前回のレクチャーでは『粗利単価を向上させるためには、粗利単価帯の分布を把握する必要がある』という説明をしました。
そして粗利単価帯の分布の山が0円未満に近ければ近いほど平均の粗利単価は低くなり、分布の山が0円から遠ければ遠いほど平均の粗利単価は高くなるという説明もしました。
それでは早速、粗利単価を向上させる具体的な方法を紹介します。
粗利単価の低い商品のプッシュをやめる
前回のレクチャーで紹介したA社のように粗利単価帯の分布の山が0円未満になっていたり、0円未満に近い位置に分布の山があったりする場合、そもそもそういった注文の件数を減らすことができれば粗利単価は向上します。
そこで重要になるのが、粗利単価の低い商品を把握することです。
粗利単価の低い商品は受注1件あたりの粗利が低い商品ですので、そういった商品の注文が減れば粗利単価は向上しますよね。
粗利単価が低い商品には次のような特徴があります。
- 定価が低い
- 値引きしないと売れない
- 単品買いされることが多い
しかし、この3つのどれかに当てはまる商品は必ず粗利単価が低いのかというとそうではありません。
定価が低くても色々な商品と一緒に買われるので粗利単価が高い商品もあれば、少し値引くだけで急に売れ出して大きな粗利を生む商品もあります。
また、単品買いが多い商品でも定価が高ければ粗利単価は高くなります。
ですから粗利単価が低い商品かどうかを判定するためには、実際の注文データから傾向を掴む必要があります。
そして実際のデータから傾向を掴むと面白いことがわかります。
例えば、よく売れているから売れ筋だと思っていた商品が、実際には粗利単価を押し下げていたというケースです。
他には、入り口商品やお試し商品として安価な商品を用意していたが、入り口商品がついで買いに繋がらず単品買いされていたり、お試し商品がリピート購入に繋がらず単発買いされていたりするケースもあります。
これらはどれも粗利単価を押し下げる結果になります。
実際の注文データから傾向を掴んで粗利単価の低い商品を把握すると、こういった誤解が生まれなくなります。
また、どの商品が粗利単価の低い商品なのかがわかると、それらをECのトップページでプッシュすることをやめたり、カテゴリページの上位で見せるのをやめたり、メルマガやSNSで紹介するのをやめたり、広告のリンク先にするのをやめたりすることができます。
粗利単価の低い商品の注文を減らすのは、粗利単価を向上させるためにできる最も簡単な施策です。
ぜひ取り組んでみて下さい。
まとめ
今回の『粗利単価の低い商品のプッシュをやめる』という方法を紹介すると、
「プッシュをやめた商品が不良在庫化したらどうするのか?」
という質問を受けることがあります。
プッシュをやめた商品が不良在庫化する可能性があるというのはその通りです。
しかしそれでもプッシュをやめるべきです。
中小規模のECにとっては粗利単価の向上が生命線ですので、粗利単価向上のために一部商品が不良在庫化することは仕方ありません。
別のレクチャーで紹介しているように、不良在庫化したらセールで現金化し、その商品は今後の仕入れをストップするようにして下さい。
そしてその現金で新商品を開拓しましょう。
こうすることで商品ラインナップの新陳代謝が起き、次第に粗利単価を向上させる商品の割合が増えていきます。
次回のレクチャーでは『粗利単価の高い商品をプッシュする』方法を紹介します。
なお、このレクチャーで用いた粗利単価の低い商品の一覧図は『ECの粗利増加と在庫削減を実現するクラウドサービスFULL KAITEN』を用いて作成しました。
現状ではこのようなサービスは他にありませんので、粗利単価の分布状況を把握したい方はぜひ一度使ってみて下さい。