たぬき暮らし

ゆとりある生活を送りたい医療事務。

パワハラ上司のメンタルがおぼろ豆腐並みに弱かった話

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ゆとり世代だけにゆとりある生活を送りたい。キスケです。
 
就職して最初に配属された部署に、「これぞパワハラ上司の鏡」というレベルのパワハラ上司がいました。その上司は気に入らない職員にいやがらせを繰り返し、何人も辞めさせました。
しかしその上司、実はメンタルがおぼろ豆腐並みに弱く、軽く反撃されたことをきっかけに精神を病み、退職しました。

今回は、そんなパワハラ上司のことを記事にしてみました。

2017年10月14日 全面更新

目次

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配属初日のできごと

僕はとある総合病院に事務として就職し、約1ヶ月間のローテーション研修をやったあと、配属先が発表されました。

配属先は10人程の部署で、40代後半の課長、50代前半の係長がいました。この50代前半の係長が件のパワハラ上司です。
※おぼろ豆腐メンタルなので以後「おぼろ係長」と呼びます。

さて、配属初日、朝礼で僕はよくあるしょーもない挨拶をし、なごやかなムードで迎い入れられると思いきや、朝礼の最後でおぼろ係長が一言、
「ゆとり世代は打たれ弱いからあんまりいじめすぎないようにしないといけないな~」
「こ、こえええええええええええええ」 配属初日にもかかわらず、見事に僕はビビリ倒してしまいました。

他の職員はその発言を聞いてもオール無視。マジかコイツら...。

ちなみに、同じ部署には30代後半以上のオッサンしかいませんでした。若い人もいたそうなのですが、おぼろ係長が原因で退職してしまったそうです。

「自分の身は自分で守るしかない」、そう思ったのでした。

パワハラ上司の手口

僕はその部署に2年間いましたが、その間に2名の先輩がメンタル不調になり退職しました。
それ以前の期間も含め、何人もの職員をやめさせたおぼろ係長の手口をまとめます。

1.ターゲットは自分の好み以外の人、ミスが多い人、反撃しなさそうな人

おぼろ係長は同時期に複数の人に対して攻撃することはありませんでした。

標的は常に1人。選ばれていたのは、男性またはおぼろ係長の好みでない女性、見た目や態度が弱そうな人でした。

2.みんなの前で注意する

標的を決めたおぼろ係長は、わざとその人をみんなの前で注意するようになります。注意される理由は取るに足りない小さなミスだったり、その人特有の言動だったり。
「同じようなことは他の人でもあるのに、なんで自分だけ?」とか「今まで何も言われなかったことが何で今になって注意されるの?」と、標的にされた人は戸惑いますが、言い返す勇気がないのと、軽い注意から始まるので抗議するタイミングがよくわからず、何も行動できない状況が続いていきます。

3.単調な仕事しか与えない

おぼろ係長は、みんなの前で注意することを続けて、「標的にされた人がいつも注意されている」という状況を作り出します。
中には、「あいつはいつも怒られているから仕事ができない」という考える人や、おぼろ係長に同調する人も出てきます。

そうなってくると、「お前にはこのくらいの仕事しかできない」と徐々に難易度の低い単調な仕事だけやらせるようになります。既に自信を失くしている人はおとなしく従いますが、もちろん不当だと抗議する人もいます。しかし、「いつもミスをしているお前に、今の仕事は任せられない」と取り合ってもらえず、他のメンバーからのフォローもないことがわかると、諦めます。

4.いきなり大きな仕事をやらせてミスを誘発し、激怒

単調な仕事だけ与えられ、毎日のように注意されることが続くと、標的にされた人はどんどん自信を失くしていきます。

おぼろ係長は、最終段階として、その人がやったことのない仕事をやるように指示します。難易度はそんなに高くないのですが、自信を失くしている人には難しく見えます。
引き受けるのをためらったり、引き受けたものの少しでもミスをすると「こんなのこともできないのか!!」と大声で怒鳴り付けます。

こうなったら最後で、標的にされた人は毎日のように難癖を付けられて、全員の前で怒鳴られます。
人格否定、無視、その人にだけ連絡事項を伝えない、仕事を与えない等、色んな嫌がらせを受けているのを見ました。

1人の先輩は、もともと決まっていた会議に「そんな意味のない会議に出てどうするんだ」とか、「大安に休みを取るな」とか、滅茶苦茶な理由で怒られていました。

そして、耐えられなくなった先輩達は、辞めていきました。

なぜパワハラをするのか?

おぼろ係長がパワハラするようになったのは、離婚して一人暮らしをするようになってからだそうです。仕事もできるタイプではなく、普通なら45歳までには課長になる人が多い中、50歳になっても係長で、後輩にどんどん先を越されて、その劣等感は相当なものだったと思います。
私生活でも仕事でも、認めてくれる人が誰もおらず、承認欲求に飢えていたんだと思います。雑談でも、話すことは、誰かの悪口や自慢話ばかりでした。

まあ、それがパワハラしていい理由にはならないし、全部自業自得なんですけどね。

なぜ助けないのか?

パワハラの被害者をなぜ助けないのか、そう思う人もいると思います。

自分がターゲットにされたくない

僕のいた部署は、一度配属されたらなかなか異動しない部署で、長い人では20年近く異動していませんでした。おぼろ係長も15年間同じ部署で働いていました。
これから何年一緒にいるのかわからないので、ターゲットにされたくない、僕も含めそう思っている人が多かったと思います。

助けるに値しない

これは僕だけの理由です。
おぼろ係長のパワハラに対して、ターゲットにされている人以外は、皆見て見ぬふりか、一緒になって嫌がらせをするかのどちらかでした。僕が知る標的にされた2人も、もともとはおぼろ係長のご機嫌を伺い、同調するタイプでした。
僕が就職する前、若い先輩がおぼろ係長のパワハラに遭い辞めてしまったそうですが、そのとき、この2人も一緒になって嫌がらせしていたみたいです。

「自業自得だろ」と僕は心の中で思っていたのでした。

課長がことなかれ主義で、パワハラがある事実を隠していた

おぼろ係長は、課長よりも5歳以上年上でした。
課長は年上の係長にやりにくさを感じているのか、パワハラを目の前で見ていても放置していました。

うちの部署でパワハラがあることは病院全体でうわさになっていましたが、課長が管理職に呼び出されて面談しても「そんな事実はない」と頑として認めませんでした。

パワハラ上司が退職した理由

さて、嫌がらせするには最適な環境で、悠々自適なパワハラライフを送っていたおぼろ係長は、なぜ退職したのでしょうか。

僕が2年目になった5月、1年目の後輩が配属されてきました。後輩が配属されて半年ほど経ったころ、そのとき標的にされていた先輩が退職し、後輩がおぼろ係長にロックオンされました。
ビビりながらも、後輩と僕の2人で何度か反抗すると、おぼろ係長は何も言ってこなくなりました。
その様子を見ていた先輩達が、おぼろ係長を無視したり、あからさまに反抗的な態度を取るようになりました。おぼろ係長は仕事を休みがちになり、うつ病になって休職、最終的に退職しました。

あれだけパワハラしていた人のメンタルの弱さ、先輩達の変わり身の早さに衝撃を受けました。

パワハラ上司退職後の部署の雰囲気

おぼろ係長が退職して数ヶ月で僕は別の部署へ異動となりました。
現在のその部署には、補充として新人が2人配属されましたが、後輩をはじめメンバーに変わりはありません。パワハラする人はいなくなりましたが、雰囲気は特に良くなってはいないようです。

まあ、あくまで職場は仕事をする場所なので雰囲気が悪くても仕事が回ればいいと思いますけどね。
後輩同士は仲良くやっているので良かったです。僕もときどき一緒に飲みに行っています。

自分がパワハラに遭わないためには

パワハラする人はすべからく、人間性が未熟であることは間違いありません。
おぼろ係長はさすがにメンタルが弱すぎたかもしれませんが、パワハラする人は割とメンタルが弱い人が多いのではないかと思います。

そういう人に対しては、「コイツはやり返してくるタイプだ」と思わせることがパワハラ防止になります。
もし既にパワハラに遭っていて、おぼろ係長と共通するポイントがあったなら、勇気を出して、実際にやり返してみてください。状況が良くなるかもしれません。

パワハラに限らず、嫌がらせする側には、「やる以上は、自分が同じことをされるリスクがある」ことを自覚して欲しいものです。


そして、嫌がらせと戦ってまで所属するほどの価値のない会社なら、いっそ辞めてしまってもいいと思います。

comicoで連載されている「世界はハッピーエンドでできている」という作品の「誰も不幸にならない不思議の国のアリス」という回で、こんな台詞が出てきます。

星の数ほどある会社の一つに忠誠を誓う必要はない
ただ自分の人生から逃げてはいけない

覚えていてください
君の人生の雇い主は君だ

ということで、いい話で終われましたね('ω')