スキルを上げる

もう人間関係で悩まない!必要とされ続ける派遣社員になる

職場の人間関係に悩んだとき、派遣先を変えるというのも可能ですが、「人間関係がうまくいかないからといって、それを避け続けていると働く場所がなくなる、つまり食べていくことができなくなります」。そう話すのは、数多くの企業に対して人材育成支援をされている株式会社キャリエーラ代表の藤井佐和子さんです。食べていけなくなるとは、どういうことなのでしょうか?

事務職で生き残るカギはコミュニケーション能力!?

藤井さんによると、派遣社員の職種で一番多いのは事務職。しかし、事務職は将来、AI(人工知能)に代わりやすい職種だとも言われています。「これからは事務職としての専門性よりも、幅広い業務に対応できることや、コミュニケーション能力の高さが評価され、そういう人材がより必要とされていくでしょう」と藤井さん。とはいえ、自分のコミュニケーション能力に自信を持っている人なんて少ないもの。さまざまな職場を経験できる派遣社員として働くことは、コミュニケーション能力を高めるいい機会だといいます。その機会を生かす方法を藤井さんに教えていただきました。

人見知りでも大丈夫! 人間関係がラクになる考え方

たとえ人見知りだとしても、考え方を変えることで人間関係がラクになることがあります。ここでは、その考え方の3つのポイントをご紹介します。

職場は友だち作りの場ではないと心得る

職場の人間関係は、仕事で成果を出すためのものです。仲良くすることが目的ではありません。あまり気の合わないランチグループから外れてしまっても、仕事が円滑に進みさえすれば、それでOKなのです。

目的があれば会話できる

もし人見知りだとしても「これは仕事!」という目的を意識することで、会話への苦手意識が和らぎます。また、業務の背景やつながりに興味を持って質問してみると、会話を発展させることも可能です。それだけでなく、全体が見えるようになることで業務の質が上がり、評価につながることもあるでしょう。また「○○ができるようになりたい」といった具体的な目標があるのも、それを会得するためのアドバイスを人に求めたり、会話する強い動機となります。特に目標がない人は「3年後5年後も必要とされる人ってどんな人?」という視点で考えてみると、ヒントが見つかるかもしれません。

自分の仕事に付加価値を付ける

藤井さんご自身も、派遣社員の経験者。当時、職場の人と積極的に話して情報収集し「こうすればもっと喜ばれるだろう」という付加価値を付けて仕事をしていました。例えば、指示された仕事があったら、それをやった上で、この先に求められるであろう作業を見越して仕事を進める、といったこと。その仕事ぶりが認められ、結果的に次のステージに進むチャンスをつかむことができたそうです。

人間関係がうまくいく! 相手視点と全体視点を養おう

人間関係がうまくいっていないときは、相手との価値観が合っていないケースが多いのです。また、全体が見えていないことで、狭い世界の中で起きていることが全てのような感覚に陥ってしまったり、独りよがりな考え方になってしまっていたりすることも。そこから抜け出すためには、次に紹介する相手視点と全体視点を養うことが大切です。

相手視点:職場の人の価値観を知る

相手は「完璧にしたい人」なのか「まわりから感謝されたい人」なのか……。職場の人が何に重きを置く人なのかを理解すると、自分の価値観を押しつけずに済みます。それと同時に、自分が何を一番大事にしたいのかも考えてみるといいでしょう。相手との違いが明確になることで、妥協点が見いだしやすくなるはずです。

全体視点:視野を広げる

視野を広げるためには、自分と違った環境にいる人と話す機会を設けるのもよい方法。学生時代の友人と仕事の話をしてみたり、セミナーに参加してみたり。きっと自分が知らなかった考え方や世界に出合えるはずです。自治体が主催するセミナーには無料で参加できるものもあるそう。ただ、お金をかけて参加するセミナーのほうが、本気度の高い人たちが集まっていて、よい刺激を与えてくれそうです。質を重視するのであれば投資も必要です。

働く環境が大きく変化しつつあるなか、この先も働き続けるためには、社会に必要とされ続けなければなりません。苦手な人間関係を避けて職場を転々とするよりも、コミュニケーション能力を少しずつでも高められるよう、努力してみては?


記事監修:株式会社キャリエーラ代表 藤井 佐和子
1968年3月生まれ。大学卒業後、カメラメーカー海外営業部のOL経験を経て、大手総合人材サービス企業にて、派遣事業部、人材紹介事業部の立ち上げに携わる。主に女性を対象とした転職支援チームを立ち上げ、数多くの転職を支援。その後、独立。延べ13,000人以上のキャリアカウンセリングを行う一方、数多くの企業に対し、研修やスキーム作りなど人材育成支援を行う。その他、大学の非常勤講師、講演、キャリアセミナー、執筆など幅広く活動。

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