- セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky
- 2017年9月23日(土) 11:25
10月1日(現地時間、以下同)に行われる住民投票の結果次第で、カタルーニャは72時間以内、つまり10月4日までにスペインからの独立を強行する可能性がある。
その兆候はFCバルセロナがカンプノウでプレーする際、17分14秒になるたび「インダパンダンシア(独立)!」コールがスタンドに響き渡るようになった数年前からあった。
17分14秒が指し示す1714年は、スペイン継承戦争でバルセロナがフランス・スペイン連合軍に攻め落とされ、カタルーニャが自治権を失った年だ。そしてカタルーニャの人々にとってFCバルセロナは、自分たちのアイデンティティーを象徴する存在であり続けてきた。
カタルーニャが10月4日に独立を宣言した場合、フットボール界では何が起こるのか。現段階においてもその問いに対する明確な答えは出ていないが、その後の道のりを指し示す要素はいくつか存在する。
スペイン代表も大きな影響を受けることに
第一に影響を受けるのはスペイン代表だ。スペインが世界の第一線に君臨してきた過去10数年、とりわけ初優勝を果たした2010年のワールドカップ(W杯)においては、ビクトル・バルデス、ジェラール・ピケ、カルレス・プジョル、セルヒオ・ブスケッツ、シャビ・エルナンデス、セスク・ファブレガス、ジョアン・カプデビラら多数のカタルーニャ人選手が“ラ・ロハ(スペイン代表の愛称)”の中核を成していた。
だがカタルーニャが独立した場合、これらの選手はスペイン代表でプレーする権利を失い、これまで年末の伝統行事となっていたカタルーニャ選抜でのプレーに専念することになる。
スペインフットボール歴史統計センター(CIHEFE)のホセ・マリア・デル・オルモ副会長は、カタルーニャの独立後も、バルセロナやエスパニョル、ジローナらがラ・リーガに所属し続けることは認められず、カタルーニャ内のコンペティションで戦うことを義務付けられる可能性を指摘している。カタルーニャフットボール協会のアンドレウ・スビエス会長も同様の考えだ。90年代に旧ユーゴスラビア連邦が解体した際も、各クラブは独立した母国の新リーグへの所属を義務付けられたからである。
ポンペウ・ファブラ大学の専任教授であり、スポーツに関する法律研究機関である「イウスポルト」のメンバーでもあるホセ・ルイス・ペレス・トリビニョの見解は明確だ。
カタルーニャ代表が国際大会に参加するためには、欧州サッカー連盟(UEFA)の承認を得る必要がある。そしてそのためにはまず、カタルーニャがいち国家として国際連合の一員となる必要がある。バルセロナやエスパニョル、ジローナといったクラブも同様に、カタルーニャの独立後もラ・リーガに属したければ、UEFAとスペインフットボール連盟(RFEF)の承認を得なければならない。
だが、たとえUEFAとRFEFの承認を得たとしても、バルセロナやエスパニョル、ジローナらが外国のクラブとしてラ・リーガでプレーすれば、これらのチームがスペインでのアウェー戦に出向くたびに地元ファンとの間にトラブルを抱えることになるだろう。