18日夜、岡山県の中国自動車道で、路上に落ちていたタイヤに車が乗り上げて路肩に避難した親子が、大型トレーラーにはねられて死亡した事故で、2人が避難したのは車のトラブルがあった時などに駐車するための「非常駐車帯」と見られることが警察への取材でわかりました。警察は、2人が安全を確保しようとしたものの、事故に巻き込まれたと見て当時の状況を調べています。
この事故は、18日夜、岡山県津山市の中国自動車道で、軽乗用車が路上に落ちていたタイヤに乗り上げて動けなくなり、車に乗っていた広島市安芸区の中村美香さん(49)と、長女で、大学4年生の亜美さん(21)が路肩に避難したところ、同じタイヤに乗り上げて横転した大型トレーラーにはねられて死亡したものです。
警察によりますと、亜美さんは路肩に移動したあと警察に通報した際、「安全な場所にいます」と話していましたが、警察が現場を詳しく調べたところ、当時、2人が避難したのは、車にトラブルがあった時などにいったん駐車するための「非常駐車帯」と見られることがわかりました。
この「非常駐車帯」は幅が3メートル近くで、ガードレール沿いの車道側にあるということです。道路を管理する西日本高速道路によりますと、車道から見て、ガードレールの外側は幅が50センチほどしかなく、その先は下り斜面になっていて、周囲に明かりはないということです。
警察は2人が安全を確保しようとしたものの、事故に巻き込まれたと見て当時の状況を調べています。
母親の美香さん 周囲和ませる人
亡くなった親子2人のうち母親で歯科技工士の中村美香さん(49)は広島県呉市の歯科診療所に勤めていました。
診療所によりますと、周囲を和ませる明るい性格で、仕事が丁寧だっため、同僚からの信頼も厚かったということです。
娘の亜美さんが教員採用試験に合格した際にはとても喜んで、今回は休みを利用して亜美さんとゆっくり過ごせることを楽しみにしていたということです。
職場にある中村さんの机には20日、花が供えられていました。
同僚の女性は「仕事のことなどで相談をした時は優しくアドバイスをしてくれる人でした。娘さんのことが本当に大好きで、娘さんからもらったキーホルダーをとても大事にしていた姿を思い出します」と話していました。