カテゴリー【もしこど】は物語や歴史的場面で、もしも子供や赤ちゃんがいたらどうなっていたのかを考えるシリーズです。
今回は天空の城ラピュタのあのクライマックスシーン。
シータから飛行石を手渡されたパズーはある決意をする。
そしてムスカと対峙し最後の駆け引きを行うのだった。
「シータと2人きりで話がしたい」
「1分間待ってやる」
「うん…ん?え?1分!?3分間じゃなくて?」
「1分間だ」
「いやいやいや、ここは3分でしょ。1分はちょっとタイト過ぎる」
「次この子が泣くまで1分くらいしか猶予は無いのだよ」
「はぁ…まぁそっちの都合も分かるけども、1分はちょっときついって」
「こちらも昨晩はこの子がずっと泣いていたから睡眠不足できついのだよ。どっちかっていうと状況的にはこちらの方がきついのだよ」
「仕方ないわパズー、巻きでいきましょう」
「誰だ!?」
「一体誰なのだと言うのかね?」
「いやシータよシータ。さしすせそのシ!たちつてとのタ!シータよ!」
「僕らは単体だと無理があるから並ぼう」
「仕方ない1分間で終わらせよう、シータ落ち着いて良く聞くんだ」
「時間だ!答えを聞こう!」
「早い!」
「早すぎるわ!」
「一連のメタ的なやりとりの最中も、カウントは止まってはいないのだよ」
「ずるいぞ」
「ふっはっはっは!赤ちゃんはこちらの都合を考慮してはくれないのだよ!」
「びええええええ」
「見たまえこの泣きっぷりを。伝承のとおりだ!」
「伝承って、育児書かなにかかしら」
「…」
「ほう、急に泣き止む事もあるというのかね」
「理由もなく泣き止むパターンね」
「えっと、今ならいけるな?シータと話の続きをしたい」
「30秒間くらいなら持ちこたえられるのだよ」
「短かっ!いやでもギリギリいけるか。30秒、頼んだぞムスカ」
「この私を誰だと思っているのかね」
「あの言葉を教えて。ぼくも一緒に…」
「びええええええ」
「早い!」
「早すぎるわ!」
「5秒しか持ちこたえられなかったのだよ」
「何だったんだよあの自信は」
「ラピュタのテクノロジーをもってしてもこればっかりは予測不能…という訳かね?」
「知らんがな。それはそっちの専門のやつだろうが」
「びええええええ」
「いまこの子をあやすから少し待ちたまえ」
「泣き声をつつしみたまえ、ふっはっはっはっはっはっはっは!」
「びええええええ」
「泣き声をつつしみたまえ、ふっはっはっはっはっはっはっは!」
「びええええええ」
「あやし方が独特ね」
「あれで泣き止むんだろうか」
「泣き声をつつしみたまえ、ふっはっはっはっはっはっはっは!」
「びええええええ」
「っはっはっは!最高のショーだと思わんかね!」
「びええええええ」
「どの辺りが!?」
「思ってた以上にやべーなあいつ」
「泣き声をつつしみたまえ、ふっはっはっはっはっはっはっは!」
「きゃっきゃっ」
「あ!すごい!泣き止んだ!」
「3分間待ってやる」
「やった!3分間頂きました!今度こそいける!」
「今のうちよパズー!」
「あの言葉を教えて、僕も一緒に言…」
「びええええええ」
「5秒しか持ちこたえられなかったのだよ」
「なんなんだよこいつ!」