中国道で親子2人死亡 路肩で通報中にはねられたか

中国道で親子2人死亡 路肩で通報中にはねられたか
18日夜、岡山県津山市の中国自動車道で、軽乗用車を運転し路肩に避難していた親子が、後続の大型トレーラーにはねられて死亡した事故で、2人は路肩に避難して110番通報している時にはねられた可能性があることがわかり、警察が詳しい状況を調べています。
18日夜、岡山県津山市の中国自動車道の上り線で、軽乗用車が路上に落ちていたタイヤに乗り上げて動けなくなり、車に乗っていた広島市安芸区の歯科技工士、中村美香さん(49)と、長女で岡山大学4年生の亜美さん(21)が、路肩に避難したところ、後続の大型トレーラーにはねられて死亡しました。

道路の車線上には大型の車両のものと見られるタイヤが落ちていて、中村さん親子の軽乗用車がタイヤに乗り上げたあと、後続の大型トレーラーも同じタイヤに乗り上げて横転したと見られています。

警察によりますと、事故があった3分ほど前に、女性の声で「タイヤを踏みつけて事故を起こし、路肩に避難した」という内容の110番通報があったことがわかっていますが、その後の調べで、通報したのは長女の亜美さんで、通話が途中で切れたことが、警察への取材でわかりました。

通話中に車のナンバーを聞かれた亜美さんが、「見に行きましょうか」と答えたのに対して警察は「道路に戻るのは危険です」と伝えたということで、そのあと、電話が切れたということです。

警察は、亜美さんが通報しているときに、タイヤに乗り上げて横転した大型トレーラーが突っ込んだ可能性があると見て、詳しい状況を調べています。

事故が起きた経緯

警察などへの取材から経緯をまとめました。

事故が起きたのは、岡山県津山市の中国自動車道の上り線です。広島市安芸区の歯科技工士、中村美香さんと長女で岡山市北区の大学生、中村亜美さんの親子は軽乗用車に乗って、広島市安芸区の自宅から鳥取県にいる家族のもとに向かっていました。

そして、追い越し車線を走っていたときに、中村さん親子が乗った車は、道路上に落ちていたタイヤに乗り上げました。このはずみで車が動かなくなったため、親子は車を降り、走行車線側の路肩に避難しました。

その直後と見られる18日午後8時13分ごろ、長女の亜美さんが110番通報していました。

「タイヤを踏みつけて事故を起こした。路肩に避難した」という内容でしたが、その通話は途中で途切れました。

警察はこの通報中に、走ってきた大型トレーラーが、同じタイヤに乗り上げて横転し、親子に突っ込んだと見ています。現場は片側2車線の緩やかな右カーブで事故当時は雨で路面がぬれていたということです。

母親の美香さんはその場で死亡が確認され、病院に運ばれた亜美さんもおよそ1時間後に死亡が確認されました。

トレーラーの運転手は

横転した大型トレーラーの運転手が勤める運送会社によりますと、運転手は会社の専務に対して、「追い越し車線を走っていたところ、軽自動車が止まっているのが見えた。そのあと、大きなタイヤが落ちているのに気づいたが、直前だったので避けることができず乗り上げてしまった。そのあと、制御できなくなり軽乗用車に衝突して横転した」と話しているということです。

中村亜美さんは教員試験に合格

事故で亡くなった中村亜美さんは岡山大学教育学部の4年生でした。

複数の同級生によりますと、亜美さんは明るい性格で、リーダーシップがあり、成績も優秀だったということです。また、テニスサークルに所属し、おととし2月に開かれた中国・四国地方の大学生が参加する大会では、ダブルスで優勝していました。

そして、中学生のときに出会った先生に憧れて教師を目指したということで、今月6日には岡山県の教員採用試験に合格し、来年春から中学校の数学教諭として働くことを楽しみにしていたということです。

同じテニスサークルに所属し、亜美さんと毎日のように一緒に過ごしていたという4年生の女子学生は、「まだ信じられない。なぜ事故が起きたのか知りたい」と泣き崩れていました。

また、同じ教育学部の4年生の男子学生は、「講義中、一生懸命にノートを取っていた姿が印象に残っています。来年の春から先生として一緒に働けると思っていたのでとても悲しいです。なぜこんな事故が起きたのか明らかにしてほしいです」と話していました。

道路上で停止したらハザードランプや発炎筒を

全国の高速道路会社などによりますと、高速道路上で回収された落下物は平成27年度、全国でおよそ31万6000件に上りました。

茨城県つくばみらい市にあるNEXCO東日本の管理事務所には、管轄する高速道路で見つかった落下物が集められています。この2週間ほどで回収された大小20個余りの落下物が保管されていて、なかには大きさが2メートル以上ある脚立や材木、それにクーラーボックスなどもあります。

担当者が、多い場所では1日に十数回のパトロールを行っていますが、毎日のように落下物を回収しているということです。NEXCO東日本によりますと、小さな落下物であっても驚いたドライバーが急ハンドルを切るなどして事故につながるおそれがあるということで「落下物を見つけたときは無料の道路緊急ダイヤル『#9910』に至急、連絡してほしい」としています。

そして、万が一、落下物に接触するなどして道路上で停止してしまった場合は「ハザードランプや発炎筒で合図をしたうえで、運転者も同乗者も後続車に注意しながら車から離れて、ガードレールの外など安全な場所に避難してほしい。車内や車の近くで待機するのは非常に危険です」と話しています。
中国道で親子2人死亡 路肩で通報中にはねられたか

中国道で親子2人死亡 路肩で通報中にはねられたか

18日夜、岡山県津山市の中国自動車道で、軽乗用車を運転し路肩に避難していた親子が、後続の大型トレーラーにはねられて死亡した事故で、2人は路肩に避難して110番通報している時にはねられた可能性があることがわかり、警察が詳しい状況を調べています。

18日夜、岡山県津山市の中国自動車道の上り線で、軽乗用車が路上に落ちていたタイヤに乗り上げて動けなくなり、車に乗っていた広島市安芸区の歯科技工士、中村美香さん(49)と、長女で岡山大学4年生の亜美さん(21)が、路肩に避難したところ、後続の大型トレーラーにはねられて死亡しました。

道路の車線上には大型の車両のものと見られるタイヤが落ちていて、中村さん親子の軽乗用車がタイヤに乗り上げたあと、後続の大型トレーラーも同じタイヤに乗り上げて横転したと見られています。

警察によりますと、事故があった3分ほど前に、女性の声で「タイヤを踏みつけて事故を起こし、路肩に避難した」という内容の110番通報があったことがわかっていますが、その後の調べで、通報したのは長女の亜美さんで、通話が途中で切れたことが、警察への取材でわかりました。

通話中に車のナンバーを聞かれた亜美さんが、「見に行きましょうか」と答えたのに対して警察は「道路に戻るのは危険です」と伝えたということで、そのあと、電話が切れたということです。

警察は、亜美さんが通報しているときに、タイヤに乗り上げて横転した大型トレーラーが突っ込んだ可能性があると見て、詳しい状況を調べています。

事故が起きた経緯

警察などへの取材から経緯をまとめました。

事故が起きたのは、岡山県津山市の中国自動車道の上り線です。広島市安芸区の歯科技工士、中村美香さんと長女で岡山市北区の大学生、中村亜美さんの親子は軽乗用車に乗って、広島市安芸区の自宅から鳥取県にいる家族のもとに向かっていました。

そして、追い越し車線を走っていたときに、中村さん親子が乗った車は、道路上に落ちていたタイヤに乗り上げました。このはずみで車が動かなくなったため、親子は車を降り、走行車線側の路肩に避難しました。

その直後と見られる18日午後8時13分ごろ、長女の亜美さんが110番通報していました。

「タイヤを踏みつけて事故を起こした。路肩に避難した」という内容でしたが、その通話は途中で途切れました。

警察はこの通報中に、走ってきた大型トレーラーが、同じタイヤに乗り上げて横転し、親子に突っ込んだと見ています。現場は片側2車線の緩やかな右カーブで事故当時は雨で路面がぬれていたということです。

母親の美香さんはその場で死亡が確認され、病院に運ばれた亜美さんもおよそ1時間後に死亡が確認されました。

トレーラーの運転手は

横転した大型トレーラーの運転手が勤める運送会社によりますと、運転手は会社の専務に対して、「追い越し車線を走っていたところ、軽自動車が止まっているのが見えた。そのあと、大きなタイヤが落ちているのに気づいたが、直前だったので避けることができず乗り上げてしまった。そのあと、制御できなくなり軽乗用車に衝突して横転した」と話しているということです。

中村亜美さんは教員試験に合格

事故で亡くなった中村亜美さんは岡山大学教育学部の4年生でした。

複数の同級生によりますと、亜美さんは明るい性格で、リーダーシップがあり、成績も優秀だったということです。また、テニスサークルに所属し、おととし2月に開かれた中国・四国地方の大学生が参加する大会では、ダブルスで優勝していました。

そして、中学生のときに出会った先生に憧れて教師を目指したということで、今月6日には岡山県の教員採用試験に合格し、来年春から中学校の数学教諭として働くことを楽しみにしていたということです。

同じテニスサークルに所属し、亜美さんと毎日のように一緒に過ごしていたという4年生の女子学生は、「まだ信じられない。なぜ事故が起きたのか知りたい」と泣き崩れていました。

また、同じ教育学部の4年生の男子学生は、「講義中、一生懸命にノートを取っていた姿が印象に残っています。来年の春から先生として一緒に働けると思っていたのでとても悲しいです。なぜこんな事故が起きたのか明らかにしてほしいです」と話していました。

道路上で停止したらハザードランプや発炎筒を

全国の高速道路会社などによりますと、高速道路上で回収された落下物は平成27年度、全国でおよそ31万6000件に上りました。

茨城県つくばみらい市にあるNEXCO東日本の管理事務所には、管轄する高速道路で見つかった落下物が集められています。この2週間ほどで回収された大小20個余りの落下物が保管されていて、なかには大きさが2メートル以上ある脚立や材木、それにクーラーボックスなどもあります。

担当者が、多い場所では1日に十数回のパトロールを行っていますが、毎日のように落下物を回収しているということです。NEXCO東日本によりますと、小さな落下物であっても驚いたドライバーが急ハンドルを切るなどして事故につながるおそれがあるということで「落下物を見つけたときは無料の道路緊急ダイヤル『#9910』に至急、連絡してほしい」としています。

そして、万が一、落下物に接触するなどして道路上で停止してしまった場合は「ハザードランプや発炎筒で合図をしたうえで、運転者も同乗者も後続車に注意しながら車から離れて、ガードレールの外など安全な場所に避難してほしい。車内や車の近くで待機するのは非常に危険です」と話しています。