相関分析とは、2変数間の関係を数値で記述する分析方法です。
大別すると間隔尺度・比率尺度のデータに対して行うピアソンの積率相関分析と、順序尺度のデータに対して行うスピアマンの順位相関分析の2つがあります。
ピアソンの積率相関
参考資料:相関係数の数式
2変数間に、どの程度、直線的な関係があるかを数値で表す分析です。
変数xの値が大きいほど、変数yの値も大きい場合を正の相関関係といいます。
変数xの値が大きいほど、変数yの値が小さい場合を負の相関関係といいます。
変数xの値と、変数yの値の間に直線関係が成立しない場合を無相関といいます。
r | 意味 | 表現方法 |
0 | 相関なし | まったく相関はみられなかった。 |
0<| r |≦0.2 | ほとんど相関なし | ほとんど相関がみられなかった。 |
0.2<| r |≦0.4 | 低い相関あり | 低い正(負)の相関が認められた。 |
0.4<| r |≦0.7 | 相関あり | 正(負)の相関が認められた。 |
0.7<| r |<1.0 | 高い相関あり | 高い正(負)の相関が認められた。 |
1.0 または-1.0 | 完全な相関 | 完全な正(負)の相関が認められた。 |
SPSSの相関分析では、帰無仮説(2変数間は無相関である)の有意性の検定ができます。
有意確率(両側)が5%未満の場合、帰無仮説は棄却されます(2変数間に相関がある)。
ただし、無相関検定は2変数間の関連性の有無を検討しているだけです。2変数間の関連性の強さの程度は、相関係数の値で判断してください。
1.「分析」-「相関」-「2変量」をクリックして表示される「2変量の相関分析」ダイアログボックスの [変数]にQ4とQ5を移動します。
2.[相関係数]の[Pearson]のチェックボックスをクリックしてチェックをつけ、次に[有意差検定]の[両側]のチェックボタンをクリックしてチェックをつけ、最後に[有意な相関係数に星印を付ける]のチェックボックスをクリックしてチェックをつけ、[OK]ボタンをクリックします。
1.「相関係数」の「1ヶ月の支出は?(単位:万円)」の行と「1ヶ月の収入は?(単位:万円)」の列が交わるセルの数字を読み取ります。この例では、Pearsonの 相関係数rが.747、有意確率が.000と読み取れます。
2.この例では.000<.001ですから0.1%水準で有意であるとみなせます。
3.有意であったので、相関係数から相関の強さを読み取ります。この例では0.7<| r =.747 |<1.0ですから、高い正の相関があるとみなせます。
この例では、「1ヶ月の収入」が多い人ほど「1ヶ月の支出」も多く、一方が少ない人ほど他方も少ないという、正の相関が非常に高いレベルで認められると解釈できます。
収入と支出の関係を見るために、相関分析を行った。その結果、1ヶ月の収入と支出の間には、高い正の相関が認められた ( r = .747, p < .001)。
注:rは相関係数のことです。p(probability)は確率で、p<.05は5%水準で有意であることを示します。ちなみに1%水準で有意 であった場合は「p<.01」、0.1%水準で有意であった場合は「p<.001」と表します。 有意でなかったときは、n.s.(not significant)と表示します。つまり有意水準は、「n.s.」「p<.05」「p<.01」「p<.001」の4種類しか記述しません。