Adobe Systemsはいつサブスクリプション企業に変わったか?20年間の決算数値を追う!

今日はソフトウェアサービスの老舗「Adobe Systems」について調べたいと思います。

Adobeは1982年にゼロックスを退職したジョン・ワーノックとチャック・ゲシキによって設立されました。

1983年にはページ記述言語「PostScript」をApple Computer向けにライセンス提供し、同時にAppleからの出資を受けます。

当初はApple向けが収益のほとんどを占め、1986年の売上1600万ドルの84%がAppleでしたが、同じ年にNASDAQに株式上場を果たします

1987年にはグラフィクス作成ソフト「Illustrator」を発表。翌年にはトーマス・ノールらが開発した「Photoshop」をライセンス販売する権利を獲得し、Illustratorのアドオンとして公開します。

1990年には独立したソフトウェアとして「Photoshop 1」を公開。1995年にはPhotoshopを3550万ドルで買収します。

2005年には「Flash」や「Dreamweaver」を有するマクロメディアを34億ドルで買収。

その他にも、今や世界標準となった文書規格のPDFを1993年に無料で利用できるようにするなど、テクノロジー業界全体に大きな影響を与えてきたのがAdobe Systemsという会社です。

業績推移

それでは、Adobeの事業数値を追っていきましょう。まずは全体の損益推移です。

1999年までの売上は10億ドル前後でしたが、2008年には35.8億ドル、2016年には58.5億ドルと成長を続けています。

営業利益率は概ね20%以上で、安定して利益を生み出していることがわかります。

収益の内訳

続いて、収益の内訳をみてみましょう。Adobeはソフトウェア買い切り型のビジネスモデルから、定期課金型のビジネスモデルへと転換を果たした、と言われていますが、具体的にいつどのように変わってきたのでしょうか?

2010年ごろまでは製品の買い切りがほとんどでしたが、2014年ごろには定期課金(Subscription)型が収益の中心になっていることがわかります。

割合ベースでもみてみましょう。

2009年までは収益の90%以上が製品買い切り(Products)だったのが、2014年に逆転し、2016年には78%が定期課金(Subscription)による収益となっています。

続いて、地域別の収益も見てみます。Adobeのソフトウェアは世界中で利用されていますが、具体的にはどのくらいが海外で利用されているのでしょうか?

この続きを読むには

ここから先をお読みいただくには、
月額1980円のStockclipサポート会員になっていただく必要があります。


Stockclipサポート会員登録
または
ログイン

新規コメント