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PET検査とは?活用してがんの早期発見に役立てよう!

公開日 2017 年 07 月 21 日 | 更新日 2017 年 10 月 13 日

PET検査とは?活用してがんの早期発見に役立てよう!
佐藤 俊彦 先生

宇都宮セントラルクリニック 代表理事

佐藤 俊彦 先生

PET検査とは、特殊な放射性薬剤を注射した後に専用の装置(PET-CT)で撮影することで、病気の状態を調べる検査のことです。栃木県宇都宮市にある宇都宮セントラルクリニックは、がんや認知症パーキンソン病に対する検査にこのPET検査を導入しています。

宇都宮セントラルクリニック理事の佐藤俊彦先生に、がんの検査や診断に対するPET検査の有用性について教えていただきました。

※本記事内では、冒頭の解説を除きPET検査で使用する薬剤のことをFDGに統一して表記しています。

※本記事内でご紹介するPET検査とは、18F-FDGを用いたFDG-PET検査のことです。

がんに対するPET検査とは-PET検査でわかること

がんに対するPET検査の仕組み

がん細胞は非常に活発なため、正常な細胞や良性腫瘍よりも多くのブドウ糖を消費します。PET検査とは、がん細胞のこの性質を利用してがんの発見を試みます。

具体的には静脈から放射性薬剤を注射し、それを専用の装置で撮影・検出することで、その放射性薬剤がどのように移動するかを確認します。がんが発現するとその部位に放射性薬剤が集積するので、これを発見・確認できるという仕組みです。

PET検査では、ブドウ糖に放射性同位元素(18F)で印をつけた(印をつけることを標識といいます)FDGがよく利用されます(FDGを使用したPET検査のことを、FDG-PETと呼びます)。現在PET検査といえば大半はFDG-PETを指しますが、検査目的に応じてC(炭素)N(窒素)O(酸素)などで標識した放射性薬剤を使用する場合もあります。

PET検査のメリット-ブドウ糖の集積をみるため CTやMRIでは発見できない小さながんも発見可能!

お話ししたようにPET検査はブドウ糖の代謝を利用した検査です。そのため、人体へX線を当てるCT、磁気を利用するMRIといった画像診断にはないメリットがいくつかあります。

PET検査なら早期がんも発見可能!

PET検査での早期がん画像

宇都宮セントラルクリニックご提供

PET検査では、小さながん組織を発見可能です。

一般的な進行がんの場合、1cmの大きさになるまで10~20年かけてゆっくりと成長し、その後急激に大きくなります。そのため、がんの治療には早期発見が非常に重要になりますが、がん組織は小さければ小さいほど判別が困難で、発見率は低くなります。PET検査では小さながんをも発見できることもあるので、がんの早期発見・早期治療には有効だといえるでしょう。

PET検査なら腫瘍の悪性・良性を判定できる!

宇都宮セントラルクリニックご提供

CTやMRIで見つかった病変が良性か悪性かを調べられるのも、PET検査の特長といえるでしょう。

ある女性患者さんに対しCT・MRIを実施したところ、CTでは子宮筋腫を、MRIでは子宮内膜の肥厚と子宮筋腫を認めると同時に、子宮底部に腫瘍があることから、当初は変形した子宮筋腫あるいは肉腫との所見でした。

ところが、この患者さんにPET検査を実施した結果、子宮にFDGの集積を認めたのです。これは子宮にがん細胞があることを意味しています。特にMRIとPETの合成画像では、子宮内膜の肥厚した部分に強い集積を認めました。

この検査結果が決め手となり、この患者さんは子宮体がんと判断されました。後日この方が手術を受けたところ、7mmの子宮体がんを確認されたとのことです。

PET検査は不要な検査を避けることにつながる

がんが疑われる場合、CTやMRIなどを使用して組織や腫瘍の形を調べる形態診断を行ないます。それでもがんの疑いが残るときは、生検組織診断を実施して組織の病理的な変化の有無を確認し、総合的に診断を下します。

PET検査は通常の画像診断ではわからないブドウ糖代謝を調べる検査すなわちがんの代謝を調べる検査であることが特徴です。つまり、形態診断だけでは判別が難しいケースでも、ブドウ糖の集積具合を調べることで生検組織診断をすべきか判断できるのです。

また生検組織診断は、検査を受ける方の体に針を刺して組織を採るため痛みを伴うだけでなく、検査自体にもリスクがあります。

なるべく不要な検査を避けつつ、組織診が必要な方を見逃さないようにするためにも、PET検査は有用だといえるでしょう。

PET検査では1回の検査で全身をチェックできる

PET検査で使用するFDGは全身に行き渡るため、1回の検査で全身を調べることが可能で、がん細胞の全身への転移の有無も確認できます。

がんは、他の部位への転移が確認されるとその時点でステージ4と診断されます。一方、PET検査でがんの転移がないことが確認されればステージ2(ときにはステージ1)へと、ダウンステージングすることもあります。

がんと診断された患者さんがPET検査を受けると施術方法や治療方法が変化するケースが多く、全体の約40%にのぼるともいわれています。

がんのステージングは、その後の治療計画や方針に大きな影響を与えるので、正確な診断が重要です。がんと診断されたすべての患者さんがその後、適切な治療を受けるためにも、PET検査を是非受けていただきたいと考えています。

PET検査では、がんの再発も監視可能

宇都宮セントラルクリニックご提供

PET検査は、再発の可能性を調べる検査としても非常に有用です。

がんの再発を目的とする場合、半年に1回程度の頻度で検査することが望ましいです。再発やがんの進行が見られないときは異常なしと判断しますが、半年後で状況が変わることもあるので、油断は禁物です。

検査で使用するFDGにアレルギー症状を起こす可能性はほぼない

一部の画像診断で使用する造影剤に対してアレルギー反応をおこす方がいらっしゃいます。しかし、PET検査で使用する薬剤でアレルギー反応が生じることはなく、安心して検査を受けていただけます。

このようにPET検査には様々なメリットがありますが、どれが1番ということはなく、いずれも特筆すべきものと考えています。

PET検査は非常に精度の高い検査ですが、検査について熟知している医師がそれほど多くないことに加え、検査を受ける側の方々の知識不足が重なり、PET検査の有用性が十分に理解されているとはいえません。

そのため、医師をはじめとする医療従事者だけでなく一般生活者にもPET検査について正しく理解していただくことが、PET検査の有用性を伝える第一歩であると考えています。

PET検査だけではうまく見つけられないPET陰性がんとは?

PET検査はがん細胞のブドウ糖代謝量、つまり細胞の悪性度に依存するため、原発がん・転移性がんといった違いは結果に影響しません。

先にご紹介した子宮がんや卵巣がんなど、多くのがんはPET検査で発見できるともいわれています。

しかし下記のがんはPET陰性がんと呼ばれ、PET検査単独では見つけることが困難です。

  • 前立腺がん
  • 膀胱がん
  • 肝臓がん(※転移性肝臓がんは見つけることができます)
  • 腎臓がん
  • 食道がん
  • 胃がん

がんを早期に発見して治療につなげるためには、PET検査のメリットだけでなく弱点もしっかり把握して、CTやMRIなど他の検査と組み合わせて検査することが望ましいでしょう。

PET検査を受ける際の注意点

PET検査は検査装置のグレードと、読影する医師の診る目に左右される

PET検査では、画像の作り込みと医師の読影レベルが担保されることではじめて、よい検査が可能になると考えています。

FDGの集積状況を撮影するPETカメラは数種類あり、装置の進展は早いことから、常に後続機種が登場してきます。当然、初期のものと最新鋭のものとでは装置の精度が大きく異なるため、描出される画像データの質も異なります。

そして画像データから病気を見つけるのには、画像診断をする医師にも一定以上の読影能力が求められます。優秀な医師とは、手術の技量が優れているだけでなく、検査画像から病変や異常を見抜く力も備わっている人だと考えています。

がん発見率向上のためPET検査を受けるときの費用

PET検査の費用は、CTやMRIより高額です。しかし、日本で行われているPET検査の費用は、世界でも安い部類に入ることをご存知でしょうか。

たとえば宇都宮セントラルクリニックでは2017年4月現在、がんPETという名目で頭部から大腿部までのPET-CT検査と各種基本検査を150,000円(税抜き)でご案内しています。同じ内容の検査をアメリカで受けると2,000ドル(約226,000円)、中国では一万元(約160,000円)ほどかかります。

画像でみるPET検査の流れ-宇都宮セントラルクリニックのケース

宇都宮セントラルクリニック

宇都宮セントラルクリニックご提供

宇都宮セントラルクリニック

宇都宮セントラルクリニックご提供

PET検査は、小さながんを発見できるだけでなく、腫瘍の性質を調べることも可能です。PET検査を受けたことで4割の方の治療方針が変化したことを考えると、人間ドックや経過観察などにPET検査を積極的に取り入れてほしいと考えています。

ここでは実際のPET検査の流れについて、画像を交えてご紹介します。

受付と検査の説明

検査の予約をすると、受付時間や注意事項をまとめた書類(予約表)が郵送されます。内容を確認したうえで検査当日にお持ちください。

検査当日、受付で検査の流れについてご説明します。その後、タッチパネル式端末による問診票の入力や、更衣室にて検査着への着替え後、PET検査の概要や検査の流れについて担当の医師から説明を受けます。

FDGの投与と休憩

FDGを静脈注射して、全身に行き渡るまで1時間ほど休憩時間をはさみます。

このとき活発に動くと、ブドウ糖代謝がさかんに行われてしまい検査結果に影響を与えるため、安静に過ごす必要があります。なお薬剤注射後2時間程度は、施設外の外出も控えていただきます。

※PET検査では、使用する放射性薬剤によって投与方法や安静時間が異なります。検査をする施設の指示に従ってください。

専用のPETカメラで撮影

全身に行き渡ったFDGの集積具合を、専用の装置で15分ほどかけて撮影します。

PET検査は他の検査と併せて実施することが多く、撮影前後に諸検査を行ないます。

検査終了

検査終了後は水分を多めに摂取していただき、FDGの排出を促します。予定している検査がすべて終了したら、そのままお帰りいただけます。

PET検査ではFDGを使用するため、検査による被ばくを心配する方が多くいらっしゃいます。使用するFDGの半減期は110分で翌日にはFDGはほぼ体に残らないため、検査による被ばくの影響はありません。

検査結果

撮影した画像を専門医が読影し、検査結果(報告書)を作成します。検査結果の渡し方ですが、宇都宮セントラルクリニックでは各種健康保険を使用された方は来院していただき、人間ドックを受診された方は郵送させていただきます。なお人間ドックを受診された方が内容に関する説明を希望する場合は、来院をお願いしています。

PET検査を受けるときの注意点-食事や甘い飲みものは控える

PET検査では投与したFDGの集積具合を調べます。そのため検査前の食事や過ごし方など、注意していただきたい点がいくつかあります。

検査前は食事を控える

PET検査前は、4~5時間程度の絶食が必要です。そのため、午前中に検査を受ける方は前日の夕食、午後に受ける方は当日の朝食を控えていただきます。炭水化物を控えるなど特別なことはせず、通常の食事内容で結構です。

甘い飲み物は検査終了まで禁止

検査前はジュースなど糖分を含む飲み物を避け、水もしくはお茶を飲んで下さい。人工甘味料などの摂取も避けていただきます。

糖尿病の方は特に注意が必要

糖尿病の方のなかには、血糖値コントロールのためインスリン注射や血糖降下剤などを使用している方もいらっしゃいます。検査で使用するFDGはブドウ糖によく似た構造のためブドウ糖と同じような動きをします。このため糖尿病治療薬によってFDGが健常な部位にも集積してしまい、がん組織への集積が低下してしまいます。こうした理由から、PET検査前には一時的にこれら治療薬の使用を控えていただきます。

血糖値コントロールが難しく低血糖を起こす可能性がある方は、検査前にあらかじめご相談ください。

妊娠中・妊娠の可能性がある方は検査ができない

FDGの影響を考え、妊娠中もしくは妊娠の可能性のある女性はPET検査を受けることができません。また授乳中の女性の場合、検査後は乳幼児との接触や授乳を控えていただきます。

 

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