イノシシ被害対策の電気柵 全国200か所以上で機能せず

イノシシ被害対策の電気柵 全国200か所以上で機能せず
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イノシシなど野生動物による農作物の被害を防ぐため、農林水産省の交付金を使って全国の自治体が設置した「電気柵」などの柵のうち、200か所以上で、正しく設置されずに隙間が生じるなどして、十分機能していないことが会計検査院の調べでわかりました。
イノシシやシカなど野生動物に田畑を荒らされることによる農作物の被害額は、全国で年間およそ200億円に上っていて、農林水産省は10年前から、山間部に近い自治体などに合わせて800億円を超える交付金を出して、動物が田畑に侵入するのを防ぐ「電気柵」などの柵を設置しています。

この交付金による対策が適切に実施されているか、会計検査院が全国10余りの道府県を抽出して柵の設置状況を調べたところ、200か所以上で正しく設置されずに隙間が生じるなどして、動物が田畑に侵入できるようになっていたことがわかりました。

自治体が設置場所の地権者の合意を得ることができず、田畑を囲うように柵を設置できなかったケースや、柵が倒れて動物の侵入を防げない状態になっていたケースなどがあったということです。

また柵が倒れていた場所の中には、設置後1年以上点検していなかったところもあったということで、会計検査院は、農林水産省に対し改善を求めることにしています。

農林水産省は、NHKの取材に対して「今後は自治体にしっかりと指導していきたい」としています。

イノシシ被害対策の電気柵 全国200か所以上で機能せず

イノシシなど野生動物による農作物の被害を防ぐため、農林水産省の交付金を使って全国の自治体が設置した「電気柵」などの柵のうち、200か所以上で、正しく設置されずに隙間が生じるなどして、十分機能していないことが会計検査院の調べでわかりました。

イノシシやシカなど野生動物に田畑を荒らされることによる農作物の被害額は、全国で年間およそ200億円に上っていて、農林水産省は10年前から、山間部に近い自治体などに合わせて800億円を超える交付金を出して、動物が田畑に侵入するのを防ぐ「電気柵」などの柵を設置しています。

この交付金による対策が適切に実施されているか、会計検査院が全国10余りの道府県を抽出して柵の設置状況を調べたところ、200か所以上で正しく設置されずに隙間が生じるなどして、動物が田畑に侵入できるようになっていたことがわかりました。

自治体が設置場所の地権者の合意を得ることができず、田畑を囲うように柵を設置できなかったケースや、柵が倒れて動物の侵入を防げない状態になっていたケースなどがあったということです。

また柵が倒れていた場所の中には、設置後1年以上点検していなかったところもあったということで、会計検査院は、農林水産省に対し改善を求めることにしています。

農林水産省は、NHKの取材に対して「今後は自治体にしっかりと指導していきたい」としています。