今回はSWOT分析を逆方向からやるとどうなるか?を、試してみます。
逆SWOT分析って・・・何をするの?
「SWOT分析」とは
「強み、メリット(S)」
「弱み、デメリット(W)」
「機会、チャンス(O)」
「脅威、ピンチ(T)」
という4つに分類し、
「現状を分析、把握して、次の一歩を考察する」ための考察ツールです。
逆SWOT分析例【ヤマト、ロッカー共用広げる】
記事参照:日本経済新聞2017/10/17㈫ より
今回取り上げた記事のタイトルは「宅配ロッカー共用広げる」とあります。
これはすでにSWOT分析をしたあとの「手段」を指しています。
今回はこの「手段」である「ヤマトの宅配ロッカー」を取り巻く現状を、SWOT分析というツールを逆方向に使い、新聞記事から要点を抜き出して考察してみよう。という企画になります。
では、早速始めてみましょう。
要点を記事から抜き出す
要点を抜き出し、SWOT分析のどこに位置するか振り分けます。
また、「本質となる部分は何か?」を考察するための「分類考察」の位置にも、下図のように振り分けていきます。
分類考察では、6つのカテゴリ「本質」「目的」「手段」「テクニック」「強み・機会」「弱み・脅威」に分けます
分類考察ってなに?こちらの記事にて↓
抜き出した要点を振り分ける
各項目ごとに記事を抜き出してみます。
【目的】
再配達減 …今回のテーマの「目的」となる部分です。
顧客の負担を極力抑えながら、サービスを維持する …これも、今回の「目的」部分の一つですね。
【テクニック】
宅配ロッカーを他社に開放し利用料を得る …宅配ロッカーを運用するための「テクニック」という位置に振り分けます。
【弱み】
ロッカー設置を急ピッチで進める …ヤマトのように巨大規模だと、かなりの数を設置しないと効果が出ない。狭い日本(特に都心)にとって、場所の確保を多くしなければいけない「巨大規模」は今回のケースであれば「弱み」となるでしょう。
再配達が全体の2割 …弱みです。
人手不足 …人手が無いと成り立たないことを「弱み」とします。
長時間労働 …長時間労働しないと成り立たないのは「弱み」です。
【機会】
DHLが国際便の受取でヤマトのロッカーを利用を始める …対策に困る他社として、機会とします。佐川急便の荷物への対応もまた機会となります。
ネット通販 …需要が増えている理由なので、機会となります。
【脅威】
消費者は時間を気にせず …一見チャンスですが、「時間を気にしていた」という脅威に振り分けます。ロッカー共有はその対策として生み出された。と見ています。
日本郵便も独自に宅配ロッカーを整備 …ロッカー共用を考えないライバルは脅威となります。
人手不足でコスト増 …他業界などに人が流れるのは「脅威」とします。「人手不足」と「人手不足でコスト増」は別の意味、ということになります。
記事から抜き出したことを書き写すと、このようになります。
「強み」がないので、記事から考察します。
ライバルの日本郵便は180箇所にロッカーを設置。対してヤマトは1000箇所に設置し、今年度末までに3000を目標としてます。
この比較から「開拓力」の強みが浮き出てきました。同時に「巨大規模」も強みとして受け取れます。「巨大規模」は強みでも弱みでもある、ということになりました。
「強みだから弱みではない」という見方では、現実を見落としてしまう。ものの見方のポイントと言えるのではないでしょうか。
宅配ロッカーの本質は何か
さて、まず「宅配業」の最高のゴールはどこでしょうか?
お客様視点での最高のゴールは「買った瞬間、もしくは欲しいタイミングで手元にある」ことでしょう。
家よりも遠い場所に荷物を置く、というデメリットを持つ宅配ロッカー。一方で、お客様が時間を気にしないで済むというニーズは掴めます。
つまり、お客様にとっては「新たな妥協点」となるのであって、根本的な解決には遠くなったような近くなったような、そんな立ち位置となっています。この「新たな妥協点」が宅配ロッカーの本質ではないでしょうか。
宅配ロッカーの価値を高めるには
お客様へのニーズに対しての策としては、まだまだ検討の余地があると言えそうです。
ただ、宅配ロッカーのあらたな価値を生み出せば、もっと需要が掘り起こせそうですね。
こんな案を考察しました。
・個人売買の取引場所に使う
→「機会」個人レベルのやり取りが多くなった × 「強み」いつでも好きな時に使える
・使いまわし出来る梱包ボックス型の梱包にして、ダンボール削減対策に
→「機会」エコ志向 × 「弱み」段ボールサイズがバラバラで積み込みが手間
・宅配ロッカーから別のロッカーに配達可能(個人売買の応用)
など…いろいろ考えられそうです。
今回は、以上です!
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