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メッセージ
生かせいのち2007年8月長生きした人が亡くなったとき、「天寿を全うした」とよくいわれます。では、悪の限りを尽して社会に害毒を流し続けた人が、九十歳や百歳で死んだとき、「天寿を全うした」というでしょうか。いいません。
弘法大師さまの教えによれば、天寿を全うしたかどうかは、寿命の長さではなく、「みんなが幸せでありますように」「人を幸せにすることができますように」という願いをいつも持って生きた人に対して、はじめていえるのです。
「生かせいのち」というスローガンは、その願いのもとにわがいのちを生かそう、という意味です。
例えば病院に入院しなければならなくなったときでも、同室の患者を、言葉で慰め励ますことができるではありませんか。それこそが仏さまのいのちの働きというものです。
そして、後の世に生きていく人たちの幸せを願いながらこの世を去ることができれば、そのときこそ正に天寿を全うしたといえるでしょう。
(R)