【10月17日 AFP】(写真追加、更新)イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の「首都」とされたシリア北部ラッカ(Raqa)全域が、4か月の戦闘を経て、米軍の支援するクルド人とアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」によって制圧された。

 同軍報道官はAFPに対し、「ラッカで全てが終わった。われわれの部隊がラッカを完全に制圧した」と語った。さらに「ラッカにおける軍事作戦は終了したが、潜伏工作員を見つけ出す掃討作戦に加え、地雷の撤去作業が現在行われている」と明かし、「ラッカ解放を宣言する公式声明も間もなく出されるだろう」との認識を示した。

 これに先立ち、英国に拠点を置くNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」も、ラッカ市内のISの最後拠点とされていた競技場をSDFが占拠したと発表。「米主導の有志連合の支援を受けたSDFが競技場周辺域を急襲して大部分を一掃した後、公立競技場の掌握に成功」し、「IS戦闘員の大半が投降」したと伝えていた。

 ISは2014年にラッカを占拠。シリアとイラクの支配地域に「カリフ制国家」の樹立を宣言し、ラッカを事実上の首都と定めていた。以後ラッカはISによる残虐行為を象徴する都市になると同時に、海外での攻撃の計画拠点とも位置付けられてきた。(c)AFP