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太閤秀吉も愛した有馬温泉で秋を満喫する紅葉&名湯の湯けむり旅!

2017.10.21

枕草子で「三名泉」に数えられ、「日本三古湯」の一つでもある有馬温泉。太閤秀吉が「いくら見ても飽きない」と褒め称えたとされる「瑞宝寺(ずいほうじ)公園」の紅葉をはじめ、秋はとりわけ情緒たっぷり。金泉・銀泉の名湯を楽しめる日帰り温泉や温泉名物など、絶対に押さえておきたい湯けむり旅を紹介したいと思います。

紅葉のアーチが連なる「瑞宝寺公園」

関西屈指の紅葉名所と言われる「瑞宝寺公園」は、温泉街の中心から徒歩約15分。かつてここには「瑞宝寺」という寺がありましたが、明治6(1873)年に廃寺となり、その後、公園として整備されました。
▲11月上旬~中旬に見頃を迎え、見事な紅葉が目を楽しませてくれる

園内は散策路が整備され、紅葉シーズンにはほぼ全域が真っ赤に染まります。さほど大きな公園ではないので、ゆっくり歩いても30分くらいで回れますが、紅葉が頭の上を幾重にも覆い、あまりの美しさに立ち止まらずにはいられません。
▲緩やかな傾斜や段差はあるものの歩きやすい園路

どうですか、この美しさ。陽光に透けたオレンジ色の葉や深紅の葉がモザイクになり、まるで万華鏡の中を歩いているような感覚。県外からも多くの人が紅葉狩りにやって来るのも頷けます。
▲秀吉が愛用したと伝わる石の碁盤

太閤秀吉にも縁があり、美しい紅葉を眺めていて思わず終日を過ごしたと伝えられる「日暮しの庭」には碁を楽しんだとされる石の碁盤なども残っています。また、十三重の石塔や京都の伏見桃山城から移築された山門など、紅葉以外にも見どころがいっぱいです。
▲「もみじ茶屋」では食事や喫茶も楽しめる

園内に売店や自販機はありませんが、10月下旬~11月下旬の紅葉の時期だけ茶店「もみじ茶屋」がオープンして、観光客の憩いのスポットになっています。真っ赤な番傘が並び、風情も満点です。
▲黒蜜だんご(2本)税込400円

だんごやぜんざい、甘酒などの茶屋らしいほっこりできるメニューのほか、石窯で焼く本格的なピザやワインなどもあります。

金泉・銀泉が同時に楽しめる歴史探訪クアパーク

▲多彩な湯船を備えた日帰り入浴施設「太閤の湯」

「有馬温泉 太閤の湯」は2005年にグランドオープン。2014年に全面改装してリニューアルオープンし、延べ350万人以上が来館した有馬温泉で唯一の大規模日帰り入浴施設です。「金泉」と「銀泉」2つの泉質に加えて、人工的に再現した有馬炭酸泉を同時に楽しめるのが最大の特徴で、男女合わせて26種類の湯船と岩盤浴に、リラックスルームやフードコート、土産物店など湯上がり施設も充実した歴史探訪クアテーマパークです。
▲安土桃山時代へタイムスリップしたような館内

館内は安土桃山時代の有馬の町をイメージした造りで、フロン卜も入母屋(いりもや)造りの屋根仕立て。大人用の館内着は4色あり、好きな色が選べます。
▲源泉かけ流しの金泉などが楽しめる露天は男女月替わり

有馬温泉の魅力の一つが金泉と銀泉の異なる泉質。金泉は海水より塩分濃度が高い赤茶色の含鉄強塩泉で、肌がツルツルになって体も芯から温まると評判です。秀吉の御殿にあった岩風呂を再現した源泉かけ流しの露天のほか、大浴場では金泉と銀泉のブレンド湯も楽しめます。
▲太閤秀吉の馬印にちなんだ瓢箪のオブジェがある銀泉岩風呂(露天)

銀泉は無色透明で、血行促進に効果的とされる放射能泉(ラドン泉)と、シュワシュワっと発泡性のある二酸化炭素泉(人工炭酸泉)があります。露天のほか、大浴場や岩盤浴足湯、腰掛足湯にも銀泉が使われています。
▲黄金の茶室をイメージした蒸し風呂

「黄金の蒸し風呂」は、かつて太閤秀吉が造らせた黄金の茶室が意匠テーマで、室内も黄金色。素肌のまま全身で金泉と銀泉を一度に体感できる贅を尽くした蒸し風呂です。
▲お休み処にはリクライニングチェアが66席

湯上がりの休憩所も広々。ゆったりしたリクライニングチェアが並んだ静かな落ち着ける空間で、小上がりの畳の間もあります。
▲屋台風のフードコート

フードコートは331席。定食、丼、麺類などメニューも目移りするほど多彩で、不定期に音楽ライブも開催される楽しい空間です。秋には兵庫のご当地グルメ、タコとそばめしが合体した「タコ入りオムそばめし(税込918円)」が季節限定メニューとして登場。
▲敷地内の「紅葉の棚田」も見逃せない

館外には有馬に縁のある武将・黒田官兵衛に思いを馳せながらウォーキングできる「官兵衛古道」があります。温泉療法の先進国ドイツのクアパークに倣った散策路で、地方大名の家老が天下一の軍師へと変貌する人生を辿りながら楽しく健康増進も。折り重なった棚田のような道が紅葉に覆われ、2017年11月1日~11月26日の夜間はライトアップも行われます。

神社に湯が湧く!泉源巡りも楽しい温泉街の散策

▲湯煙が立ちのぼる「天神泉源」

有馬温泉には7つの泉源があり、温泉街に点在しているので、散策しながら泉源巡りも楽しめます。
「天神泉源」は有馬の代表的な温泉源で、湧いているのは金泉。何と、この泉源があるのは学問の神様・菅原道真を祀っている天神社の境内で、約98度と高温の湯がグツグツと音を立てながら湯煙を上げています。
▲石の鳥居が立つ天神社

天神社の石段が赤茶色に変色しているのは、やはり鉄分や塩分を豊富に含む金泉のせいでしょうか。さほど広い境内ではありませんが、もうもうと立ちのぼる湯煙をバックにした記念写真の人気スポットにもなっています。
▲周辺が庭園として整備されている「御所泉源」

有馬温泉の外湯として人気の「金の湯」の南隣りにあるのが「御所泉源」。こちらも湧いているのは金泉で、周りが庭園として整備され、夜はライトアップされるのでカップルには人気のスポットです。

ところで、泉源の前にあるシュールな看板、ちょっと気になりませんか?
▲ちょっと不気味な看板の正体は…?

温泉街にはポップな胴体と妙にリアルな顔が合体したユニークな看板があちらこちらにあります。実は、これらの看板は2013年に開催された「有馬温泉 路地裏アートプロジェクト」の作品で、有馬温泉で働く人がモデルになった「飛び出し注意」の看板。全部で9体が残っているので、探してみるのも楽しいですよ。

一見の価値アリ!実在した「幻の湯殿」

▲有馬温泉の貴重な歴史資料を展示する「太閤の湯殿(ゆどの)館」

有馬温泉には昔から太閤秀吉が造らせた湯殿の存在が言い伝えられていましたが、文書や図面などの文献資料はなく、長くその実態は知られていませんでした。
ところが、平成7(1995)年の阪神・淡路大震災で損壊した寺の庫裏(くり:調理場)の下から安土桃山時代の遺跡が発掘されました。
▲出土した状態で展示される岩風呂の遺構

調査の結果、それが幻とされていた「湯山御殿」 の一部とされる浴室や庭園の跡であることが確認され、「太閤の湯殿館」として建て替えられて一般公開されています。
▲地下1mに埋没する遺構の上に当時の庭園を再現

館内には出土した茶器や瓦、古文書など、湯殿と太閤秀吉に関する貴重な資料が展示され、館外には地下に埋設保存されている遺構の真上に復元された庭園があります。園池、庭木の移植跡、建物の基礎用石垣なども確認されているそうです。

つい手が伸びるサクサク食感の温泉名物!

▲炭酸泉を利用して焼き上げた炭酸せんべい

有馬温泉の名物と言えば、まず思い浮かぶのがコレ、炭酸せんべい。小麦粉や片栗粉、砂糖などに炭酸泉を加えて練り、薄く延ばして焼いた素朴なお菓子で、ほんのり感じる甘みとサクサクの食感が特徴です。有馬温泉に行ったことがなくても、お土産で口にした人も多いのでは?
▲元祖の味と製法を守り続ける「三津森(みつもり)本舗」

温泉街には炭酸せんべいを販売している店がたくさんありますが、町内に10店舗を展開する「三ツ森」は明治40(1907)年に炭酸せんべいを発売した発祥の店。中でも、土産物屋や飲食店がたくさん立ち並び、温泉街の象徴的なスポットにもなっている湯本坂にある「三津森本舗」は、昔ながらの手焼きにこだわった人気の店です。
▲店内で職人が手焼きする様子を見ることができる

店舗は趣きのある木造で、職人が使い込まれた鉄板で次々と炭酸せんべいを焼き、その横で”バリ”を手作業で削って仕上げる様子を見ることができます。
店内から眺めていると、ガラッとガラス窓が開いて「試食をどうぞ」と、まだ温かく香ばしい焼きたての炭酸せんべいを手渡されました。
あまりに美味しいので、さっそくお土産に購入。丸い缶に入った34枚入りが1,080円(税込)でした。

女子は見逃せない「カメ印」の温泉コスメ

▲炭酸泉配合の「カメ印美肌石鹸」は税込756円

有馬温泉を訪れる女子に人気なのが、石鹸や入浴剤、ミスト、ハンドクリームなど「カメ印」の美肌アイテム。「一度使うと、もう手離せない」とリピート率もバツグンの人気商品で、神戸電鉄「有馬温泉駅」の前にある土産物店「吉高屋(よしたかや)」で販売されています。
▲温泉街の入口にあり、レトロなポストと手書き風の看板が目印の「吉高屋」

ノスタルジックな雰囲気の店内には美肌アイテム以外にもオリジナルの土産物やおもしろ雑貨などが所狭しと並び、見ているだけでも楽しくなります。
▲復刻版の「有馬サイダー てっぽう水」は1本税込250円

1900年代初頭に炭酸泉で作られた日本初のサイダーとして誕生した「有馬サイダー てっぽう水」の復刻版もありました。「てっぽう」は栓を抜く時に強い炭酸で「ポン」という音がしたことから名付けられたそうで、レトロなラベルには大砲が描かれています。
▲温泉街のメインストリートの「太閤通」

有馬温泉は三宮から電車や高速バスで約30分。大阪からも1時間程度とアクセスがよく、日帰りでも充分に楽しめるのも魅力のひとつ。秋はもちろん、四季を通じて楽しめる温泉地なので、関西圏を訪れる際には、ぜひ立寄ってみてください。
※紅葉の写真は2017年のものではありません。
廣段武

廣段武

企画から取材、撮影、製作、編集までこなすフリーランス集団「エディトリアルワークス」主宰。グルメレポートの翌日に大学病院の最先端治療を取材する振り幅の大きさと「NO!」と言わ(え?)ないフレキシブルな対応力に定評。広島を拠点に山陽・山陰・四国をフィールドとして東奔西走。クラシックカメラを語ると熱い。

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