勝又拓哉被告が別の事件で身柄を拘束されていた間に殺人についての取り調べを受けたことをめぐっては、捜査段階から弁護士が検察に抗議していました。
勝又被告は、平成26年1月にブランド品をめぐる商標法違反の疑いで逮捕され、起訴された2月18日から殺人についての取り調べを受け始めました。
別の事件で身柄を拘束されていても取り調べに応じる義務はなく、被告の弁護士は、3月に入って検察官に抗議の文書を送りました。しかしその後も取り調べが続き、1審の宇都宮地方裁判所では、被告が取り調べの最中に泣きじゃくる様子などを録画した映像が法廷で再生されました。
こうした取り調べについて宇都宮地裁は、勝又被告が拒絶の意思を明確にした時は中止するなど任意の捜査の限界を超えていないと判断し、自白は信用できるとして無期懲役を言い渡しました。
一方、弁護団は、別の事件での逮捕から143日後に殺人事件の自白調書が作られるまで不当に長く身柄を拘束された結果、自由に話せなくなるほど精神的に追い詰められていたと主張しています。
関係者によりますと、東京高等裁判所は、3月に弁護士が検察官に抗議してからいったん殺人についての取り調べが終わる4月9日までの間に、取り調べが許されるような事情があったかどうか説明するよう検察に求めたということです。
2審では自白に至るまでのいきさつも争点になるものと見られます。
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