平成29年10月
北朝鮮問題キャンペーン
秋山昌廣
SSDP代表
秋山アソシエイツ代表
10月10日から衆議院総選挙が始まった。安倍首相は「国難突破解散」と言い、北朝鮮問題に多く言及している。 しかし、そこには間違った考えがあるので、国民の安全を確保する観点から、以下のキャンペーンを行いたい。
1 政府の採っている制裁強化・圧力一辺倒、しかも軍事行動をも排除しないという対北朝鮮強硬姿勢は、 日本に対する北からのミサイル攻撃の可能性が出てくるなど現実に日本の安全保障、国民の安全に深刻な危険をもたらしている。
2 まず今は、日本自身が十分な抑止力の確保のために全力を傾けるべきである。 ミサイル防衛体制に万全を期し、要すれば米国からTHAARDを緊急輸入し配備するほか、 ミサイル攻撃に対するカウンターアクションの体制を整備すべきである。 同様の立場にある韓国は全てこれらを行っている。
3 米朝対立のエスカレーションがこのままさらに進めば、それだけ誤解や誤算による偶発的な軍事衝突の可能性が高まるだろう。 そうなれば、それは第二次朝鮮戦争に発展し、韓国のみならず日本にも悲惨な戦禍をもたらす。 このため、少なくとも米側から軍事力を行使すべきではないという考えを、日本としても明らかにすべきである。
4 北朝鮮問題の解決のためには、まず米朝双方がいったんここで立ち止まることが不可欠である。 次に入念に計画された辛抱強い外交と対話が必要になる。
北朝鮮に対する制裁はさらに進めつつも北を対話に導き、 南北朝鮮の長期的かつ安定的な共存を定着させて平和統一への道筋を示すべきである。 この地域の平和を国際的に管理できるようになって初めて、朝鮮半島の非核化が実現できるだろう。 これには、長期間を要することを覚悟しなければならない。
5 日本の役割は、この地域の平和と安定を保障する国際システムを構築することに、全力を挙げて外交活動を展開することである。
(以上)
- 29年8月、細谷雄一執筆の「欧州政治情勢の展望と日本外交への示唆」を発信。
- 29年8月、関山健執筆の「経済相互依存と政治関係―日本と中国‐国交正常化45年の変化と今後―」を発信。
- 29年7月、松田康博執筆の「トランプ政権の中台関係に与える影響」を発信。
- 29年6月、川島真執筆の「大国米中関係の展望と日本外交への示唆」を発信。
- 29年5月、安全保障外交政策研究会として、緊急提言「不都合な真実に直面してー 朝鮮半島の平和と非核化のための政策―」を行う。主査小此木政夫。
- 29年3月、伊藤元重執筆の「トランプ政権の経済的影響について」を発信。 第3回SSDP研究会(2017/1/23) 議事概要「演題:アベノミクスとトランプ政権」を付録として掲載。
- 29年1月、渡部恒雄執筆の「トランプの外交安保政策の方向性―大統領の特異な性格と現実的な閣僚選択との相互作用の行方―」を発信。
- 28年12月、小此木政夫執筆の「北朝鮮政策の再検討─分断国家の核武装にいかに対処すべきか─」を発信。