「Google Home」のセットアップはスマホアプリを使って行う。付属の「ご利用方法」という1枚ペラのシートには、設置後にスマホアプリをダウンロードするところまでしか書かれておらず、後は全てアプリまかせだ。実際、アプリの指示に従えば、特に紙のマニュアルがなくとも問題はない。
もっとも、このスマホアプリでの設定フローは意外と長く複雑だ。既存のレビュー記事には「セットアップは簡単ですぐに完了」といった意味合いのことが書かれていたりするが、確かに簡単ではあるものの、フローは長く時間がかかるため「すぐ」という表現には違和感がある。
全部のスクリーンショットを載せるとそれだけで記事のボリュームが倍以上になるので割愛して掲載するが、箇条書きにすると以下のような内容だ。筆者の場合、以下の設定を終えるまでに10分、その後基本機能を試す時間も含めると、かれこれ1時間くらいは作業していた。
中には音声入力テストのようにスマートスピーカーならではの作業もあり、なかなか一筋縄ではいかない。就寝前にセットアップだけ済ませようなどと考えていると、就寝時刻が大幅にずれこんでしまいかねないので、これから購入する方は、ある程度余裕のあるタイミングでセットアップを行うことをおすすめする。
さて、セットアップは完了したものの、そもそもの問題として、まず何から始めればよいのかが分からない。スマートスピーカーとは何ができる製品なのか、というアウトラインについては本連載でもあらためて紹介する予定だが、実際のところ、製品の機能を完全に把握しないまま、購入に至る人も多いのではないだろうか。
そんなわけでまずは手始めとして、添付のリーフレットに書かれたお手本を見ながら、明日の天気や今の時刻をちょくちょく質問して答えてもらう。あまりに小さい声だと反応してくれないが、一定の声量であれば「ねぇ Google」と呼びかけた時点で本体天板のLEDが点灯してクルクル回り始めるので、きちんと認識されていることが分かる。
呼び掛けるときには、俗にウェイクワードと言われる呼び掛け語を頭に付け「OK Google、○○して」といったフォーマットで話しかける。この呼び掛け語があることで、スマートスピーカーは自分に話し掛けられていると認識するわけだ。これがないと日常のあらゆる会話に反応して大変なことになるので、どの製品もウェイクワードか、もしくはボタンを押しながら話すなどの仕組みを備えている。
Google Homeのウェイクワードは「OK Google」のみ(カスタマイズは不可)だったのだが、日本語化にあたり「ねぇ Google」でも認識されるようになった。ウェイクワードを国によってカスタマイズするのは初の試みらしいが、これは利用に当たってのハードルを下げる、なかなかのファインプレーだと思う。
というのも、「おーけーぐーぐる」から「ねーぐーぐる」に変わると音節自体が減るうえ、(実際に口に出してみると分かるが)後者の方が口をそれほど開けずに発音でき、寝起きなどで舌が回っていない際も認識されやすいからだ。滑舌が悪い筆者などは非常にありがたい。
また「ねぇ Google、○○して」と間を空けなくとも「ねぇ Google○○して」と続けてもきちんと認識してくれるので、雑に呼び掛けてもそこそこの確率でやりとりが成立する。取りあえず、「ねぇ Google、音量を下げて」とリクエストして、セットアップ時から気になっていた、本体の声がやたら大きいのを下げる。デフォルトの音量が大きすぎる海外製品ならではの仕様だ。
なお実際に設置してみて分かったのだが、本体をあまり高い位置に置くと、本体天板のLEDが見えなくなる。筆者はデスクと同じ高さに置いたが、これ以上高い位置だとLEDが目視できない(天板をタップして応答を止めるなどの操作もしづらくなる)。必要性ゆえ、天板がナナメにカットされているデザインになったのだろうと、その合理性に気付く。
つづく。
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