日銀がオペで神戸鋼債を購入か、平均レートが急上昇-市場関係者
日本銀行が19日行った社債買い入れオペで、平均レートが急上昇した。市場関係者の間では、製品データの改ざん問題で価格が急落(利回りは急上昇)している神戸製鋼債が買われた可能性があるとの見方が浮上している。
同日行われた月1回の社債オペ(買い入れ額1001億円)の結果は、平均レートが0.155%となり、前回9月の0.035%を大幅に上回り、2013年12月以来の高水準となった。神戸鋼の19年5月償還債の対国債スプレッドは18日時点で333ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、問題が発覚する前の6日(35bp)の約10倍に拡大していた。
みずほ証券の大橋英敏チーフクレジットストラテジストは、オペ金利の急上昇を受けて、投資家が神戸鋼債を日銀オペで売却した「可能性はある」と述べた。日銀が購入したとしたら、同社債価格は上がる可能性があるとしている。オペ対象となる残存年限1-3年の同社債は460億円ある。
同社は8日、顧客の製品仕様に適合させるため、強度などの検査証明書のデータを書き換えて出荷していた事実が判明したと発表。その後も新たに不適切な行為があったことが次々と判明し、13日には問題製品の納入先は計500社に拡大したと発表していた。
同社は27日に既発債200億円の償還期限を控えており、流通利回り急上昇で新発債による借り換えは困難な状態に陥っていた。