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[速報]DockerがKubernetesとの統合およびサポートを発表。DockerCon EU 2017

2017年10月18日

デンマークのコペンハーゲンで10月17日に開幕したイベント「DockerCon EU 2017」で、DockerはKubernetesをSwarmと同等のレベルでDockerと統合し、サポートすると発表しました。

Dockerコンテナを用いた分散環境を管理するためのオーケストレータには、Dockerに統合されたSwarmだけでなく、Marathon、Rancher、そしてKubernetesなど複数のツールがありますが、この発表でKubernetesがオーケストレータにおける事実上の標準の地位を固めたと言えそうです。

次のDockerでネイティブにKubernetesをサポートする

DockerCon EU 2017の基調講演に登壇した、Docker創業者兼CTO Solomon Hykes氏。

DockerCon EU 2017

SwarmはDockerにビルトインされたオーケストレーションレイヤだ。インストールするとすでに使えるようになっている。

私たちはオーケストレーションレイヤはDockerと完全にシームレスに統合されるべきだと考えているのだ。ユーザーにはオーケストレーション機能があることなど忘れてもらいたいくらいだ。

このレベルでの統合を実現するために、私たちはSwarmを独自に開発し、オープンソース化した。

しかし課題があった。しかしDockerには大きなエコシステムがあり、Swarm以外のオーケストレータを用いることもできる。しかし、ほかのオーケストレータを選択した場合、そうしたシームレスな統合のメリットを得られないのだ。

DockerCon EU 2017 fig2

このジレンマは、特に大企業で起こりやすい。大企業にはさまざまなチームがあり、チームごとに異なるオーケストレータを使ってしまう。そうすると、全体を一つのツールで統合するといったメリットが失われてしまう。

このジレンマを解消するために、私たちは大きな一歩を踏み出すことにした。次のDockerのバージョンでは、ネイティブに2つのオーケストレータをサポートすることにしたのだ。SwarmとKubernetesだ。

DockerとKubernetesが統合

驚いたかい?

この2つのオーケストレータは同じレベルのシームレスな統合を約束する。Swarmと同様に、Docker EEによるベストな管理ツール、Docker CEで使えるすべての開発者向けツール、すべてのOCI対応ランタイムやシステムがKubernetesにも対応する。

この2つがDockerに統合されるのだ。

この統合されるKubernetesは、Kuberrnetesフォークでも、ラッパーでも、中途半端な統合でもない。本物のKubernetesをSwamと同じように扱うのだ。

KubernetesプロジェクトはDockerコミュニティから生まれ、Dockerをよりよいものにしようとしている。歴史的に見てこの2つのコミュニティはほとんど同じ構成メンバーであり、同じミートアップを行い、同じような哲学を持つ、大きなファミリーのようなものなのだ。

DockerCon EU 2017 fig4

Dockerをインストールすると

発表の中では明確にされていませんでしたが、公開されている情報によると、現在のDocker Enterprise EditionをインストールするとSwarmが自動的に組み込まれているのと同じように、次のバージョンのDocker Enterprise Editionからは、Dockerをインストールすると自動的にSwarmとKubernetesの両方の環境が構築されるようになるとのこと。

また、Docker Community EditionのWindows版とMac版では、DockerのインストールによってローカルにKubernetesの環境が自動的に構築されるとのことです。これについては次の記事「(現在執筆中)」であらためて紹介します。

次期Dockerは現在ベータ版を開発中で、正式版は2018年第一四半期に登場予定です。

DockerCon EU 2017 fig5

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カテゴリ Docker / コンテナ / 仮想化
タグ  Docker , Kubenetes


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