<p><a href="http://yamadaenikki.hatenablog.jp/archive">山田の読書感想文</a></p>

神宮司いずみ『校舎五階の天才たち』-凡人が挑む謎解き!切ない青春ミステリー

 

宮司いずみ『校舎五階の天才たち』

読了しました。

 

雰囲気は米澤穂信さんの氷菓

ギャグ描写を抜いて

シリアス要素を追加した感じですかね。

個人的にではありますが

氷菓が好きな人は

『校舎五階の天才たち』はかなりツボかなと思います。

 

またまた、前置きが長くなりそうなので早速

“校舎五階の天才たち”の

あらすじ、感想など紹介していきます

 

 

宮司いずみ『校舎五階の天才たち』

 

 

高校3年生、来光福音(らいこうふくね)の

もとに届いた

自殺した天才、篠崎良哉(しのざきよしや)

からの手紙

 

そこには“僕を殺した犯人を見つけてくれ”

と記されていた

 

『来光さんへ

久しぶりだね

突然だけど、僕はこれから電車に轢かれて死ぬことになります。

どちらにしても、毒を飲まされたので、助からないでしょう。

お願いがあります。

僕を殺した犯人を見つけてください。

僕は犯人の恨みを買ってしまい、追い詰められて死ぬことになりました。

犯人は東高の人間です。

もう一人、同じ手紙を受け取る子がいるので、彼女と一緒に捜してください。

実家にも遺書を送りますが、そこに書いたことは嘘です。突然のことで申し訳ないけど、来光さんなら、きっと見つけられると思う。

君の思うようにしてください。

この手紙は、読み終わったら処分するように。

 

篠崎良哉』

P.14より

 

この手紙を受け取った来光だが

彼女には篠崎から遺書を受け取るほど仲が良くなく

1年生のころに同じクラスで

数回言葉を交わした程度。

 

しかし、同じ手紙を受け取った

もう一人の天才

人の心を読める女、加藤沙耶夏(かとうさやか)

に半ば強制的に捜査に参加させられる。

 

天才の加藤はともかく

なぜ、篠崎はただの凡人の来光に手紙を託したのか

 

そして、迎える切ない真実とは

 

 

校舎五階の天才たちの謎

 

加藤は来光にこんなことを言う

「想像力は人類を救うんだ」

P.56より

 

 

この作品“校舎五階の天才たち”には

レミニセンス・○○という目次があり

事件から一定の時間が経った登場人物の話です

 

ですが、このレミニセンスで数ヶ所

意味が理解できないところがありました

 

物語終盤に加藤が来光に言った言葉の意味と

レミニセンスの謎が解けた瞬間

かなり鳥肌が立ちました。

 

ですが、これだけが校舎五階の天才たちの

面白味ではないのでご安心を

オチとこの不可解な謎の

ダブル・パンチで来るんですよ!!

 

宮司いずみ先生本当に

「ごちそうさまでしたっ!!」

 

 

さいごに

 

宮司いずみさんのデビュー作品

『校舎五階の天才たち』ですが

 

最初の作品と言うこともあり

オチが少し弱かった印象を受けました。

 

まあ、その辺はダブル・パンチで

補えましたが

 

ただ、面白くないわけではなく

冒頭でも言った通り氷菓が好きな人は

かなりハマると思います。

主観ですがかなり雰囲気似ていて一瞬

米澤先生の作品かと思ったくらいです。

 

とにかく、神宮司先生の次回作には

かなり期待して待ってみましょう!