り合いながらガソリンと闘っている姿とか
本当にありがとう
私は必死で涙をこらえて、4人に合図を送りました。
手前味噌ではございますが、ポラリックスのダンスも本当に格好良くて
ものすごく素敵なダンスビデオが出来たと思います!!
近日公開、お楽しみに!
撮影終了後
カミナリ「ねぇ、本当はまだお金あるんでしょ」
わたし「(バレてたか)もう1ドルしか残ってないから、ダメだよ」
カミナリ「ビール買おう!こんな良い撮影の後にビールが無いのはダメっしょ!!」
そういうワケで昨夜、やっぱり無一文になりました。
みんなの必死な顔を思い浮かべ、私もカミナリ親父のビールを半分奪って酔っ払い
お金のことは無理やり忘れて、眠りにつきました。
朝起きて、まず思うのは「あー今日、お金無いんだったぁ・・・」
ポラリックスのみんなは、ラジオ収録へ。
ラジオ収録から帰ってきたポラリックスから手渡されたのは
封筒に入った「15ドル」
「ケン、レナ、ラジオ収録でお小遣い15ドルもらったよ!これでご飯食べてね!!」
ホント、すんません!!!!!
Rena