月末の金曜日に早めの退社を促すキャンペーン「プレミアムフライデー」について、官民でつくる推進協議会は一律に月末に実施するのは難しいという声を踏まえ、職場の状況に応じてほかの金曜日に振り替えるなど、今後、柔軟に進めていくことになりました。
これは経済産業省や経団連など官民でつくるプレミアムフライデー推進協議会が明らかにしたものです。
プレミアムフライデーは、月末の金曜日は午後3時をめどに退社できるようにして買い物や旅行などを楽しんでもらい、消費の拡大にもつなげようというキャンペーンで、ことし2月に始まりました。
しかし会社勤めをしている人などおよそ2000人を対象にしたアンケート調査では「通常より早く退社できた」と回答した人が1割程度にとどまったほか、企業や地域によっては月末に実施するのは難しいという声が上がっています。
このため推進協議会は、消費を盛り上げようというイベントは引き続き月末の金曜日を中心に行うものの、早めに退社する取り組みは一律に月末に行うのではなく、職場の状況に応じてほかの金曜日に振り替えるなど柔軟に進めるという方針を明らかにしました。
会見した経済産業省の藤木俊光審議官は「プレミアムフライデーの認知度は上がったが消費喚起の実現や働き方改革の浸透についてはさらなる努力が必要だ。月末はいちばん忙しいといった批判もあるので、別の日への振り替えや、全員一斉ではなくずらして行うなど多様なやり方を推奨したい」と述べました。
職場の実態にそぐわないという課題も指摘
企業にとどまらず各地の商店街などが、プレミアムフライデーに合わせた商品を売り出したりイベントを企画したりして消費が喚起され、売り上げの増加につながったという声も出ています。
ただ職場の実態にそぐわないという課題も指摘されています。
キャンペーンは月末の金曜日に早い時間に退社し買い物や食事、旅行などを楽しんでもらおうというものですが、協議会が2000人余りに行った調査では「会社が推奨し早く退社できた」と答えた人は一部にとどまりました。
また、早めの退社を長時間労働の是正や有給休暇の積極的な取得といった働き方の見直しにつなげることも狙いでしたが、実際には顧客への対応や人手不足から大半の企業で定着せず大きな課題となっています。
このため経団連は、各企業に対しプレミアムフライデーをより柔軟に実施するよう呼びかけるほか、早めの退社を導入したことで生産性が高まった企業の事例を紹介するなどしてキャンペーンへの参加を働きかけていきたいとしています。