各駅停車「新幹線こだま」特急料金は妥当か
通過待ちばかり、所要時間長く本数も少ない
新幹線は日本の大動脈だ。特に東海道新幹線は利用者数で群を抜いている。東京に住む筆者は、東京―大阪の移動では「新幹線派」だ。航空機利用時の空港アクセスの不便さ、搭乗までの待ち時間の長さ、客室内の窮屈さ、日常的な発着の遅延などを考えると、乗っている時間は航空機より長くても、乗り降りがスムーズで、時間に正確で、本数も多く、シートもゆったりとしている新幹線に軍配を上げる。
しかし、先日、熱海駅から新大阪駅に行く所用があり、新幹線の時刻表を見て、その不便さに驚いた。熱海駅に「のぞみ」が停車しないことは多くの人が知っていると思うが、「ひかり」もほとんど停まらず、上下線とも1日3本しか停車しない。
「こだま」「ひかり」の特急料金が同じでは納得いかない
全列車が停まる「こだま」も、通勤利用などの上りの多客時間を除いて基本的に1時間に2本しかない。しかも、下り方向のこだまの半分以上は名古屋駅止まりで、新大阪へは乗り換えを強いられる場合も多い。所用時間についてもひかりだと2時間20分程度だが、こだまだと3時間以上かかる。それでいて、こだまの特急料金がひかりと同じであるのは納得できなかった。
そもそも、ひかりも東京―新大阪間で1時間に1~2本しかない。東京、名古屋、大阪等ののぞみ停車以外の都市への移動となると新幹線への評価はかなり異なるのではないだろうか。特に静岡エリアでは県内にまったく停まらないのぞみ主体の運行に不満が大きい。現在、静岡駅に停まるのは昼間時の場合1時間にひかり1本、こだま2本だけだ。2002年には当時の石川嘉延・静岡県知事がJR東海の方針に不満を爆発させ、「のぞみからの通行税を検討する」と県議会で発言したほどだ。
昔は東海道新幹線を走るのはひかりとこだまだけだった。しかも、1964年の東海道新幹線の開業時はひかりとこだまはほぼ交互に運行され、本数は同程度だった。その後ひかりの運行が増えていったが、1992年には新型車両300系の登場により、ひかりより速いのぞみが運行を開始した。