あなたは上司に、意見をちゃんと聞いてもらっていますか?
悪い意見ではないのにも関わらず、なぜかいつも聞いてもらえない。よくわからない理由をつけて却下される。そんな経験をされている人もいるんじゃないでしょうか。
本日はそんな悩みを解消する本を紹介します。
「『本当の自分』を見つけて武器にする」です。
自分の特性を活かす方法について書いた本です。
しかし、反りがあわない・なんか価値観が違う。。など、意見をぶつけても、なぜか響かない人への対処方もぎっしり書いてありました。今回はその内容をお伝えします。
話が通じない理由は「思考パターン」が違うから?!
本書によると、人は思考スタイルによって4つに分類できるのだそうです。
- 分析型
- コンセプト型
- 社交型
- 構造型
これらがそれぞれ何を表すかは後々紹介しますが、「何言ってんだこいつ」現象を引き起こす背景には、思考スタイルの差異がひそんでいるかもしれません。
人にはそれぞれ特性があって、考え方も感じ方も違います。相手に自分の意見を主張するだけでは、伝わらないことも多々あるのです。
「人間はひとりひとり違う特性を持っている」という事実を忘れてしまうことは、日常でのコミュニケーションで軋轢を生むことともなります。
相手との特性の違いを把握せず、やみくもにぶつかっていくだけではコミュニケーションがうまくいかないどころか、軋轢を生むこともあるようです。
しかし、特性の違いを把握し、逆に利用することで、うまく意見を通すこともできるのだ、と筆者は主張します。
思考スタイルの違いとは
ではそれぞれの思考スタイルとは、どのように分類されるのでしょうか。
本書で紹介しているエマジェネティックスという技法では、4つの思考パターンを「右脳派」「左脳派」「抽象脳」「具像脳」の組み合わせによって分類します。
左脳は、論理的・数学的思考。
右脳は、直観・感情的思考。
抽象脳は、全体をざっくりした視点でとらえようとする特性。
具像脳は、細かな点を気にしようと特性。
これらがどう組み合わさっているかによってどの属性が優位かを調べます。
エマジェネティックスでは、一人の人間がひとつの属性に必ずしも収まるわけではありません。それぞれの思考のうち23%以上を占めるものを優位とし、それらは複数ある場合もあります。全体の1%ですが、すべての属性が優位であると診断される人もいるのだとか。
ちなみに本書では自分がどの属性になるかのテストが付属しています。気になる人はやってみてください。
ちなみに管理人は
- 分析型:28%
- 構造型:28%
- 社交型:20%
- コンセプト型:24%
で、社交型以外は、全部優位になりました。無個性なのか・・・??
それぞれの思考スタイルについて
ではそれぞれの思考パターンについて、ざっくり説明します。
分析型
左脳派で抽象脳の分析型の人は、物事を分析するのに長けています。
また、根拠を大事にします。 目的意識が強く、メリットデメリットをしっかり見分けます。
目的のわからない会議などが嫌いで、仕事でも常に「やる意味」を求めます。
クールで仕事のできる人という印象を持たれることも多いようです。冷たい印象を抱く人もいるでしょう。
無駄なものにお金を使いたくないと思っているので、買い物に行っても、散財することはないでしょう。ケチじゃないんです。無駄が嫌いなだけで。
「要点はどこ?」
「それは合理的に思えないな」
「それって意味あるの?」
とよく言う人は分析型の思考を持っている可能性が高いです。
構造型
左脳派で具像脳の構造型の人は、堅実な人です。物事を行う上でのプロセスを大事にします。また過去の経験を重視します。
仕事をする上で、ガイドラインを好み、着実に仕事をこなす手堅い印象があります。すぐ結論に向かいたがる分析型の人とは違い、物事の過程を順序立てて説明します。
昨日何してた?と聞こうものなら、朝から順番にやったことを説明するような律儀なところがあります。
分析型が会議を「目的」から捉えるのに対して、構造型はスケジュールから捉えます。分析型より細かいところを重視する感じですね。
指示を出すとき、どういう手順でどのように進めてほしい、と過程まで指示を出すタイプは構造型の可能性が高いです。
社交型
具像脳で右脳派の社交型の人は、他人を重視します。
会議でも、目的やスケジュールよりも「誰が来るか」をまず考えます。「誰のためにやることなのか」を考えることで力を発揮します。
構造型や分析型からは「情に流されやすい」ように見られることもあります。他人のことをよく見ているので、適材適所に人を配置することができるでしょう。
「この仕事はお客さんにどういう影響を与えるかな?」
「他の人のことを考えて」
などの口癖のある人は社交型の可能性が高いです。
コンセプト型
右脳派で抽象脳のコンセプト型の人は、アイディアマンが多いです。直感や感覚的なものを大事にし、新しいものへの関心が高いです。
指示をするにも問題解決も直感的。指示も「~な感じで」というニュアンスで伝えようとします。創造的で突拍子もない行動をする、変わった人が多いかもしれません。
分析型には「根拠が薄い」と思われたり、構造型には「突拍子なさすぎてついていけない」と嘆かれたりするようです。
ルーティンワークや、スケジュール通り行動することが苦手な人が多いでしょう。
相手の思考スタイルを把握して提案するべし
あなたが話を聞いてほしければ、相手の思考スタイルを考慮して、話を進めていく必要があります。
たとえば、分析型の上司に、コンセプト型の部下が「企画の斬新さ」を語ってもイマイチ響かないでしょう。
部下「これは他の会社でもやってない商品ですよ!絶対いけますって!」
上司「ふーん、その根拠は?」
根拠とかしらねーよ!俺の勘がいけるっていってんだ!という説得方法では、せっかくのアイディアが水の泡です。
他人の力を借りるためには、自分のやり方を押し付けてはいけません。相手の思考スタイルにあった接し方・伝え方をしなければ、お互い理解しあえず、お互いの力を発揮することはできないのです。
説得を試みる前に、相手が重視するものを把握していれば、それにあわせた説得ができます。
分析型に響くのは根拠や目的、数字による裏づけだから、それにあわせた情報を持っていけばいいというわけです。
分析型には、数字や目的、根拠を。
構造型には、プロセスやスケジュールなど具体的な計画を。
社交型には、人への影響を。
コンセプト型には、アイディアの独自性を。
という具合に、今の提案内容に、プラスアルファしてやることであなたの意見が説得力を増します。
今まで「よくわからないけど、意見が却下される」という経験を思い出してください。却下された理由は、相手の思考パターンをそのまま反映しています。
相手の思考パターンを先読みした上でプレゼンができれば、話を聞いてもらえる確率は上がるのではないでしょうか。
まとめ
本書では、それぞれの思考スタイルが、どういう言葉を受け入れやすいか。また、どんな説得なら応じやすいかが、細かく紹介されています。
もしかしたら、あなたの意見が聞き入れられない理由が書いてあるかもしれません。
今一度、職場の人たちの思考パターンを観察してみてもいいかもしれませんね。