あぁ…恐れてた事態になってしまった…。

僕はいま日本に住んでいるために、その放送自体や新聞を見ることは出来なかったが、例の都議会での最低の発言や雰囲気が…世界を舞台に報じられ始められているらしい。

◆「セクハラではなく、女性への差別」都議会やじ世界も批判(スポーツ報知)

http://www.hochi.co.jp/topics/?from=pcnav

僕のファンの方々の中にもアメリカ在住の方がおり、その中の何人かが教えてくれていたが、日本の恥である例の都議会の話がこの記事によると、よりによってアメリカではCNNが特集を組むほか、あのウォールストリートジャーナルが塩村議員のインタビュー記事を掲載。ロイターやAP通信まで報じ始めてしまった。参った…。超一大ネットワークだ…。
イギリスでは大メディアであるガーディアン紙が特集。見出しでは「SEXIST ABUSE(差別主義者による暴言)」などの批判的な言葉を使われ、都議会、衆参両院でも女性議員の数が少ないとして「日本における女性の低い地位を反映している」とその実態を紹介されてしまった。

要は日本が世界的にみると「単なる女性蔑視国家だ」という事がかなり大々的に世界に宣伝されてしまったってことだ。

僕は今回程度の話であれば、そこまでは取り上げられることはないだろう、とタカをくくっていた。所詮都議会でしかないし、そもそも日本という国が、世界的に見れば、「オタク」で「スケベなおっさんがうじゃうじゃいる国」ってことは、もう周知の事実なので、今回、わざわざ取り上げないだろうと考えていた。

僕の前回のブログでも(→「恥さらしな東京都議会」http://blog.livedoor.jp/hasegawa_yutaka/)書いたが、僕は今回の件が世界に報じられていなかった事を本当にホッとしていた。これは昔の僕のメルマガでも指摘したことだが、日本は世界から見ると、少し…変な目で見られていることが少なくない。

特に自立した人間が当然と考えられているアメリカなどから見ると、大の大人がAKBの総選挙にひゃーひゃー言ってる姿はかなり気持ち悪く映る。日本では「アイドル」って言葉を普通に使うのだが、そもそも、英語で「アイドル-idol-」という言葉は…かなりネガティブなシーンにも使われることの多い言葉であり、ただの「偶像」というか…「操り人形」というか…要は「自分の意思を持たない…」的なニュアンスを含んだ言葉だったりする。

基本的に世界のシーンでリスペクトされる同じような立場の人たちは「アーティスト」と呼ばれるか「ミュージシャン」と呼ばれるのであって、「操り人形」でしかない「アイドル」に対してギャギャー言ってるのって

「geek(ギーク)=オタク」

と呼ばれ、モテない男性の象徴であり、少なくとも、尊敬の対象にはなりにくい立場に置かれる。で、日本の男性って…とにかく、そのgeekが多いという事はかなり有名だ。


もともと、日本のオタク文化はよせばいいのにけっこう世界に知られてしまっているので、僕は今回のケースは世界のマスコミは見逃してくれると思ってたのだが、CNNが特集ってのはけっこうまずい。かなり世界的に紹介されてしまったと見た方がいい。本当に悲しく恥ずかしい。

日本に住んでいれば、世界の目線は気にしないで済む。それくらい日本は独特のガラパゴス的文化をたどってきてるクニだ。でも…特に、女性に対する認識や男性の尊敬の念の全くない態度を見ると、2020年を心配する人も少なくない。

そう。世界中の目にさらされるのだ。TOKYOは。

女性の社会進出なんてほとんど理解もされず、10代の女の子がブリブリの制服を着て踊っている姿に大の男が熱狂し、電車に乗ったりコンビ二に行けば、子供のような顔をした女の子が胸を寄せて、誘うような目でこちらを見ている写真が氾濫している…子供たちが普通に目にするところにエッチな本が置かれまくってる、そんな姿が世界に報道されることだろう。

いいんだが…。もちろんそんなもの、クニそれぞれの文化だって言葉は…正論なんだが…。でもそれって、世界的に見れば、本当に本当に恥ずかしいことだったりする。

もちろん、基本的には日本人は悪くはないと思う。だってそんな文化だし。誰も注意してこなかったろうし。でも、そんな…世界的にハレンチなことが当たり前のように氾濫している文化が積み重なって、去年などは十分に影響力を持つ地方自治体の首長が、アメリカの軍人さん相手に平気な顔で

「アメリカ人も、もっと日本の風俗を活用してくださいよぉ」

と言い放ってしまった。

絶対に彼は悪くない。だって、正論だし。日本では、普通にされてる会話なんだろうし。実際、アメリカ軍人による性犯罪起きてるし。何度も。
でも、問題なのは、アメリカにおいて、軍人さんとはそりゃあもう、とてつもなくリスペクトされる存在であり、その存在に対し「シモの話」をするなんて、非常識すぎるって「知識がなかった」ことだ。

ここは怖い。「無知だったこと」は怖い。

今回の議会だって、同情しようと思えば出来なくもない。

僕は小泉政権以来、政治のニュースが視聴率を取れることに気付いた情報番組の意向で、政治記者の皆さんと共に政治取材を7年間も続けてきた。
1年は365日だが、手帳を見ると、毎年のように120日以上、永田町周辺での取材を重ねてきている。要は3日に1日以上は取材してたってことだ。平日に休日が取れることが分かったら休み返上であまりテレビに映らない委員会の取材などにあけくれていた。

はっきり言えることは、あんな野次、日本の政治の世界では日常だって事実だ。

都議会の取材はほぼ行ってないが、偉そうに国会の自称偉いさんの議員どもが
「ひどいですね~」
「名乗り出た方がいいですね~」
とかぬかしてるらしいが、どこの口がぬかしてるのか、と言いたくなる。関西流のボケか?ツッコミ待ちのボケか?それは。国会の議会でも委員会でも、下品でアホらしくなる野次なんて日常だろ。国会の、中央の議員どもは、偉そうな顔してるヒマがあったら、まず、国会の中のグースカ寝てる議員どもの方をなんとかしろ、と言いたい。

いや、国会議員に毒づいてもしょうがない。話がそれたが、とにかく、今回のヤジ問題って実は結構根が深くて、根本のところは前回のブログにも書いた通りで

日本の男って、世界から見たら本気でヒンシュクなレベルで女性を蔑視してる

って所だ。結婚して当たり前、とか、子供産んで当たり前、とか。そんなもん、一人一人の自由だ。しかも、それらって当事者にはとってもデリケートな問題で、そんなものは世界的には絶対に口に出して言う事じゃない。こんな低レベルの事を、いまだに意識の中で徹底できてない状態で、本気で、あと6年で「おもてなし」するつもりでいるのが怖すぎるのだ。
日本の男どもが…例えば6年後、海外から来た女性記者がドアの前に歩いてきたとする。そこに気付いて、ちゃんとドアを開けて、その女性が通り過ぎるまでドアを開けて待ってられるのか?そんな程度、アメリカじゃあ、小学生が出来る事だが日本の男にそんなこと、出来るのか?最低レベルのマナーだ。

世界が正しいとは思わない。
日本の文化はそれはそれでいいと思う。

でも、「世界基準」をちゃんと「知識」として知ってないと、6年後、ガチで恥をかく。だって呼んだの、日本だし。来てくれって招致活動したのだし。
マナーの悪さで有名なのは中国だが、それに並んで「女性蔑視のオタク国家ニッポン」と笑われたくない。今回のヤジ問題は、実はそんな不安を突きつけられたような、そんな事態だったと思う。