アディーレ法律事務所への依頼者は業務停止後どうしたら良いのか
アディーレ法律事務所の業務停止(10月11日~12月10日)は既にご案内の通りですが、東京弁護士会が10月11日に2ヶ月間の業務停止処分を発表し翌日からアディーレ法律事務所は業務を停止しました。
今回の処分で一番困るのは言うまでもなく数万人規模のアディーレの依頼者です。
業務停止処分発表から数日経過した現在においても、ますます、依頼者の混乱は深まるばかりです。そこで、債務整理手続別に現在の状況と注意点を再確認し、最後に数万人規模のアディーレ依頼者の考えられる選択肢を掲載します。
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「アディーレ」の現況と依頼者への対応
アディーレ法律事務所は国内6位の大手弁護士事務所で所属する弁護士は187人前後もいますので、当然、依頼者の数も膨大で2004年に設立されたアディーレの累計相談件数は今年6月には45万件を突破したと言われています。
したがって、単純計算でも現在、3.5万件~5万件ほどの債務整理相談が現在進行中と推測されます。
東京弁護士会が設置した臨時電話相談(03-6257-1007/平日午前9時~午後5時)には発表後の2日間で2,000件ほどの連絡があったということで、3.5万件~5万件ほどの債務整理相談が現在進行中ということを裏付けています。
現在、アディーレはこれらの依頼者に対して書面を発送中で、おそらく処分の説明と解約を求めるものとみられますが具体的な中身については発表されていません。
追記:10月17日現在、郵送された書類についてのツイートを発見しましたので引用します。
過去の弁護士事務所の業務停止のケースでは引き受けていた依頼事項を一旦、解約していますので、今回のアディーレの発送中の書面にもその旨が書かれていると考えられます。
ただ、アディーレは依頼者やメディアに対する対応を一切シャットアウトしており、アディーレのホームページが削除されただけではなく池袋のサンシャインビルにある事務所も閉鎖されています。
サンシャインビルの案内板からもアディーレ法律事務所のプレートが無くなっており対応は徹底しています。恐らくアディーレ側は何らかの対応が業務停止処分に反したと取られることを恐れて、電話・ネットを含めた全ての対応をシャットアウトしていると見られます。
したがって、アディーレの依頼者がアディーレ側に連絡する手段は全く閉ざされています。唯一、依頼者が担当弁護士の携帯電話の番号を控えていれば連絡できるかもしれませんが・・・。
それでは、一体、現在進行中のアディーレの依頼者はどうするべきなのでしょうか?
特に、困るのは任意整理・過払い金請求の手続中や債務整理の費用を事前に分割で支払い中の依頼者です。
任意整理で和解交渉の前に費用を分割支払い中のケース
債務整理手続の中でも自己破産などの法的整理は相手が裁判所で手続の手順が決まっていますから、手続中に弁護士が交代しても大きな問題はありません。
あまりありませんが、自己破産手続中に弁護士を解任したり弁護士が辞任しても手続に大きな影響は出ません。一方で民民の和解交渉である任意整理の場合は代理人の弁護士の手腕に頼っていますから、手続中に弁護士が交代することは依頼者側に不利になる場合が多いと考えられます。
特に、厄介なのは任意整理の和解交渉前に費用を先払いで分割支払中の依頼者のケースです。
通常、任意整理において費用の分割を希望すると、和解交渉に入る前に費用を分割で先払いします。つまり、費用の分割払いが終わってから、弁護士による和解交渉が始まる訳です。
したがって、費用の先払い中に今回の業務停止に遭遇した場合は、依頼者の不安は大きくなることが想像されます。
現在、アディーレ側は少なくとも3.5万件~5万件に上る依頼者に文書を発送中で、とりあえず、1回目の一般的な文書が届いたとしても個別の対応までには相当な時間を要すと考えられます。
ただ、今後、依頼を解約した場合にアディーレ側が分割で先払いした費用を全額返還しないとは考えられません。一部が手数料として差し引かれる可能性はありますが、大部分の費用は返還されない筈はありません。
アディーレ側からの文書を待って対応する必要があります。
ただ、アディーレ側からの委任契約解除の連絡が金融業者側に行くと、新たな受任通知が来ない限り金融業者側から債務者に直接連絡が来ることも考えられます。
したがって、アディーレとの委任契約解除に、速やかに次の弁護士と委任契約を結ぶ必要があります。
任意整理の和解交渉中のケース
また、既に金融業者との和解交渉が始まっている場合は、アディーレ側からの文書を待って対応する必要があります。一旦、アディーレと解約した後に担当弁護士が個別に契約してくれれば安心ですが、別の事務所の弁護士に依頼する場合は費用を含めて手続をやり直す恐れも出てきます。
いずれにしても、今回の業務停止で一番の影響を受けそうなのは任意整理の依頼者と考えられます。
任意整理でアディーレから代行送金しているケース
任意整理の和解交渉が終わり返済計画に沿って返済しているケースで、返済金をアディーレから代行送金している場合があります。このケースではアディーレの業務停止処分により代行送金業務もストップします。
一般的に金融業者との和解契約では2回分以上(2ヶ月以上)支払いが遅れると、一括請求される契約になっていることが多いと言えます。
そのため、自身で支払いを継続するか、あるいは、早急に次の弁護士を見つける必要が出てきます。
既に、和解交渉が成立し返済も進んでいる訳ですから、アディーレが中に入らなくとも返済さえ継続されれば金融業者側に不服は無いと考えられます。
したがって、次の弁護士を選任しない場合は和解書の金融業者側に連絡し、支払日及び振込先を確認する必要があります。
過払い金の裁判中のケース
過払い金の裁判をアディーレの弁護士に依頼し裁判が継続中の場合は、次の公判に依頼者か弁護士が出廷しないと欠席のまま判決が下されてしまいます。
そこで、依頼者一人で裁判を継続することもできないことはありませんが、できれば別の弁護士に依頼する事で裁判を継続した方が良いでしょう。
いずれにしても、アディーレから訴訟資料を至急取り寄せるか、裁判所に行って裁判記録をコピーする必要があります。各裁判所には「司法協会」という窓口があり裁判手続の相談を受け付けています。
したがって、時間とやる気さえあれば依頼者一人で裁判を継続することも可能です。
過払い金の和解成立後のケース
業務停止となっても過払い金の和解契約自体に影響はありませんが、過払い金の和解が成立済みで金融業者からアディーレに入金されていない場合は、アディーレの口座が凍結される可能性もありますので金融業者に別の口座を伝える必要があります。
また、既に金融業者からアディーレに入金されている場合は、委任契約を解約し預り金を返金するようアディーレに求めることになります。
既に、和解も成立し金融業者からアディーレに入金されている訳ですから、アディーレから弁護士報酬を差し引いた金額が送金されるはずです。
ただし、アディーレも一度に数万人規模の依頼者と対応していますから、相当時間が掛かることは覚悟した方がよさそうです。
自己破産などの法的整理は弁護士交代も可能
その意味では民事再生手続や自己破産などの法的整理は、弁護士交代による混乱は少ないと考えられます。手続の手順が決まっていますし裁判所への手続の段階に応じて新しい弁護士が対応できるからです。
ただ、その場合も依頼者から見ると裁判所への費用を除き、弁護士への費用の一部がダブルになる可能性は否定できません。
考えられる「アディーレ」依頼者の今後の選択肢
現在、アディーレは現在進行中の案件全ての委任契約を解除しなければならないため、文書でその旨を全依頼者に発送中です。
したがって、アディーレの依頼者は早晩、自分自身がどうするかも決めなければなりません。そこで、考えられる選択肢を以下に列挙しました。
①アディーレに解任通知を送る
今回の騒動で一番大きな被害を受けるのは何と言ってもアディーレの依頼者です。
そこで、怒りを持ってアディーレに対し解任通知書を送り委任契約を解除する人もいるはずです。
⇒一方的に解除通知を郵送されている現状です。
場合によっては損害賠償を請求しても良いくらいですから、アディーレも誠意を持って対応してくれると考えられます。ただ、その前に新しく依頼する事務所と委任契約を取り交わしておき、解除通知には別の事務所に依頼したことを伝えた方が手続がスムーズです。
②アディーレ側の指示に従う
アディーレ側からは一旦、委任契約を解除する旨の通知が届く筈です。ただ、アディーレ側が委任契約を解除した後の対応を考えているのか、全く何も対応しないのかは予想するのは不可能です。
こちらについては関連ツイートがありましたので引用します。
一般的にはアディーレ側の要請で委任契約を解除した後に、依頼者が求めれば再契約に応じる場合が多い様です。
また、アディーレ側が別の弁護士事務所など受け皿を用意している可能性も考えられます。しかし期待はできませんので他の選択肢で進めることをオススメします。
③アディーレの担当弁護士に連絡する
現在、アディーレ法律事務所の代表電話は不通ですから、アディーレの担当弁護士に連絡するには携帯電話などに連絡しなければなりません。担当弁護士の番号などを知らない場合は弁護士が所属する弁護士会に相談してみるのも1つの手です。弁護士会経由で弁護士に連絡できるかもしれません。
ただしこれも可能性は低く現実的ではありません。
④地域の弁護士会に相談する
東京弁護士会の臨時電話相談(03-6257-1007)を含めて地域の弁護士会に相談すれば、何らかのアドバイスが貰える可能性も考えられます。
また、東京弁護士会では新たな弁護士を紹介してくれる様ですが、東京弁護士会所属の弁護士に限られるということで地方の依頼者への対応にはなりません。ただし現在は電話が一向に繋がらず先へ進めない状況のようです。
⑤新たな弁護士を探す
もうアディーレはこりごりと感じる依頼者はアディーレ側の連絡を待たず、新たな弁護士を探す選択肢も考えられます。
現在、アディーレに依頼中の人は多かれ少なかれアディーレに文句の1つも言いたい筈です。したがって、新たな弁護士を探すのは一番スッキリする選択肢ですが、弁護士費用が更に掛かることは覚悟しなければなりません。
その場合は債務整理手続専門の弁護士を選ぶことが、一番大事だということは言うまでもないことです。同時に賠償請求するということも考えられます。
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⑥自分でやる
この様な弁護士事務所のシステムに失望した人は債務整理手続を自分で行う選択肢もアリです。
任意整理・過払い金返還交渉・自己破産などの法的整理のいずれもが、弁護士などの代理人を必須としている訳ではありません。また、場合によっては司法書士に契約書や裁判所に提出する書類の作成とアドバイスを依頼し、交渉や手続は自分で行うという選択肢も考えられます。
アディーレを解約したとしても手数料がゼロにはならない筈ですから、今後の費用を節約することにもつながります。
追記:東京弁護士会の電話が繋がらない
今回の業務停止に関して、東京弁護士会は下記のようなページを設けて相談を受け付けていますが、実際に電話してみると一向に繋がらないようです(汗
弁護士法人アディーレ法律事務所に関し、東京弁護士会では臨時電話相談窓口を設けて、依頼者の
方からのご相談に応じておりますが、電話が混み合い繋がりづらい状態が続いております。
電話が繋がらない場合には、時間をおいておかけ直しいただきますよう、お願いいたします。
ご理解の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
臨時電話相談窓口
電話番号:03-6257-1007
(受付時間は午前9時から午後5時まで、土日祝日を除く)
引用:http://uwaki-research.work/adireteishi/
この緊急事態なのに土日祝日除く9時~5時というのもどうなのかと思いますが・・・。
追記:アディーレ法律事務所も繋がらない
上述した通り、東京弁護士会はもちろん、アディーレ法律事務所への電話も一向に繋がらないようです。
まぁ業務停止中ですので当たり前といえば当たり前なのかもしれません。
当然ですが、所属弁護士が個人で引き継ぐこともできません。
とはいえ、結局は他の弁護士に依頼するか、直接債権者と交渉して今後を話し合うか、方向性を決めることすらできないのでは困ってしまいます。そのままに債権者から一括返済を求められる状況になってしまったらどうしようもありません。
こちらの選択肢の中から現実的なものを選択してみてください。