デザインを仕事として始めてだいたい10年ぐらいたちました。デザインを学んでいた頃を含めるともう15年近いです。当時のこととかを思い出してみるとどんどんデザイナーになることへの敷居が下がり続けていると感じます。もはやデザインの仕事というのは特殊な職業ではなく、技術さえあれば明日にでもデザイナーとして活躍できます。
いい時代。
こういう環境を活かしてデザインをかじってみると意外と他の分野にも通ずるものがあったり、あらたなキャリア形成のきっかけになったりと、結構良いことづくめ。しかも楽しいので興味があるなら始めてみてください。環境はすごく整っています。
- デザイナーになろうと思ったきっかけ
- デザイナーは特殊な職業だった
- 今は誰でもデザイナーになれる
- 学習コストが下がった
- スキルを売る場所が増えた
- ◯◯×デザインでレアな人材になれ!
- これから目指す人にはこの上ないチャンス。
デザイナーになろうと思ったきっかけ
自分がこの仕事を志したのは2000年ごろだったと思います。当時はインターネットが一般に普及し始めた頃で、ようやく携帯電話でwebサイトにアクセスできるくらいの感じ。ドコモのiモードとかでネットしてたぐらいの時でした。懐かしいですね!みんなケータイ電話のアンテナをピカピカ光るやつに変えたりしてた頃w なついw
当時のデザイン業界はmacでのDTP全盛期って感じで裏原系が流行ってて、スケシン(スケートシング)とかイルドーザーといったストリート出身の若手デザイナーが活躍してた時代で、めちゃくちゃかっこよかったわけです。
そんな人たちに憧れて、グラフィックデザインの世界へ。
もう少し後だったらwebデザインをやってたと思います。
デザイナーは特殊な職業だった
デザインをやりたいと思っても参入障壁が相当高くて簡単になれない感じでした。まず機材が必要。Macなんて近所の電気屋には売ってないしイラストレーターやフォトショップといったソフトもめちゃくちゃ高い。
だからこそ本当に一握りの人しかなれない特殊な仕事だったんです。
自分の場合は専門学校に入学してこれらの機材を手に入れるわけですが、学校の勉強なんかほとんどせずにひたすら友達とクラブインベントのフライヤーを無償で作ってました。楽しかった。
これははっきりと言えますが、この経験がなければデザインの仕事はとっくに飽きて違うことしてたと思います。何事も楽しいかどうかっていうのがすごく重要。
で、その後小さなデザイン会社に就職し、本格的なキャリアをスタートさせるわけですが、これがめちゃくちゃ厳しくてツラいw
毎日怒られて時には(やさしく)どつかれながら安月給で頑張りました。
それくらい技術を覚えるのには大変だったと思います。
今は誰でもデザイナーになれる
ようやく本題ですが、今は当時に比べて格段にデザイナーへの参入障壁は下がっています。その気になれば明日にでもなれます。
アプリケーションやPCが賢くなった
当時に比べてアプリケーションやパソコン本体が比べ物にならないほど進化しています。ソフトやハードそのものが進化することでより簡単に複雑なデザインを作成することが可能になりました。
機材が安くなって参入障壁が下がった
僕がデザインを始めたころはMacも今ほど一般には普及してなかったですし、本当に一部の人が使うようなパソコンだったと思います。またイラレやフォトショップなんかのプロ向けのアプリケーションは1本で10万円ぐらい。めちゃくちゃ高かったわけです。
ある意味ではこうした手の出しにくい価格が参入障壁となっていたのも事実。軽々Macやフォトショップなんかを手に入れることはできませんでした。
しかし今はこれらのソフトは買いきりではなく月額課金制へとシフトし、学生価格なら月々3000円程度で導入することができます。
またMacだって10数万円出せばそれなりのものが買えますので
「デザイナーやってみよ」と思い立ったら20万円ぐらいあれば、最寄りのヨドバシカメラでMacbookを買い明日から始められます 。
もちろんデザイナーに免許や資格なんて必要ありませんから誰でもなれます。
学習コストが下がった
ただ、機材買ったらデザイナーになれるといっても、全くの無学では無理でしょう。思い通りのデザインをするための勉強をしないといけません。
専門学校や大学に入学するとなると数百万円必要ですが、今はこの学習コストもどんどん下がっています。
youtubeでPhotoshopのチュートリアル動画が腐るほど上がっているし、オンライン学習サービスも数多く登場しています。webデザインもプログラミングもその気になれば学校に通わずに完全に在宅で知識をつけることも可能になりました。
スキルを売る場所が増えた
デザイナーを志して、機材を揃え、一通りの学習をしたらもう立派なデザイナーです。すぐに仕事を始めることができます。
とはいえ、コネも実績もゼロの状態でいきなり仕事の依頼は来ないわけですが、今はインターネットを使い自分から売り込むことができます。
代表的なのはランサーズ やクラウドワークス
といったクラウドソーシング。
もはや説明は不要ですが、これらのサービスの特徴は自分のスキルに合った仕事を選べる点。得意な分野で戦うことができます。
また絵が得意ならココナラに登録すればイラストなどの仕事も請け負うことができます。
コネも実績もなくても得意分野を自分で選んで仕事ができる時代です。
素晴らしいですね!
◯◯×デザインでレアな人材になれ!
このように昔と比べてデザイナーという職業がぐっと身近になりました。
しかしそれは同時に「デザインだけできてもダメ」ってことです。
だってみんななれちゃうんですから。
これからは「専門性×デザイン」の複合的なスキルを構築することによって市場価値の高い人材になることができればかなり有利です。営業職×デザインとか販売スキル×デザインといった具合に自分で作って自分で売れる人が勝ち残っていくのではないかなと思います。
デザインというのはどんな業界にも必要ですし、ぼくたちが全く意識していないところにもデザインは浸透しています。むしろこうした美的感覚はモノが溢れた現代の必須スキルとなっていると思います。
つまり俺たちヤバイやんけ!
そうなんですよね。このお話で一番ヤバイのはぼくたちみたいなデザインばっかりやってきた人たち。下からはどんどん若い人が参入してくるし、新しいスキルを習得しないといけないしで本当に毎日必死でありますw
これからの人生一つの職業、スキルにしがみついている方が時代遅れなのは明らかですから、ぼく個人としては何か別の面白いと思うことや興味のある分野を開拓していかないとなーと思っています。
これから目指す人にはこの上ないチャンス。
簡単にデザインを学ぶ環境が揃っている今だからこそにデザイナーを志す若い人たちが増えるのは喜ばしいことだし、いい刺激にもなります。まだまだ若い人には負けないですが、うかうかしてたらすぐに追い抜かれるでしょうね。そうならないようにおじさんがんばるわ!
みなさんも一つのキャリアやスキルだけにこだわらず、得意分野をどんどん開拓してマネの出来ない人材を目指してみてください。デザインの仕事はキツいけど楽しいですし、いろんな視点から物事を考えないといけないので意外と視野が広がって良いかと思いますよ!