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福井熱心な指導、過度な負担か 池田・中2自殺池田町立池田中学二年の男子生徒=当時(14)=が校舎から飛び降り自殺した問題の第三者による調査委員会に対し、遺族は男子生徒が担任と副担任それぞれから同じ宿題などの課題を何度もやらされていたと訴えていた。学力全国トップクラスを競っている教育環境の中、過度な負担が生徒にかかっていた可能性が浮かぶ。 生徒は小学生のころから文字を書くのが苦手だったといい、担任も調査委に「英語で話すことが好きで、意欲もあったが、書くのは苦手だった」と説明。生徒は中学二年の後期に生徒会の副会長などを担っており、課題の提出が遅れることがさらに増え、担任や副担任から厳しい指導を受けていた。 人口約二千七百人の池田町には小学校と中学校が一校ずつあるだけで学習塾がない。それでも全国トップクラスの学力を長年維持する県内で上位の成績だったという。教職員は生徒の高校進学のため土日にも出勤するなど教育熱心で宿題にも力を入れていた。特に副担任は宿題の提出について厳しい態度で臨んでいたという。今年二月、生徒が家族に「学校に行きたくない」と訴えたときには宿題の未提出を巡り「副担任は何を言っても言い訳と決めつける。担任にも強く怒られた。どうしていいかわからない」と話していた。 学校が実施したアンケートで、複数の生徒が「死にたいと言っていた」と回答。男子生徒は亡くなる前日にも副担任から注意を受け、泣きだして過呼吸に陥っており、調査委は「担任、副担任の両教員から立て続けに強い叱責(しっせき)を受け、精神的なストレスが大きく高まった」と指摘している。 調査委は報告で「教員は生徒の学習活動の遅れや生活態度に目がいきがちになるが、根底にある発達特性を踏まえた生徒理解が必要。生徒指導は生徒の持つ潜在的な能力を引き出す働きかけでなければならない」と求めている。 (中崎裕、梶山佑、小川祥) 選挙関連の記事は
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