2017年10月20日
菊間千乃弁護士「弁護により罪を軽くすることが、再犯につながっているのかもしれない」
フジ退社から10年…菊間千乃さん語る「主婦万引き」実態(女性自身)
https://jisin.jp/serial/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84/crime/30969
雑誌のインタビュー記事ですので、これが菊間さんご本人の発言を正確に記載したものか、あるいは前後の文脈が適切かどうかという問題はあろうかとは思います。
そのあたりは割り引いて捉える必要があることは認識しつつも、もしご本人が本当にこのような発言をされたのだとすれば、「弁護により罪を軽くすることが、再犯につながっているのかもしれない」とのご認識は弁護士という立場としてどうなのだろうか?と疑問に思います。
この発言の真意は、「刑罰の保安処分的な意味合いを重視して、より罰則を強化すべきである」ということなのでしょうか。
「弁護により罪を軽くする」との表現も、私には強い違和感があります。結果として量刑が軽くなることはあるとしても、刑事弁護とは被疑者の権利保護、真実の発見、適正な処罰の実現等のために行うものであって、「罪を軽くする」などという言葉では括れないものだと思います。
【NPO法人「全国万引犯罪防止機構」の理事兼広報・政策委員長】という菊間さんの肩書からすれば、これは店舗側の利益を代表するものであると考えられます。
だとしても、あたかも「刑事弁護が本来あるべき量刑より軽くするために行われていて、犯罪者を甘やかしているから再犯してしまい、犯罪が減らない」かのような説明は、世間一般に刑事弁護の本質を誤解させるものではないかと危惧します。
<菊間弁護士関連の当ブログ過去記事>
菊間さんの看過できない思考の断片(2013年1月22日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52001089.html
夜間・地方法科大学院シンポジウムの「開催趣旨」の奇妙さ(2013年1月10日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51998929.html
日弁連 法科大学院制度のあり方に関するシンポジウム(2012年9月1日開催)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51966908.html
https://jisin.jp/serial/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84/crime/30969
「万引きの再犯率は約50%と、非常に高いのです。国選弁護などで窃盗犯の担当となれば、本人に反省を促すいっぽうで、なんとか罪が軽くなるように活動をします。しかし、弁護により罪を軽くすることが、再犯につながっているのかもしれないとも感じていました。万防機構は『万引きそのものをなくす』ことを目指していますので、犯罪そのものを減らしたい、という私の弁護士としての信念と同じだと思いました」
雑誌のインタビュー記事ですので、これが菊間さんご本人の発言を正確に記載したものか、あるいは前後の文脈が適切かどうかという問題はあろうかとは思います。
そのあたりは割り引いて捉える必要があることは認識しつつも、もしご本人が本当にこのような発言をされたのだとすれば、「弁護により罪を軽くすることが、再犯につながっているのかもしれない」とのご認識は弁護士という立場としてどうなのだろうか?と疑問に思います。
この発言の真意は、「刑罰の保安処分的な意味合いを重視して、より罰則を強化すべきである」ということなのでしょうか。
「弁護により罪を軽くする」との表現も、私には強い違和感があります。結果として量刑が軽くなることはあるとしても、刑事弁護とは被疑者の権利保護、真実の発見、適正な処罰の実現等のために行うものであって、「罪を軽くする」などという言葉では括れないものだと思います。
【NPO法人「全国万引犯罪防止機構」の理事兼広報・政策委員長】という菊間さんの肩書からすれば、これは店舗側の利益を代表するものであると考えられます。
だとしても、あたかも「刑事弁護が本来あるべき量刑より軽くするために行われていて、犯罪者を甘やかしているから再犯してしまい、犯罪が減らない」かのような説明は、世間一般に刑事弁護の本質を誤解させるものではないかと危惧します。
<菊間弁護士関連の当ブログ過去記事>
菊間さんの看過できない思考の断片(2013年1月22日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52001089.html
夜間・地方法科大学院シンポジウムの「開催趣旨」の奇妙さ(2013年1月10日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51998929.html
日弁連 法科大学院制度のあり方に関するシンポジウム(2012年9月1日開催)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51966908.html
この記事へのコメント
1. Posted by サウスウインド 2017年10月20日 17:44
こんなんが合格できる程、司法試験てええ加減なんやな。
2. Posted by きのしたのぶゆき 2017年10月20日 20:05
大きな考え違い。刑事弁護人としては失格。
再犯防止には、社会内教育、プレクトマニア等の治療、環境調整、などの「他に取りうる、より制限的でない方法」がある。刑罰を長くすれば、再犯が減る。という幻想から抜け出すべき(服役中は再犯しない。という直接的効果は認めるが)
3. Posted by きのしたのぶゆき 2017年10月20日 20:15
「弁護により罪を軽くする」との表現は、表現方法の善し悪しはあっても、刑事弁護人としては正しいと思います。
検察官が、適正な量刑よりも重すぎる求刑をしたときに、それを、適正な量刑に引き戻すのが護人の役割ではありますが、事後的に有利な情状を作り出して(反省文、謝罪文、示談、身元引受人の確保、就職先の確保、ダルクの紹介などなど)刑を軽くするのも、弁護人の重要な仕事です。
被告人および弁護人にとっては、刑を軽くするのが最大の目的です(無罪事件は除く)。その弁護活動を評価して、適正な量刑をするのは裁判所の役割です。
検察官が、適正な量刑よりも重すぎる求刑をしたときに、それを、適正な量刑に引き戻すのが護人の役割ではありますが、事後的に有利な情状を作り出して(反省文、謝罪文、示談、身元引受人の確保、就職先の確保、ダルクの紹介などなど)刑を軽くするのも、弁護人の重要な仕事です。
被告人および弁護人にとっては、刑を軽くするのが最大の目的です(無罪事件は除く)。その弁護活動を評価して、適正な量刑をするのは裁判所の役割です。