会社員をしながら兼業投資家として株式投資で成功したいとお考えの方は大勢いらっしゃると思います。
ただし、投資というと、
- 「一日中パソコン画面を見ていないといけないのではないか?」
- 「テクニカルのスキルで相場を分析しなければいけないのではないか?」
というような疑問が浮かんで、現実的に、会社員をしながら投資で稼ぐというイメージを持ちにくいと思われていると思います。チャートを分析して投資タイミングを図る手法をテクニカル投資と言いますが、帰宅してからチャートを分析するには時間の制約もあり、そう簡単ではありません。
テクニカル投資で成功されている方は大勢いらっしゃいますが、私が知る限り、会社員をしながら兼業投資家として成功されている方のほとんどはファンダメンタル投資です。中でも、企業が発表する財務諸表や目論見書を分析したり、後述するTOPIXや日経平均銘柄の入れ替えの時や、株主優待が配られる時などの特定のイベントがある時に投資を行う方法です。
そこで、ここでは株の初心者が「本当に稼げる」ファンダメンタル投資の基礎を身につけるために読むべき記事をご紹介します。
はじめに ~イベント投資とは~
株式市場には、ある「特定の状況」が発生することがあります。
その「特定の状況」が発生した時は、ある企業の株価は、ほぼパターン通りの動きをします。そして、今回お伝えする方法は、そうした「特定の状況(=イベント)」を利用した投資法の一つです。それぞれのイベントの時に、株価が上昇するのか下落するのかの判断は、ほとんどファンダメンタルで行います。
このような投資方法をファンダメンタル投資の中でも「イベント投資」と言います。そして、イベント投資であれば、会社員をしながらでも十分な利益を得ることができます。
通常、ファンダメンタル投資と聞くと、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの指標を使うとイメージされると思いますが、残念ながら、私の周りに限って言えば、そのような一般に広く知られている方法で勝っている人は少数です。もちろん、ウォーレン・バフェット並みに分析力や情報取集力、そして先見の明があれば可能なのでしょうが、個人的には非常に難易度の高い投資法だと思います。
しかし、イベント投資であれば、好きな時間に必要な分析が出来ますし、売買も予約注文で良いので、日中の仕事中に何らかの取引を行う必要はありません。また、投資判断を行う際は、「こういうイベントの時はこういう銘柄は上昇するのか」とか、「こういう銘柄は下がるのか」と、過去のデータと照らし合わせての検証が非常に行いやすいという利点もあります。
そのようなことを意識しながら、それぞれの記事を読み進めて頂ければと思います。
1. 株主優待投資
株主優待投資と言うと、「株主優待という特典を得ること」を目的とした投資と考えられている方が一般的だと思います。ただし、本来の投資の目的はあくまでも自分自身の資産を増やすことであって、株主優待を貰うことではありません。
本当の株主優待投資家は、株主優待という特定のイベントを利用して多くの利益を得ています。
そして、『スタバ株は1月に買え!』の夕凪氏のように、株主優待銘柄の値動きの傾向をとことん突き詰めるだけでも、億単位の資産を築いている人がいるぐらい、常に大きな可能性に満ちている投資法です。
私は、IPO関連のイベント投資やファンダメンタル投資がメインですが、もちろん、株主優待投資でもほぼ毎月と言っていいほど利益を得ています。
2. IPOセカンダリー投資
→『会社員の私がIPO投資で年2,000万円の利益を得ている方法の全て』
IPO投資(新規公開株投資)と言うと「上場前に株式を手に入れて上場後に売る」というものを思い浮かべる方が多いと思います。しかし、IPO投資の真髄はそこではありません。IPO銘柄は、上場後に特定のイベントが控えていて、そのイベントによって株価が上がる傾向が強いシチュエーション、下がる傾向が強いシチュエーションが多々あります。
例えば、
- 上場したばかりの企業が業績の上方修正を行う時
- 上場当日に株価が決まらずに翌日に持ち越しになった時
- 大株主にロックアップという株の売却制限がかかっている時
のような場面です。
私のIPO投資の利益は、そのような値動きの特徴を活用した投資法(=広い意味でのイベント投資)が大半を占めています。
3. インデックス買い
インデックス買いとは、「ある銘柄が、ある株価指数に組み込まれる時に、その銘柄の株価は上昇する強い傾向がある」ことを利用した投資法です。インデックス売りはその反対で、「ある銘柄が、ある株価指数から除外される時に、その銘柄の株価は下落する強い傾向がある」ことを利用した投資法です。
例えば、日経平均の構成銘柄は一年に一回、定期的に見直しがあります。この見直しの結果、日経平均に新たに組み込まれる銘柄は株価が上昇する傾向が強くあります。一方で、日経平均から外される銘柄は株価が下落する傾向が強くあります。
なぜなら、日経平均と連動したファンドを運用している機関投資家は、日経平均に新たに組み込まれる銘柄を必ず買わなければいけない(インデックス買い)ですし、外される銘柄は売らなければいけない(インデックス売り)からです。
また、TOPIXも日経平均と並ぶ日本を代表する株価指数で、例えば東証2部やマザーズから東証1部に昇格したら、機関投資家によるインデックス買いのイベントが発生します。さらに、東証REIT指数は、上場したREIT(不動産投資信託)を全て盛り込んだ指数ですので、新規に上場するREITがある時は、インデックス買いのチャンスになります。
4. 同日複数社上場の場合の投資
→ 『同日複数社上場時の投資法』
この投資方法は、年末までの約3ヶ月で、大きな利益を得られる可能性がある方法です。なぜならば、過去のデータを検証すると、3月と12月は、ある「特定の状況」が毎年発生しており、今年も起こりうると予測できるからです。
同日に複数社が上場する場合は、投資家の資金が分散するため、それぞれの銘柄が想定より安い価格をつけることが多々あります。その場合、時間の経過とともに、それぞれの銘柄が再評価されて、本来の価値に近い株価に落ち着きます。
再評価の時に、どの銘柄が上昇して、どの銘柄が下がるのかはファンダメンタル分析、例えば、
- 上場市場の規模
- 事業内容の真新しさや同業他社の数
- 市場吸収額
- 業績
- ベンチャーキャピタルやストックオプションの割合
などによって、かなり高い精度で予想することができます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
株の初心者が想像されているファンダメンタル投資と、実際に利益の出ているファンダメンタル投資のやり方は随分と違うという印象を持たれたことと思います。
私にとっては、株式投資とは、いかに優位性が高い時(上がる確率が高い時、下がる確率が高い時)を見つけるかどうかです。これはファンダメンタル投資でもテクニカル投資でも変わりません。そのような優位性が高い時を見つけると言う観点で考えるとバフェット並みの超長期投資では、そもそも検証が難しいし、検証に必要なサンプル数が少ないと言う欠点があります。
ただし、ここで取り上げたような何らかのイベントがある時に、どのようなファンダメンタルの状態の銘柄が、どのように反応するかという観点で考えると、サンプル数は何千もありますし、検証期間も短くて済むので、分析に必要なファンダメンタルと値動きのデータはネットだけで集めることも可能です。
その集めたデータを分析して、優位性のあるシチュエーションを抽出していけば、確度の高い投資判断ができるようになります。また、ここでお伝えした局面も、数多くあるうちの一部です。ご自分でも、どんどん見つけていく努力を重ねてみましょう。
そうすれば稼ぐべくして稼げるようになります。
ぜひ参考にして頂ければと思います。