【格闘技】<月刊ドラゲー>驚異の47歳王者 望月成晃2017年10月18日 紙面から
9月18日に行われた首都圏最大のビッグマッチ、東京・大田区総合体育館大会でドラゴンゲートを象徴するオープン・ザ・ドリームゲートのベルトが動いた。絶対王者といわれたYAMATOを破り、5年9カ月ぶり3度目の王座に返り咲いたのが、望月成晃(47)だ。ドラゲー内で最年長だが、全く年齢を感じさせないファイトスタイルは驚異的。とどまることを知らないアンチエイジングレスラーの秘密に迫った。 (聞き手・仲田美歩) -望月選手といえば空手仕込みのキック 望月「実は空手を始めたのは遅くて、23歳から。幼稚園のころは剣道、小学校では野球、中学ではバレーボール、高校はレスリング、そして空手へと続くんですよ」 -いつからプロレスラーを目指そうと 「もともとプロレスファンで、レスラーになりたいという夢はずっとあったんですが、そのころは入門条件が身長180センチ以上の時代で、あきらめていました。高校を卒業してからは5年間、トラックの運転手をやったり、草野球をやったり。やがて時代はK-1など格闘技の全盛期へ。そこで空手もいいなと思い始めたんです」 -プロレスは誰のファンでしたか 「最初よく見ていたのは新日本プロレス。アントニオ猪木、タイガーマスク、長州力…。前田日明選手も好きでしたね」 -プロレスラーになっていなかったら… 「うーん、そのままトラックの運転手かも。当時はバブル期で、結構稼ぎましたよ。18歳でマイカー持ってましたからね。少なくともレスラーの初期のころよりは全然よかったね(笑)」 -グルメとしてもプロレス界では有名 「嫌いな物がない。パクチーも内臓系も大丈夫です。最後の晩餐なら、すし! それもうまいマグロの赤身がいいね。YAMATO(調理師免許あり)ほどの腕はないけれど、自分でも作りますよ。カレー、シチューなど煮込み系が得意。市販の物に何かを足すのが自分流」 -入場曲も自ら歌うほど歌がうまい。カラオケの十八番は 「基本は80年代のジャニーズです。田原俊彦や光GENJIは大体いけます」 -コスチュームの面積がだんだん小さくなっています。どこまで小さくなりますか 「ここまででしょうね(断言)。初期のころは空手着で30歳まではタンクトップも着ていましたよ。小さいパンツだと処理がめんどくさそうで…いやです」 (確かに! デリケートゾーンのお手入れが大変そう) -自分の体で好きな部分、そうでない部分は 「気に入ってるのはボコッと浮き出る上腕三頭筋。どうにかしたいのが胸に筋肉がなかなか付かないこと」 -47歳という年齢を感じさせない。他人と比べて、俺って若い、と感じることは 「中学時代の同級生と会うと、『みんなふけたなあ』とつくづく感じますね。先日英国遠征があって、そこで出会ったプロモーター兼レスラーの男性なんですけど、ヒゲを生やして体形もでっぷり。自分より少し上か同じくらいかと思っていたら、11歳も年下だったんですよ! 向こうも俺の年齢を知って驚きを通り越してあきれていましたけど(笑)」 -反対に、俺も年取ったな、と感じることは 「疲れや痛みが取りづらくなった。今年に入ってからは視力もぼやけてきた。もしかしたら老眼きてるかも。スマホの画面を片目をしかめて見るようになってきたし」 -いつまで現役を続けようと 「50歳がめどになるかなと思ってはいます。自分の中でこう引退ができたらという筋書きはありますけど…」 (50歳を過ぎても全然いけそうですけどね) -ドリームゲート王者として、今後の防衛ロードに意気込みを 「取った時がピークにならないようにしないといけない。ベルトは守るほうが大変。過去の防衛戦よりも、今後は一層過酷になるでしょう。でも47歳のオッサンが取れたんで、みんなも『俺もいけるんじゃないか』と思ってくれればいいかなと」 ここで大のモッチーファンを公言し、インタビューに同行してきた本紙イラスト担当の菅原真紀記者も、たまらず質問。 -特に女性ファンに向けてアピールしたいことは 「ウーン…。(しばらく考え込み、結局答えず)」 (その場で適当なこと言わないのがモッチーらしくていいですね) ◆仲田の独り言ただのイケメンというより、チャラチャラしていない芯の通ったイイ男。先輩から信頼され、後輩からは慕われるって感じでしょうか。大田区大会で試合後に汗まみれでサインする男らしい姿に「やっぱりステキ!」と、魅力を再確認いたしました。体を絞って体形をキープ。むしろ昔よりも若く感じます。最年長だけれども、気負わず自然体のモッチー。その裏には人一倍の努力と鍛錬の日々が隠れているようで…。トラックの運転手を続けていたなら、きっと食堂のオバちゃんから人気で、「お兄さん、カッコいいからサービス」と一品付けてくれそう。私も、きっとそうする! ◆11月に初防衛戦望月は現在、所属するユニットはなし。11月3日のエディオンアリーナ大阪大会でドリームゲート王座の初防衛戦が行われる。挑戦者は元ジミーズの横須賀ススム。 <望月成晃(もちづき・まさあき)> 1970(昭和45)年1月17日生まれ、東京都江東区出身の47歳。175センチ、85キロ。東京・足立学園高(旧足立高)を卒業後、94年1月にWARでデビュー。ドラゴンゲートではヒールとして暴れたが、現在はベテランの一人として若手の壁に。オープン・ザ・ドリームゲート王座に合計3度就いたほか、ツインゲート王座、トライアングルゲート王座も獲得。得意技は三角蹴り、ツイスター(きりもみ式ブレーンバスター)。
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