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手入力で改ざん 検査証明書、自動化未整備の工場

神戸製鋼所神戸本社=本社ヘリから小関勉撮影

 神戸製鋼所の検査データ改ざん問題を巡り、検査システムの自動化が進んでいない工場を中心に改ざんが行われていたことが分かった。製品の強度や寸法など品質を管理するため、製造過程のデータを自動的に収集して蓄積し、最新システムではこれらデータから算出された数値が検査証明書に自動的に入力されるが、自動化が進んでいない一部工場で従業員が数値を改ざんし、パソコンで入力するなどしていた。

 この手法で改ざんが行われていたのは、同社が20日にアルミ製品のデータ改ざんを発表した長府製造所(山口県下関市)だ。関係者によると、同工場はシステムが自動化されておらず、従業員が検査段階で紙に数値を手書きした後、パソコンで証明書に入力していた。その中で発注者の求める品質を満たしていない場合、数値を改ざんして証明書に入力して出荷していた。

 同社はどの工場が自動化されていないかを明らかにしていないが、他工場でも同じ手法での改ざんがあったとみて調べている。

 証明書は製品の納入時に発注者に渡す重要書類で、発注者が要求する品質を満たしていることを証明する。他の大手鉄鋼メーカーでは、証明書作成を自動化するシステムの導入が進んでおり、人の手が入りにくいようになっている。

 神戸製鋼でも導入を進めているが、「自動化できていない工場では人手が介入するため、データの改ざんなどが起きてしまう」(幹部)と釈明。一方、自動化を進めた工場については「従業員の関与が限りなく低くなるため、改ざんの可能性は低い」と説明する。しかし、不正が拡大する中、こうした工場でも改ざんがあった可能性は否定できず同社は調査を進めているという。

 アルミ・鉄鋼製品の品質を巡っては、自動車・航空機メーカーなどの要求は年々高くなり多様化している。これに対応しようと鉄鋼メーカーは品質向上と製造コストの低減に向け、製造過程のデータを蓄積し、生産を制御するシステムの開発を進めている。同社もシステム開発の中で、改ざんした場合に記録が残るようにすることで再発防止につなげる方針だ。【川口雅浩】

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