都民ファ「自宅禁煙」条例が波紋…過剰なタバコ・バッシングに喫煙擁護派が反論
タバコは決して「百害あって一利なし」ではない
このように、世の禁煙ムードを助長させている「日本の受動喫煙対策は、世界の中でも最低レベル」という風潮が、そもそも間違っているという。そして、もとを正せばタバコが「百害あって一利なし」という認識自体、疑問を呈するところだと山森氏は語る。
「もちろん、タバコは体にいいものではないでしょう。実際、COPD(慢性閉塞性肺疾患)や肺気腫に悪いというのは確実だと証明されています。ただ、一般的にいわれている肺がんへの影響については非常に不確かです。日本の喫煙率は1966年の成人男性83.7%をピークに下がり続け、現在は男女合わせて18.2%という調査結果が出ていますが、その一方で肺がんによる死亡率は上がり続けているわけで、実際には理由付けができないはずです。そもそも、今や2人に1人ががんになる時代ですから、それを全部喫煙のせいにするのはおかしな話です。
喫煙の影響は20~30年後に表れるという反論もありますが、すでに喫煙率のピークから30年以上たっているのに、平均寿命はまだ伸び続けています。したがって、一般的にいわれているほどタバコは体に悪くないのではないかというのが私の見解です」(同)
また、山森氏によれば、タバコバッシングは、タバコに対する過剰なまでの健康被害意識によるところだけではないという。
「厚生労働省は2002年に健康増進法をつくったがゆえに、健康を増進させなければならないのです。そのうえでターゲットになるものは3つあります。排気ガス、お酒、タバコです。
実は、この中でもっとも健康被害が大きいのは排気ガスで、タバコから出る有害物質が年間約1万トンに対して、排気ガスによる有害物質は何百万トンともいわれています。それでは、なぜ排気ガスに批判の矛先が向かないかというと、そういった健康被害などを報じるべき多くのメディアが広告料の利益を重視しており、一番広告出稿量が多い自動車業界を敵に回すわけにはいかないからです。
そして、もうひとつの嗜好品であるお酒、これもまたマーケットが巨大で、税収もかなり大きいため、パワーバランスで負けているタバコが狙われるのです。
タバコがもっとも体に悪そうにみえ、しかも一番攻撃しやすいから標的にされる。これが、タバコがここまで責められている要因だと思います」(同)