福井 男子中学生自殺報告書全文に書かれていたこと

福井 男子中学生自殺報告書全文に書かれていたこと
ことし3月、福井県池田町で男子中学生が自殺した問題で、NHKが入手した、町の教育委員会が設置した第三者委員会の報告書の全文には、男子生徒が優しい子だったという評判のほか、亡くなる前に、周囲に死にたいと話していたことなど、公表された報告書の要約には書かれていない内容も記されていました。
報告書の全文では、冒頭部分に亡くなった男子生徒について、「宿題を忘れることが多かった」などと記す一方で、「ほかの生徒が嫌がる場所を掃除したり、伴走ボランティアで、いすに座ったランナーに腰を低くして接するなど、優しい子だった」という教師からの評判が書かれています。そのうえで、具体的な経緯について、次のように記しています。

「優しい子」という評判

報告書の全文では、冒頭部分に亡くなった男子生徒について、「宿題を忘れることが多かった」などと記す一方で、「ほかの生徒が嫌がる場所を掃除したり、伴走ボランティアで、いすに座ったランナーに腰を低くして接するなど、優しい子だった」という教師からの評判が書かれています。そのうえで、具体的な経緯について、次のように記しています。

1回目の登校渋り

男子生徒が最初に登校をいやがったのは、去年の5月26日でした。生徒は「学校に行きたくない」と話し、その理由について「副担任が宿題の未提出の理由を言い訳だとして聞いてくれない」などと述べたため、母親は学校を休ませました。

身震いするほど怒られる

男子生徒は、後期に生徒会の副会長に選ばれました。10月9日、池田町で開かれたマラソン大会で生徒は伴走ボランティアの実行委員長に立候補して選ばれましたが、大会当日のあいさつの準備が遅れたことなどを理由に校門の前で担任に大声でどなられました。

見ていた別の生徒は「聞いている人が身震いするくらい怒っていた。すごい怒っていた。かわいそうだと感じた」などと話しています。

報告書の全文には、怒られている時に男子生徒が担任の目を見て黙っていたという様子も記されています。

土下座しようとする

11月18日、男子生徒は課題が未提出だったため、副担任から呼ばれました。生徒は提出が遅れたのは生徒会や部活動のためだと説明しましたが、副担任は「宿題ができないなら、やらなくてよい」と言い、生徒は「やらせてください」と話して土下座しようとしました。生徒は、そのあとトイレに入ったまましばらく出てきませんでした。

担任「お前辞めてもいいよ」と叱責

ことしの1月か2月ごろ、男子生徒は、毎月1度開かれていた生徒会の日に職員室の前で担任から「お前辞めてもいいよ」と大きな声で叱責されました。その原因は明らかになっていないとしています。

忘れ物で怒られる

男子生徒は生徒会の役員として、卒業生を送る会の企画や運営を行う立場で合唱の練習では歌詞カードをほかの生徒に配る担当でした。

しかし2月上旬ごろ、男子生徒が歌詞カードを忘れ、練習ができなかったため担任から強い叱責を受けました。見ていた生徒は「言い方がひどかった」、「男子生徒は下を向いていて暗い感じだった」と話しています。

2回目の登校渋り

ことし2月21日、男子生徒は「学校に行きたくない」と話し、母親から担任に連絡がありました。生徒は「国語の宿題の件で副担任から怒られた。副担任は何を言っても言い訳と決めつける。担任にも未提出物について強く怒られた。どうしていいかわからない」と話しました。

早退を申し出「学校で嫌なことあった」

3月6日、男子生徒は担任から課題の未提出について指導を受けました。生徒は保健室に来て「学校で嫌なことがあったので早退したい。理由は言いたくない」などと話しました。

3回目の登校渋り

その翌日の3月7日、男子生徒は朝、起きると母親に「学校に行きたくない」と訴えました。母親がその理由を尋ねると生徒は「僕だけ強く怒られる。どうしたらいいのかわからない」と泣きながら話しました。

過呼吸を訴えるも、担任は放置

3月13日、男子生徒は副担任に「宿題を出せません」と話しました。副担任がその理由を聞くと生徒は泣き出し、過呼吸だと訴えました。副担任は担任に家庭に連絡するかどうか相談しましたが、担任は報告の必要はないと考え、連絡をしませんでした。

転落死

その翌日の3月14日、男子生徒は午前8時ごろに登校しましたが、その後、敷地内で倒れているのが見つかり死亡が確認されました。

「死にたい」と漏らす

報告書の全文では、男子生徒がみずから死を選ぶような様子について、家族が事前には全く感じなかったという話が紹介されている一方で、時期や内容を明らかにできなったとしたうえで、男子生徒が周りの生徒たちに「自分から死にたい」と言っていたとか、「ずっと死にたい」と話していたという報告が寄せられていることも記されています。
福井 男子中学生自殺報告書全文に書かれていたこと

福井 男子中学生自殺報告書全文に書かれていたこと

ことし3月、福井県池田町で男子中学生が自殺した問題で、NHKが入手した、町の教育委員会が設置した第三者委員会の報告書の全文には、男子生徒が優しい子だったという評判のほか、亡くなる前に、周囲に死にたいと話していたことなど、公表された報告書の要約には書かれていない内容も記されていました。

「優しい子」という評判

報告書の全文では、冒頭部分に亡くなった男子生徒について、「宿題を忘れることが多かった」などと記す一方で、「ほかの生徒が嫌がる場所を掃除したり、伴走ボランティアで、いすに座ったランナーに腰を低くして接するなど、優しい子だった」という教師からの評判が書かれています。そのうえで、具体的な経緯について、次のように記しています。

1回目の登校渋り

男子生徒が最初に登校をいやがったのは、去年の5月26日でした。生徒は「学校に行きたくない」と話し、その理由について「副担任が宿題の未提出の理由を言い訳だとして聞いてくれない」などと述べたため、母親は学校を休ませました。

身震いするほど怒られる

男子生徒は、後期に生徒会の副会長に選ばれました。10月9日、池田町で開かれたマラソン大会で生徒は伴走ボランティアの実行委員長に立候補して選ばれましたが、大会当日のあいさつの準備が遅れたことなどを理由に校門の前で担任に大声でどなられました。

見ていた別の生徒は「聞いている人が身震いするくらい怒っていた。すごい怒っていた。かわいそうだと感じた」などと話しています。

報告書の全文には、怒られている時に男子生徒が担任の目を見て黙っていたという様子も記されています。

土下座しようとする

11月18日、男子生徒は課題が未提出だったため、副担任から呼ばれました。生徒は提出が遅れたのは生徒会や部活動のためだと説明しましたが、副担任は「宿題ができないなら、やらなくてよい」と言い、生徒は「やらせてください」と話して土下座しようとしました。生徒は、そのあとトイレに入ったまましばらく出てきませんでした。

担任「お前辞めてもいいよ」と叱責

ことしの1月か2月ごろ、男子生徒は、毎月1度開かれていた生徒会の日に職員室の前で担任から「お前辞めてもいいよ」と大きな声で叱責されました。その原因は明らかになっていないとしています。

忘れ物で怒られる

男子生徒は生徒会の役員として、卒業生を送る会の企画や運営を行う立場で合唱の練習では歌詞カードをほかの生徒に配る担当でした。

しかし2月上旬ごろ、男子生徒が歌詞カードを忘れ、練習ができなかったため担任から強い叱責を受けました。見ていた生徒は「言い方がひどかった」、「男子生徒は下を向いていて暗い感じだった」と話しています。

2回目の登校渋り

ことし2月21日、男子生徒は「学校に行きたくない」と話し、母親から担任に連絡がありました。生徒は「国語の宿題の件で副担任から怒られた。副担任は何を言っても言い訳と決めつける。担任にも未提出物について強く怒られた。どうしていいかわからない」と話しました。

早退を申し出「学校で嫌なことあった」

3月6日、男子生徒は担任から課題の未提出について指導を受けました。生徒は保健室に来て「学校で嫌なことがあったので早退したい。理由は言いたくない」などと話しました。

3回目の登校渋り

その翌日の3月7日、男子生徒は朝、起きると母親に「学校に行きたくない」と訴えました。母親がその理由を尋ねると生徒は「僕だけ強く怒られる。どうしたらいいのかわからない」と泣きながら話しました。

過呼吸を訴えるも、担任は放置

3月13日、男子生徒は副担任に「宿題を出せません」と話しました。副担任がその理由を聞くと生徒は泣き出し、過呼吸だと訴えました。副担任は担任に家庭に連絡するかどうか相談しましたが、担任は報告の必要はないと考え、連絡をしませんでした。

転落死

その翌日の3月14日、男子生徒は午前8時ごろに登校しましたが、その後、敷地内で倒れているのが見つかり死亡が確認されました。

「死にたい」と漏らす

報告書の全文では、男子生徒がみずから死を選ぶような様子について、家族が事前には全く感じなかったという話が紹介されている一方で、時期や内容を明らかにできなったとしたうえで、男子生徒が周りの生徒たちに「自分から死にたい」と言っていたとか、「ずっと死にたい」と話していたという報告が寄せられていることも記されています。