JR各社が、2017年冬(2017年12月~2018年2月)の臨時列車・増発列車の運転計画を一斉に発表しました。各社おなじみの観光列車の運転に加えて、存続が懸念されている夜行列車「ムーンライトながら」「ムーンライト信州」の運転も発表されました。流氷や温泉、スノースポーツなどへのお出かけに、観光列車を利用してみてはいかがでしょうか? この記事では、乗り鉄に気になる臨時列車や、冬の観光に使える臨時列車をご紹介します。
- JR各社、2017年冬の臨時列車・増発列車の運転計画を発表
- 各社おなじみの観光列車を継続運転
- 「HIGH RAIL 1375」 1往復に減便も週末を中心にコンスタントに運転
- 「さんりく宮古号」「ふるさと宮古号」 11月に運転再開の山田線盛岡~宮古を走る臨時列車
- 車窓からオホーツク海の流氷を眺められる「流氷物語号」
- 日本酒とジャズが楽しめる観光列車「宵乃Shu*Kura」「浪漫Shu*Kura」「日本海Shu*Kura」
- この冬も無事に運転される「ムーンライトながら」「ムーンライト信州」
JR各社、2017年冬の臨時列車・増発列車の運転計画を発表
2017年10月20日に、JR各社が、2017年冬(2017年12月~2018年2月)の臨時列車、増発列車の運転計画を発表しました。
各社のリリースへのリンクをまとめておきます。
- JR北海道: 冬の臨時列車のお知らせ
- JR東日本: 冬の増発列車のお知らせ
- JR東海: "冬"の臨時列車のお知らせ
- JR西日本: 冬の臨時列車の運転
- JR四国: 冬の臨時列車運転のお知らせ
- JR九州:冬の増発列車のご案内
※JR西日本以外はPDFファイルが開きます
各社おなじみの観光列車を継続運転
2017年冬の臨時列車の傾向としては、おおむね平年どおりといったところです。
- 初詣向けの臨時列車の運転
- 年末年始の帰省客向けの新幹線、特急列車の増発
- 各社おなじみの観光列車を継続運転
- 流氷、雪まつりなど、冬の観光向けの臨時列車を運転
- 夜行快速列車「ムーンライトながら」「ムーンライト信州81号」の運転
以下、個人的に気になる臨時列車・観光列車をいくつかピックアップしてご紹介します。
「HIGH RAIL 1375」 1往復に減便も週末を中心にコンスタントに運転
2017年夏から運転を開始した、小海線の観光列車「HIGH RAIL 1375」(ハイレール1375)ですが、この冬もコンスタントに運転されます。
これまで、運転日には1.5往復(小淵沢→小諸:1号・星空、小諸→小淵沢:2号)が運転されていましたが、冬季は1号の運転がなく、2号と星空のみの運転です。それに伴って、運転時刻も変わっています。
- HIGH RAIL 1375 2号: 小諸 11:43発 → 小淵沢 14:03着
- HIGH RAIL 1375 星空: 小淵沢 17:09発 → 小諸 20:14着
2号、星空、ともに、夏・秋の運転時刻と比べると、だいぶ早い時間になっています。「HIGH RAIL 星空」は、野辺山で星空観察会を実施しますが、日没が早い冬季なので、運転時間を早めたのでしょうね。佐久平や小諸到着もその分早くなりますので、東京方面からの日帰りでも乗車しやすくなると思います。ただし、野辺山の冬はとても寒いですから、防寒対策はお忘れなく。
「HIGH RAIL 1375」については、当ブログでも、乗車券の購入方法や乗車レポートを公開していますので、興味のある方はご覧ください。
「さんりく宮古号」「ふるさと宮古号」 11月に運転再開の山田線盛岡~宮古を走る臨時列車
2015年12月から大雨による土砂崩れで長期間運休となっていた山田線ですが、11月5日に上米内~川内間の運転が再開されることが発表されています。これで、盛岡~宮古間が再びつながるようになります。
この運転再開を祝して、というわけではないのでしょうが、山田線の盛岡~宮古を走る臨時列車が設定されました。
- 快速「さんりく宮古号」
- 運転日:2017年12月17日(日)
- 運転時刻: 盛岡 09:01発 → 宮古 11:16着,宮古 14:05発 → 盛岡 16:33着
- 使用車両: HB-E300系2両(リゾートあすなろ) ※全車指定席で運転
- 快速「ふるさと宮古号」
- 運転日:2017年12月29日(金)~31日(日),2018年1月1日(月)~3日(水), 6日(土)~8日(月)
- 運転時刻: 盛岡 10:03発 → 宮古 12:21着,宮古 14:07発 → 盛岡 16:33着
- 使用車両: キハ58・28形3両(Kenji) ※一部指定席で運転
「さんりく宮古号」は1日のみの運転ですが、宮古で開催される「宮古鮭まつり」に合わせて運転されるためです。
【参考】 岩手県宮古市 宮古鮭まつり
宮古市のサイトによると、「鮭つかみ獲り」が目玉のおまつりのようで、鮭汁の振る舞いなどもあるようです。
「ふるさと宮古号」は、年末年始の運転なので、主に帰省客を対象とした臨時列車でしょう。盛岡~宮古が運転再開して、久々に鉄道で宮古へ帰省できるようになりますね。
1月6日~8日の三連休にも運転されるので、旅行客も便利に使えそうです。通常ダイヤでは、宮古行きの盛岡始発は11時08分と遅いので、「ふるさと宮古号」を利用すれば1時間ほど早く宮古に到着できます。車両もKenji利用なので、ゆったりとした座席でくつろげますね。
車窓からオホーツク海の流氷を眺められる「流氷物語号」
昨年、これまで運転されていた「流氷のノロッコ号」からバトンタッチして運転を開始した「流氷物語号」が、今年も2月の流氷シーズンに運転されます。
- 普通「流氷物語号」
- 運転日:2018年2月3日(土)~28日(水)
- 運転時刻
- 1号:網走 09:45発 → 知床斜里 10:40着
- 2号:知床斜里 11:30発 → 網走 12:30着
- 3号:網走 12:50発 → 知床斜里 13:40着
- 4号:知床斜里 13:48発 → 網走 14:46着
- 使用車両:キハ54形2両
釧網本線の網走~知床斜里を走る臨時列車です。この区間はオホーツク海に面していて、車窓から流氷が見える、日本で唯一、世界的にも珍しい区間です。
昨年と同様ですと、下り列車(1号、3号)では、途中の北浜駅で10分ほど停車して、展望台から流氷を眺めることができますし、上り列車(2号、4号)では、浜小清水駅に隣接する道の駅でのお買い物タイムも設けられています。
車両自体は、キハ54形という普通列車に使われるものと同じなので、観光列車という感じではないですが、普通列車の運転本数が少ないところなので、この臨時列車をうまく活用して、真冬のオホーツク海と流氷を楽しみたいところです。
日本酒とジャズが楽しめる観光列車「宵乃Shu*Kura」「浪漫Shu*Kura」「日本海Shu*Kura」
上越妙高~十日町間をコンスタントに運行している「越乃Shu*Kura」。新潟のお酒や食が楽しめるうえに、途中、ジャズの生演奏まである楽しい列車です。
この「越乃Shu*Kura」編成を利用した臨時列車「Shu*Kuraシリーズ」が、この冬も運転されます。
- 快速「宵乃Shu*Kura」
- 運転日:2017年12月7日(木)~9日(土),14日(木)~16日(土)
- 運転時刻:新潟 18:33発 → 長岡 20:07着,長岡 20:37発 → 新潟 21:47着
- 快速「浪漫Shu*Kura」
- 運転日:2017年12月23日(土)
- 運転時刻
- 新潟 09:23発 → 弥彦 10:54着(越後線・弥彦線経由)
- 弥彦 13:30発 → 新潟 16:00着(弥彦線・信越本線・羽越本線・白新線経由)
- 快速「日本海Shu*Kura」
- 運転日:2018年2月24日(土),25日(日)
- 運転時刻: 新潟 11:09発 → 桑川 12:39着,桑川 13:37発 → 新潟 15:01着
この冬は、新潟を中心に、長岡、弥彦、桑川と、新潟県内各地へ運転されます。
「宵乃Shu*Kura」は、12月の週末の夕方~夜間にかけて運転されるということで、忘年会にぴったりです。新潟~長岡という短距離の運転で、往復しても3時間ほどと、忘年会にはちょうどよいかもしれません。長岡で離脱して新幹線で戻ることもできそうですし。
「浪漫Shu*Kura」は1日のみの運転ですが、新潟から弥彦山・弥彦神社への日帰り旅に利用できそうです。パワースポットして有名な弥彦神社や、弥彦山の山頂へ一気に登れるロープウェイもあり、越後平野を一望できます。乗り鉄的には、往路と復路の経路が異なるのもうれしいですね。
「日本海Shu*Kura」は、白新線・羽越本線経由で、日本海側のルートを北上します。終点の桑川駅付近は、日本海沿いの海岸に、奇岩や岩礁が11kmも続く「笹川流れ」と呼ばれる景勝地です。このあたりは列車からも日本海の絶景を眺めることができます。荒波の日本海の車窓をつまみに、お酒を飲みながらゆったりと汽車旅ができそうな列車ですね。
「越乃Shu*Kura」の乗車レポートは、以下のリンクをご覧ください。この冬に運転される列車と区間は異なりますが、どんな車両なのかや、車内の雰囲気などはわかると思います。
この冬も無事に運転される「ムーンライトながら」「ムーンライト信州」
ここ数年、青春18きっぷが利用できる夏季、春季、冬季にのみ運転されています。他の夜行快速列車が、臨時列車としても運転されなくなってしまった今となっては、青春18きっぷで乗車できる貴重な夜行列車です。
- 快速「ムーンライトながら」
- 下り(東京→大垣)
- 運転日:2017年12月22日(金)~2018年1月2日(火)
- 運転時刻: 東京 23:10発 → 大垣 05:50着
- 上り(大垣→東京)
- 運転日:2017年12月23日(土)~2018年1月3日(水)
- 運転時刻: 大垣 22:49発 → 東京 05:05着
- 使用車両: 185系10両 ※全車指定席
- 下り(東京→大垣)
- 快速「ムーンライト信州81号」
- 運転日:2017年12月29日(金)・30日(土)
- 運転時刻: 新宿 23:54発 → 白馬 05:40着
- 使用車両: 189系6両 ※全車指定席
運転日数は、ムーンライトながらが12日間(昨年と同じ)、ムーンライト信州が2日間(昨年より1日減)となっています。ムーンライト信州の運転が2日間しかないのが気になりますね…。
以上、2017年冬の臨時列車についてお伝えしました。ご紹介した列車が、JR北海道とJR東日本に偏っていますが、寒いときには寒いところへ行ってみるのも、季節を感じるという意味ではよいと思います。この冬の青春18きっぷでの汽車旅や、真冬の旅行の際の参考にしていただければと思います。