日本の選挙では、SNSでの選挙キャンペーンと言えばツイッターです。今回、立憲民主党は大躍進が伝えられていますが、この躍進を支えたのも、ツイッターを主戦場とする適切なSNS運営にありそうです。
立憲民主党ツイッター、自民を抜きさり国内政党最大のフォロワー数に―希望の党は惨敗(志葉玲) - 個人 - Yahoo!ニュース
日経新聞社などが行った全ツイート分析でも、立憲民主党への言及数が後半にかけてもりあがっていることを示しています。
このエントリーでは各党のツイッターの影響力を以下の6つの指標から総合的に比較してみました。すると、出来たばかりの立憲民主党のツイッターアカウントが、総合的に見ても大きな影響力を持っていることがわかりました。
1、各党の公式アカウントのフォロワー数。
2、各党の公式アカウントのKloutスコア。
3、各党の党首の公式アカウントのフォロワー数。
4、各党の党首の公式アカウントのKloutスコア。
5、過去3週間のフォロワー増加数。
6、過去1か月のツイートのうち最大いいね数。
(データは10月19日現在です、多少誤差があります。ラジオチャートで示すため、全てのデータは標準化処理をしています)
それでは各党のツイッター・アカウントの特徴です。
- 自民党|安定の影響力、しかし成長に乏しい
- 希望の党|党首頼り、しかし成長中
- 立憲民主党|最強の政党アカウント
- 共産党|影響力小。党首のツイートのみ大。
- 公明党|影響力小。いいね率が高い。
- 立憲民主党のSNS運営力が際立つ
自民党|安定の影響力、しかし成長に乏しい
公式アカウントのフォロワー数は2位でkloutスコアも高い。また党首である安倍首相のフォロワー数がダントツの一位。ただ、最近のフォロワー数は伸び悩んでいる。
最大いいね数のツイート
希望の党|党首頼り、しかし成長中
全体的に影響力は低い。ただし、党首で東京都知事の小池氏のフォロワー数が影響力を引っ張る。また出来たばかりの党ということもあり、フォロワー数は最小だが上昇中。
最大いいね数のツイート
立憲民主党|最強の政党アカウント
盤石の影響力。話題になったように、最大のフォロワー数を持ち、それは未だ増加中だ。またkloutスコアも自民党並みに高く、獲得いいね数もダントツの1位。唯一の弱点は、党首・枝野氏のフォロワー数の少なさ。これはツイッター開始時期が遅かったことが影響している。
最大いいね数のツイート
共産党|影響力小。党首のツイートのみ大。
影響力は他党と比べ小さい。しかし、党首である志位氏はフォロワー数が少ないにもかかわらずKloutスコアが高い。ひとつひとつが影響力のあるツイートをしているということか。
最大いいね数のツイート
公明党|影響力小。いいね率が高い。
影響力は他党と比べ小さい。フォロワー数は他党と比べ少ないにもかかわらず、いいね数が多い。いいね押す割合が高いのかもしれない。いいね数の多いツイートが他党の批判であるのが公明党アカウント特徴。
最大いいね数のツイート
ちなみに次点はこのツイート
関連記事
立憲民主党のSNS運営力が際立つ
このように比較してみると、各党のツイッター運営の特徴がわかります。 特に、立憲民主党は、アカウントが開設してまだ日が浅いのにこの影響力。ツイッター運営の上手さが際立っています。
そのひとつは、立憲民主党の画像・動画の質の高さが関係しているかもしれません。ツイッターにアップされている写真は、どれも良質な報道写真のように、臨場感と選挙の高揚感を伝えています。おそらく、SNS全体の運営とともに、映像関連にも優秀かつ多くの人員が関わっていると想像されます。
民進党の一部議員が希望の党へ合流すると表明し始めたのは9月末です。そこからたった1ヶ月。選挙戦略のメディア部門を統括し、優秀な映像スタッフをマネージメントしてきた方は相当に優秀な方ではないかと想像します。
選挙が終わった際には、この突発的な選挙戦を急造部隊で、いかに果敢に戦ったかを書籍か何かで記録に残してほしいと思います。きっと次世代の選挙運動の教科書になるはずです。