「脱原発」にブレーキをかけた韓国国民の理性

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 新古里原発5・6号機の建設が再開されることになった。国民を代表する市民参与団471人の59.5%は最終調査で「建設を再開すべきだ」と回答し、「建設中止」と回答したのは40.5%だった。新古里原発5・6号機公論化委員会は20日、これを根拠に新古里原発5・6号機の建設を再開せよとの勧告案を政府に提出し、大統領府はすぐに受け入れ意思を明らかにした。

 この日の公論化委員会の発表を見ると、「原発建設中止」という意見は議論を重ねるたびに減り、中立的な立場だった参加者の多くは「建設再開」の方を選択した。公論化の過程に参加した市民・専門家らは「感情を刺激する宣伝や扇動によって作られた非科学的な不安が取り除かれていった。科学と理性が恐怖心を克服したものだ」と言った。キム・ジヒョン公論化委員長はこの日、結果発表の記者会見で、「建設再開という意見の割合は誤差範囲(±3.6ポイント)を上回り、意味のある差で建設中止の方よりも高くなった。調査回数を重ねるたびに差が広がった」と語った。

 これは、今年7月から4回行われた韓国ギャラップ社の世論調査で、「建設再開」と「建設中止」の意見の違いが5ポイント未満とわずかな差しかなかったのとは全く違う結果だった。公論化委員会関係者は「一般的な世論調査とはかなりかけ離れた結果が出たため、公論化委員会も驚いた。対立している懸案についてどれだけ深く知り、悩んでいるかによって結論が異なる可能性があることを示した事例だ」と述べた。このような結果について、韓国原子力学会のチョン・ヨンフン疎通委員会副委員長(韓国科学技術院〈KAIST〉教授)は「結局、科学と真実が恐怖に勝ったものだ」と語った。

 一方、公論化委員会は同日の結果発表で、「原子力発電を縮小する方向でエネルギー政策を推進せよ」という勧告も政府に対して行った。最終調査で「原子力発電を縮小すべきだ」という意見が53.2%に達し、「維持」(35.5%)や「拡大」(9.7%)を上回ったためだ。だが、このような勧告に対しては、「新古里原発5・6号機の工事についてだけ取り扱うことにしていた趣旨を外れたものだ。市民参与団は原発政策全般に対する熟議過程は経ていない」との指摘が出ている。

金慶和(キム・ギョンファ)記者
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