私は自分で言うのもなんだが、
紅茶には深いこだわりを持っている。
それに加え、私は周囲からは
イギリス人並に性格が悪いと、
高い評判を勝ち得ているほどだ。
もはや生粋の英国紳士と言っても
過言ではないだろう。
そして先日は私と同じく
英国紳士の友人(訳 イギリス人並に性格が悪い)
からお茶会のお誘いを受けた。
私は優雅に、そして洗練された足取りで
友人の邸宅へと向かった。
さて、友人の部屋へ入ると、
さっそく紅茶会を開くことになった。
そして友人がベルをちりんと鳴らすと、
召使いが紅茶とお茶菓子を持ってきた。
そのはずだった。
だが、友人の家系はすでに没落していたので
自分で紅茶を取りにいかねばならなかった。
哀れな紳士だ。
私は同情の視線を向けながら、
静かに待った。
そしてお茶をご馳走になった。
友 「ところでうちには様々な
等級の茶葉があるが、
これはどれだと思う?」
私 「安物だな。ゴミ捨て場みたいなにおいがする」
友 「うちで一番良いやつなんだが」
私 「うーん、やはり良い茶葉は違うな。
とても良いゴミ捨て場の香りがする」
友 「何だよ、良いゴミ捨て場って・・・」
貴族の出した不要高級家具置き場と
不法産業廃棄物投棄場ぐらいの違いか。
友 「まぁ、試して悪かったよ。
お茶菓子もあるし楽しんでくれ」
次に来たのはとても良いダージリンであった。
ところで皆さんは
ダージリンの語源をご存知だろうか?
これはインドのダージリン地方から来ており、
イギリスのインド植民地統治時代の産物だ。
そしてそこには様々な歴史的な背景がある。
私はダージリンにまつわる光と陰の
ストーリーを友人に話した。
友 「実に面白い話だった。
ちなみにそれ、アールグレイだ」
私 「まぁ、そう呼ばれることもあるよね」
友 「ところでアールグレイって
どういう意味なんだ?」
私 「・・・」
友 「どうした?お茶にうるさいんじゃなかったのか?」
私 「お茶!お茶!お茶ぁ!」
友 「うるさい!」
そんなわけで私の紅茶へのこだわりと、
該博な知識をわかっていただけたと思う。
私のような紳士になりたければ
まずは紅茶について勉強してほしい。
それが紳士の教養というものだ。
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