昨日決算発表を受けて若干下がっていたことに加え、ポートフォリオ内の構成比も下がり気味であったため、今月分の追加投資先をプロクター・アンド・ギャンブル(PG)に決めました。
米国株投資家であれば誰もが一度は投資を検討する優良銘柄ではないかと思いますが、あまりにも王道で無難過ぎるためか、ブログなどでもあまり話題に上ることが少ないような気がします。
現在私は計7銘柄に投資していますが、その中でもプロクター・アンド・ギャンブルは、個人的に最も安心感のある永久保有にも値する優良銘柄だと考えています。
そこで今日は改めて、米国を代表する優良銘柄プロクター・アンド・ギャンブルについてご紹介した上で、長期投資先として見た場合の魅力についてご紹介してみたいと思います。
プロクター・アンド・ギャンブルとは
年間販売額10憶ドル超のブランドを21も抱えている世界最大の日用品メーカーで、洗剤の「アリエール」、消臭剤の「ファブリーズ」、ヘアケアシリーズの「パンテーン」、化粧品の「SK‐Ⅱ」、紙おむつの「パンパース」、カミソリの「ジレット」などのブランドを180の国と地域で販売しています。
日本においても花王に次ぐポジションを確立しており、我が家でも「アリエール」は完全に指名買いの域に達しており、妻は売り場に行っても他のブランドを見ることなく買い物カゴに入れてしまうほどのヘビーユーザーです。
着実に利益を生む体質への転換
さてそれではまずは、直近10年間の業績について主な業績指標をもとに確認してみましょう。
結論から言うと、配当再投資を通じた長期投資を行っている投資家にとっては安心できる内容、つまり今後も安定的に株主還元を継続できる状況だと言えそうです。
※morningstar.comサイトより
ここ数年間、ブランドの絞り込みをしている関係もあり売上は減少していますが、その反面利益率の低いブランドが減ったことや、継続的なコスト削減努力の効果もあり、営業利益率は20%台に改善させることができています。
※プロクター・アンド・ギャンブルウェブサイトより
※プロクター・アンド・ギャンブルウェブサイトより
また、フリーキャッシュの比率も同種の業態の中では極めて高い水準にあり、且つ安定して確保できています。
この数年間で高収益体質に戻すことができたため、あとは今後トップラインを伸ばし、営業利益やフリーキャッシュのボリューム増を期待したいところです。
連続増配銘柄の頂点にふさわしい株主還元力
プロクター・アンド・ギャンブルの株主還元に対する姿勢に関しては、改めて言及する必要もないかもしれませんが、念のためおさらいです。
ご存知の通り、プロクター・アンド・ギャンブルは数ある米国企業の中で、歴代4番目に長い60年という連続増配年数を誇る「配当王」銘柄です。
この60年間には、1973年の第一次オイルショック、1987年のブラックマンデー、1991年の湾岸戦争、2001年同時多発テロ、2003年イラク戦争、2008年リーマンショックなど、様々な出来事が発生していますが、その間も着実に事業を継続して利益を生み出し、増配し続けてきたということです。
※Dividend.comサイトより
また、自社株買いに対しても積極的で、以下は過去10年間の発行済株式数の推移ですが、ボリュームの差はあれど、毎年確実に自社株買いを通じて株式数を減らしている様子がうかがえます。
※morningstar.comサイトより
大暴落時も心強いディフェンス力
プロクター・アンド・ギャンブルは、直近発生した100年に1度の大暴落と言われるリーマンショックの際も、ディフェンシブ銘柄らしい高い守備力を発揮しています。
以下は、2008年1月2日の株価を100とした場合の、S&P500連動ETFのIVVおよびプロクター・アンド・ギャンブルの7日間隔の株価をIndex化し、2009年12月30日までの約2年間についてグラフ化したものです。
※stooq.comの株価データを加工して使用
最初の暴落地点に関しては、IVVがIndex63と37%下落しているのに対しプロクター・アンド・ギャンブルはIndex84と16%しか下落していません。
さらに、最も暴落した地点で言えば、IVVがIndex48と52%の下落に対して63と37%の下落に止まっていることが分かります。
今後も長い保有期間の中ではリーマンショックのような暴落を経験することがあるかと思いますが、100年に1度の大暴落でも6割は残る頼もしい銘柄だと言えましょう。
未来を占う過去30年株価チャート
それでは、リーマンショックを含めた過去30年間の株価チャートを見てみましょう。
※stooq.comの株価データを使用
リーマンショックを含めて定期的にほぼ同じような幅の下落は見られるものの、基本的には右肩上がりの頼もしいチャートを形作っていることが確認できます。
上記でご紹介した通り、着実且つ堅実な事業を通じてた利益の確保、およびコスト削減や自社株買いなどの経営努力が、EPSの継続的な向上、さらには株価の上昇を実現していると言えましょう。
その意味では、この右肩上がりのチャートは単なる過去の実績ではなく、今後の30年間についても再現される可能性が高いのではないかと考えられます。
まとめ
以上、長期投資を志す私が個人的に感じているプロクター・アンド・ギャンブルの魅力をご紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか?
長期的な観点で言えば、株主還元を十分に行う企業か否か、さらにそれに必要となる利益を生み出す仕組みを構築する力がある企業か否かという部分につきるのではないかと思います。
その意味では、プロクター・アンド・ギャンブルは、それら諸々の要件をかなり高いレベルで満たす優良銘柄だと思いますがいかがでしょうか?