2017年9月1日に民進党の新代表に就任した前原誠司氏は、安倍晋三首相が(臨時国会開始時に演説もせず)衆議院を解散し、選挙戦に突入した際、小池百合子東京都知事が設立した新党「希望の党」と合流し、事実上の解党を宣言しました。
当初は安倍首相に対抗するために、「名を捨てて実を取る」作戦で合流するものと思われていましたが、この合流過程で、小池氏及び希望の党側が旧民進党側の候補者の「選別」を行い、リベラル系は排除すると明言されました。
これに反発した、少し前に代表選を戦った枝野幸男氏らが反発し、枝野氏は新党「立憲民主党」を設立。社会民主党や日本共産党などとも選挙協力を行い、「自民・公明対希望・維新」の構図に対し第三極として打って出ました。
かねてから右派系も左派系もごちゃ混ぜで「野合」とも批判されてきた民主党・民進党。特に自民党が下野後から政権再交代を経て、現在に至るまで保守・右傾化を強めていったのとは対照的でした。他方で民主党・民進党はリベラル派市民の「受け皿」になるように一部の論客から言われてきました。
しかし、民主党・民進党はどのように論じられてきたのか、ということについて把握している人はあまりいないように思えます。
民主党やその政策を扱った専門的な研究としては、御厨貴編著『「政治主導」の教訓——政権交代は何をもたらしたのか』(勁草書房、2012年)や、竹中治堅編『二つの政権交代——政策は変わったのか』(勁草書房、2017年)などがありますが、民主党・民進党をめぐる「言説」についての研究はあまりなされていないようです。
そこで今回は、拙稿「『稲田朋美』とは何だったのか?もてはやされた『保守政治家』の凋落」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52947)で用いたテキストマイニングを使って、読売新聞と朝日新聞の2紙の社説を分析してみたいと思います。