「原発建設続行を」有識者委、政策縮小も勧告
【ソウル米村耕一】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の脱原発方針を受けて、すでに南東部・蔚山(ウルサン)で着工している新古里原発5、6号機の建設中断の是非について協議していた有識者委員会は20日、「建設続行」との勧告を出した。文政権は勧告に従う方針を明確にしている。一方、有識者の委員会は新古里5、6号機とは別に、原発政策全体については意見を聞いた国民のうち「縮小すべきだ」との意見が53.2%と最も多かったとして、原発縮小の方向でエネルギー政策を取るよう政府に勧告した。
文政権はいったん5、6号機についても建設中断の方針を示したが、韓国内の世論は是非をめぐって完全に二分された。そのため、文政権は有識者9人で構成する委員会を設置。委員会は一般国民から選んだ約500人が、4回にわたって討論会を開いた結果を土台に結論を出すとの形を取った。その結果、討論会を開くたびに「建設続行」を求める意見が増え、最終的に約500人の中で59.5%が続行、中断は40.5%にとどまった。建設中断に伴うコストなどが問題になったとみられる。