うきよのおはなし~江戸文学紹介ブログ~

江戸文学に少しでも興味を持つ方が増えれば良いなと。

いや

今日こそは『好色一代女』のお話を紹介(ry

鳥山石燕『今昔百鬼拾遺(こんじゃくひゃっきしゅうい)』(安永十[1781]年刊)に出てくる「いやや」という妖怪、

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国会図書館の画像を利用しています。
詳細画像は国会図書館のホームページで。
国立国会図書館デジタルコレクション - 百鬼夜行拾遺 3巻. [3]
8ページ目です。

子供の頃に見た妖怪の本では「いやみ」と書かれているものもあったので、なんでやろとずっと思ってたのですが、どうやら原因はこれだったみたいですね。

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国会図書館の画像を利用しています。
詳細画像は国会図書館のホームページで。
国立国会図書館デジタルコレクション - 怪物画本. 巻1
15ページ目です。

鳥山石燕の絵をほぼそのままパクって出された『怪物画本(かいぶつえほん)』(明治十四[1881]年刊)からなのですが、確かに「いやミ」としっかり書かれています(笑)

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おそらく、書いた人は「ミ」ではなく、踊り字(「々」や「ゝ」のような、繰り返しを表す文字)を書いたつもりだったのではないでしょうか?

でも、勢い余って点を多く書いてしまったがために、「ミ」になってしまったというね(笑)

せめて、これとか

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これみたいに

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書いてくれてれば「いやや」って読めるのですがね(笑)

ちょっと点が多かったことが、昭和以降もこの妖怪の名称に影響を与えているとは、書いた本人は夢にも思ってないでしょう(笑)

でも、「いやみ」って名前も好きですよ、シェーッ!!!

ーーー
一応、読んでおきます???(笑)

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はい、前回と同じ「た」「な」が出てきましたね♪ 

kihiminhamame.hatenablog.com

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今回のはちょっと読みにくいので、ポイントだけ、
が何という文字かだけでも覚えて帰ってください♪

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①は「か」です「可」のくずし字です。
②は「に」です「尓」のくずし字です。

ほい、答え合わせ!

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否哉(いやや)
むかし漢(かん)の東方朔(とうばうさく)
あやしき虫(むし)をみて
怪哉(くはいさい/あやしいかな)と名づけし
ためしあり
今この否哉(いやヽ)も
これに
ならひて
名付(なづけ)たる
なるべし

ここでは「いやヽ」と正しい踊り字が使われています♪

昔、中国東方朔(とうぼうさく)という人は、怪しい虫をみて「怪哉(かいさい/あやしいかな)」と名付けました。
このことをマネて、この妖怪も「否哉(いやや)」と名付けられたのでしょう。

なんのこっちゃ?ですね(笑)
要するに「嫌な姿だから『嫌や』と名付けられた」ということでしょうかね。
でも、この妖怪自体の説明は何も書かれていないので、やっぱ、なんのこっちゃ?ですね(笑)

 

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