結婚して子どもいて、もう30になるのに、大学時代中盤にたった1年半だけ付き合った元カノが夢に出続けている。
別れてすぐはかなり頻繁に夢に出てきた。
ヨリを戻した夢を見て、起きたら夢で凹む、、、というベタなやつ。
そこまでは良かった。
それからは、その元カノと街でバッタリ会ったりして、親しげに会話ができた!と喜ぶ夢に変わった。
「今、俺、普通に話せたぞ。もうちゃんと彼女のことは清算できた」
とホッとしたら、夢で凹む。
ヨリを戻すという内容でないだけ、マシになった。
その後、街でたまたま見かける、という、夢を見るようになった。どんどん、距離が離れていく。でも、夢には出る。
そして、俺は普通にその後で何人かと付き合って、そのうちの1人と普通な恋愛をして、普通に結婚をした。
もう俺も夢の中でも別れたことを当然受け入れているが、彼女との距離が近い状態で登場するようになった。
実際はばったり会っても何も話せないと思う。
でも、夢の中では普通に会話している。
でも、お互いに「昔付き合ってた人」ってなってて、話す内容は今のこと。
それからもたびたび夢に出てきたが、一度お互いに「これは夢だ」と分かってることがあった。
「夢だし良いだろ」とか言って、メチャクチャイチャイチャして、そのまま家に連れ込んで抱いた。
朝起きた時の気分は最悪だった。
夢のシチュエーションはこれまでと大きく違っていた。
俺は、妻と息子と一緒だったのだ。
家族3人で近くの本屋に来ていて、子どもの本を買って店を出ようとすると彼女がいた。
「おお!元カノやん!久しぶり」
「あー、増田」
「めっちゃ久しぶりやん!今、何してるの?」
「増田と話してる」
「いや、そうじゃなくて!!わかるでしょ!オトナなんだから!仕事だよ!」
「ここで働いてる」
俺が元カノの思い通りにワーワー言うものだから、元カノは嬉しそうに笑って、わめく俺を見つめている。
「話したくないなら仕事のことはいいよ!今どこに住んでるの?このへん?」
「ここ」
「本屋じゃない、ここに住んでるの!」
あら、ちょっと怒った。
上がマンションか何かなのかと見上げてみたが、別に二階部分に居住スペースはなかった。
「ずっとここに住んでる」
「そんなに話したくないなら、いいよ、聞かないよ。笑 元気でね。」
そう言ったところで目が覚めた。
ここに住んでる
ここ、の意味がわかって、少し怖くなった。そんな漫画を押見修造が書いていた気がする。
こんな話、誰にも言えない。
どっかで生きているであろう元カノさん。
あなたに危害は加えず、私は脳内で昔のあなたを楽しみますので、どうか、良い人生を。
うわ、締めようと思ったのに、自分で打ち込んでキモくてびっくりした。俺、もしかしてストーカー気質なのかな。