担任ら叱責で自殺＝中２男子死亡―福井・池田町

　福井県池田町教育委員会は１６日までに、今年３月に町立池田中学校２年の男子生徒＝当時（１４）＝が死亡したのは自殺だったとの報告書を公表した。原因は課題提出の遅れなどの理由で担任と副担任から立て続けに強い叱責を受け、精神的なストレスが大きく高まったことによるものと結論付けた。

　いじめが疑われる事実はあったが、「生徒の悩みは担任、副担任の指導叱責にあり、いじめによる自殺ではない」と判断した。

　町教委や報告書によると、生徒は３月１４日朝、登校後に校舎北側で倒れているのが見つかり、その後死亡が確認された。現場の状況から校舎３階の窓から飛び降りたとみられる。

　報告書は生徒について「真面目で優しく努力家だが、対人関係が器用ではない一面もあり、傷つくことも多かったと思われる」と指摘。「生徒の性格や行動の特性、気持ちを理解しないまま、担任は大声で叱責するなどし、副担任は執拗（しつよう）な指導を繰り返した」と認めた。

　担任と副担任はいずれも３０代で、学校内では若手だった。生徒会の役員を務めていた生徒は、担任から１月か２月ごろ「お前辞めてもいいよ」と大声で叱責を受けることもあったという。

　町教委は４月、原因究明のため学識経験者や弁護士でつくる調査委員会を設置。全教員や生徒への聞き取りなどを行い、１５日に報告書を公表した。

　池田町教委の内藤徳博教育長の話　学校の対応に問題があった。生徒の特性にあった指導方法を取るべきだったと深く反省している。